数日前マグロさんのお祖母さんのチェサがあり、
マグロ家のみんなで集まりました。
今回のチェサは異例のチェサ!
マグロ家の歴史に残る日となりました。
チェサとは
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チェサ(祭祀)とは、
韓国で命日に行われる法事のようなものです。
命日に家族が集まり、お供え物を準備して儀式をします。
昔は命日の深夜0時に行われていたそうです。
マグロ家では現在、午後8時に行われます。
私が韓国に来たばかりの頃は、
在韓仲間からもちょこちょこチェサの話を聞いたものですが、最近はほとんど聞きません。
命日にチェサをする家はどんどん少なくなっているようです。
今回もチェサの話を韓国人の主婦にしたら、
「えっ!?最近はしない家も多いのに珍しいですね。うちはずいぶん前からお寺にお任せしてます~」
と言っていました。
している家庭でも、亡くなってから10年経ったらやめるなど、
チェサを減らしていく傾向にあるようです。
マグロ家はそんな中、まだがっつりやる家でして。
お祖母さんがなくなってから、
20年以上経ってます。
数年前まで曾祖母のチェサまでやっていましたからね。
お祖母さんのチェサは今後もしばらく続きそうです。
チェサのストレスポイント
韓国独特の風習であるチェサ。
私が渡韓した直後の初々しい嫁時代には、
「なんて素敵な風習なの~♡」
と、亡くなった人を大事にする風習に感動すら覚えていました。
嬉々として改良韓服まで着ちゃって。
チェサに参加できることを喜んですらいました。
私の頭の中には、下条アトムさんの
韓国のチェサにイクラが出会ったぁ~
という声が響いていたのです。
若い人はもしかしたらご存じないかもしれません。
「世界ウルルン滞在記」という番組を。
芸能人が異文化を体験する番組です。
私はチェサに行くたびに、
脳内で異文化を体験している芸能人になりきっていたのであります。
しかしながら、年に何回もチェサが行われ、それが何年も続くと、
飽きました。
エビを産んだあたりから、うんざりし始め、
子育てと仕事で忙しくなると、
怒りすら覚えてきました。
このチェサの最大のストレスというのが、
命日当日に行われるということ!!
命日が月曜日でも、どんなに忙しい日でも変更不可!
命日当日にチェサをしなければならないのです。
亡き義父の命日は3月4日。
韓国の新年度は3月スタートなので、非常にバタバタしている時期であり、
毎年義父のチェサのたびに、軽くストレスを感じています。
子孫のことを考えると、
うかうか忙しい時期に死んでいられないというプレッシャーがあります。
命日に近い週末などにチェサをしちゃダメなんすかね??
男性陣は夜の儀式に参加するだけでいいですが、
女性陣は事前に料理の準備をしなければなりません。
メニューも決まっており、品数も多い!
こちらは去年、義兄夫婦が仕事を休んで準備してくれた料理です。
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チェサを取り仕切る長男の嫁である義姉は、チェサのたびに会社を休んだり早退したり。
大体、義姉も私もお義父さん以外の故人には会ったことないんです。
それなのに、なぜ「嫁だから」という理由でここまでしなければならないのか!!
親戚まで集まった時には、私と義姉がだけが台所で忙しく働き、
マグロ家のメンバーはリビングで談笑してたりして、ストレス倍増であります。
この、強制的に女性(嫁)の社会生活をストップさせ、苦労を強いるチェサに
私は怒りと疑問を抱き、ストレスを感じるようになっていました。
ま、私はちょろっとお手伝いをするレベルの次男の嫁なんですがね。
義兄の嬉しい提案
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長男の嫁である義姉はバリバリのキャリアウーマン。
チェサのために仕事を休んだり、早退するのに段々無理が出てきました。
義姉の仕事が忙しい時には、
チェサを簡素化したり、お義母さんと義兄、私ら夫婦で準備したりすることもありました。
今現在、義姉は1000人以上をまとめる大きなプロジェクトの総括。
義兄も仕事が大忙しです。
今回のチェサの数日前、
義兄が家族のグループカカオにこんなメッセージを。
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要約すると、
義姉は忙しくてチェサの準備ができない。
チェサの準備は難しいから食べ物の準備はしないで、
家族が集まり出前をとっておいしいものを食べることでチェサということにしよう。
お義兄様・・・・・
大賛成です♡
出前をとってチェサだなんて!
初めて聞いたけど、いいんじゃない??
お義母さんは、
「伯母さん(義父の姉)が生きているうちは、どうかしら??」
と難色を見せました。
マグロさんは、
「もう70代なのに、いまだに母さんは嫁として伯母さんの顔色を窺っているんだ」
と呆れていました。
お義母さんがまともにチェサを行う気なら、
いつも暇そうな次男の嫁である私に打診が来るんじゃ・・・?
と心配になりましたが、チェサの日はちょうど私も朝から仕事づくめの日。
打診されたところで、
私も早い時間からチェサの準備をするのは無理なのです。
結局、マグロさんと義妹が義兄の意見に大賛成をし、
出前料理でチェサをすることに決まりました。
ウキウキなチェサ準備
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義兄から、それぞれ自分たちが食べたい物を買ってくるか、
義兄宅宛てに出前を取るように言われました。
我々は家族会議の結果、
イクラ:「お寿司!!」
エビ: 「寿司食べたい!!」
マグロ: 「お寿司がいいな~」
と、お寿司で意見が一致しました。
我々のHNが寿司ネタだからかしら?
コスパのいいお寿司を考えた結果、
Eマートトレーダース(コストコの韓国版)でパーティー用のお寿司を買うことにしました。
そのほか、サラダ代わりの中華冷菜とチーズケーキも。
ホームパーティーに行くような気分です。
実際は、
お祖母さんのチェサなのに。
Eマートトレーダースから義兄宅に向かう道中には、なんと!!
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キレイな虹が♡
こんなにいい気分でチェサに向かったことがあったでしょうか?
美味しいチェサ
![](https://ikurakoreablog.com/wp-content/uploads/2023/09/KakaoTalk_20230901_150943471_02-1024x768.jpg)
結局、義姉も仕事に都合をつけ、義兄と共に19時には帰宅できました。
集まった我々は早速買ってきた食べ物をお皿に盛り付け。
義妹が注文したカムジャタンは出前が遅れ、お供えはしませんでしたが、
かなり豪華なチェサとなりました。
「新しい形のチェサだ!みんな記念に写真を撮れ!!」
と義兄が言い、みんなで写真撮影。
私はいつもの癖で、
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そんなみんな(義姉&マグロ)を撮影。
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お祖母さんに挨拶をし、儀式も無事に終わりまして。
その後はみんなでお食事です。
これが、
美味しくて美味しくて。
そりゃあ、食べたい物をそれぞれ買って来ているのだから当たり前です。
ちなみに、お寿司は瞬殺でした。
結局、チェサの前に義姉がお皿に乗り切らなかったアナゴを
私の口に放りこんでくれたのが、唯一食べられたお寿司となりました。
エビはバクバク食べていたくせに、
「ママ、あのお寿司は韓国式であんまりだったよ。日本に行ってスシローのお寿司食べたほうがいいよ!」
と、かなり微妙な慰め方をしてくれました。
食事をしながら、各家庭で一体いくらかかったのか報告し合うことになりました。
毎回チェサ代として、各家庭から10万ウォン(約1万円)払っているのですが、
今回は、食事代をチェサ代としました。
その結果、今回の食事代はなんと!
各家庭から6~7万ウォン!!!
美味しいうえに安上がりです。
お義母さんが、それでもチェサだからとナムルやスープなどを作っていましたが、
誰も手をつけていませんでした。
「今後は、こういうスタイルで名節やチェサをしていった方がいいんじゃないか?
お供え物の内容より、家族が集まって故人を偲ぶことが大切だ」
ということで意見がまとまりました。
気を遣う嫁
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チェサのたびに写真を伯母さん(義父の姉)に送っているお義母さん。
伯母さんはお祖母さんの娘なので、故人に一番近い関係です。
みんなで食事中に伯母さんから電話がかかってきました。
この新たな形のチェサを伯母さんは写真でご覧になったよう。
お義母さんは、
「子供たちが私が苦労しないようにと考えて、こんな形のチェサにしたんですよ~!私のために!仕方なく!」
と言っていました。
(お義母さんがチェサを義兄夫婦に任せてから数年経ってますが)
お義父さんが亡くなって10年以上経った今もなお、
お義母さんは嫁として体面が気になるようです。
私がお義母さんの時代に韓国の嫁だったら、ストレスでやられてましたね。
義兄夫婦、我々夫婦、義妹夫婦は、
この新たな形のチェサが気に入り、今後も続けたいと思っているのですが。
果たして、今月末に行われるチュソク(韓国のお盆)でも、
お供え物は我々が食べたい物になるのでしょうか???
お義母さんが体面さえ気にしなければ叶うはずです。
疲れない、おいしい、安上がり。
最高のチェサじゃないっすか!
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