医師会だよりの投稿欄を見ていたら「救急車の適正利用」という題での投稿があり、
時々お世話になる救急車のこと、興味を持って読み出しました。
要約すると、
新潟県の村上市の女性産婦人科医である投稿者が
ある時、切迫早産で陣痛が始まってしまった妊婦さんをNICUのある新潟市まで母体搬送(おなかに胎児がいる妊婦を治療が可能な高次の産院へ送り届けること)することになった。
以下、抜粋。
ようやく目的の病院に到着し、すぐに分娩室に入り、産婦人科医と小児科医に立ち会ってもらい、出産となった。
その時は入院から分娩まで1時間くらいだったので、救急車と隊員に待っていてもらうことができた。
でないと帰りは一人で電車を使って村上まで帰ることになる。
ほっとして戻った救急車は、もちろんサイレンは鳴らさないで、ゆっくりと村上に向かう。
ふと我に返ると、お昼時はとっくに過ぎており、お腹はペコペコである。疲労感がどっと押し寄せてきて、ああ何か食べたい。そう言えば、岩船においしい大判焼きのお店があったはずと思い出し、突然「運転手さん、大判焼きを買って食べたい」と救急隊に告げた私。
「何を言っているんですか、救急車が大判焼きの店の前に止まるわけにはいかないでしょう!」とのご返事。
「エー、だってサイレンも鳴らしていないし・・・」残念無念。
もちろん大判焼きを買うことはできなかったが、翌日産婦人科外来に大量の大判焼きが届けられた。ありがとございました。
今では救急車で患者さんを搬送しても原則、帰りは送ってくれません。当院はそんなに遠くに搬送することはないのでたいていはタクシーで帰ります。
そして消防訓練に行った消防団の消防車が弁当屋に寄ったといって問題になったこともありましたね。なんだかなあ。余裕のない世相になったと言うことでしょうか。
でも、投稿者の先生のお話は最後には心温まるお話になりました。
救急隊の皆様、毎日ご苦労様です。
理事長