モラハラ夫に耐えかねて離婚を決意。
別居から1年11ヶ月。
離婚調停から離婚裁判へ移行し、
結婚19年目で和解し離婚が成立した。




前回の話はこちらから

モラ夫の意思により
子供の誕生日にだけは
お金を振り込んできていたのだが
離婚2年目にしてスルーしたモラ夫。
その事に思わぬショックを受ける私……。


娘の誕生日が過ぎても
しばらくモラ夫からの連絡を
私は待ち続けた。


今更……、
頭では分かっているのだ。
アイツはそういう奴なのだと。
それでも娘の気持ちを考えると
割り切るのは難しい。
だって…あんなヤツでも父親なのだ……。
全てが父親とし失格な奴だった。
だからこそ
せめてそこだけは
意地でも続けてほしかった……。


娘の誕生月が終わるギリギリまで待ってみたが
結局モラ夫からの連絡は一切無かった。

どうしようか悩んだ末に
私は娘に嘘をついた……。


「今日モラ夫から小夏の誕生日にって
お金が振り込まれていたよ。どうする?」
そう電話で娘に伝えた。

この嘘が正しいのか
それとも間違いなのかは分からない。

何もしてないモラ夫に
ただ手柄をやったみたいで腹が立つし、
辛いけれど娘はモラ夫の本質を
きちんと知っておくべきだとも思う。
(私に言われずとも
娘が誰より知っていたのだけれども……)


「いる!いる!
今までアイツには散々奪われたんだから
貰えるもんは貰っとかないと!!」
食い気味の返答。

「そうだよね!
こんなんじゃ全然足りないくらいだよね!!」
娘とのいつもの会話。



「……忘れられたのかと思った。」


娘の不意の発言に私は息をのんだ。
同時に胸がズキリと痛む。


「明日振り込んでおくね!」
そう言って私は電話を切った。


『忘れられたのかと思った』
その娘の言葉が耳から離れない。
ズブズブと
私の胸の深い部分に突き刺さっていく。

私と同様に娘もまた
モラ夫に父親の欠片を探していたのだ……。

そしてモラ夫に
父親の欠片が何一つとして無い事を知るには
娘にはまだ少し早いのかもしれない……。

この嘘は突き通そうと
私は心に誓った。


誓ったのに……、
台無しにしたのはまたもやモラ夫だった。

モラ夫から息子への下らないメールが
私の嘘に矛盾を生じさせたのだった……。



 

 


 


 


夏だから少し派手なのもいいかも……。