モラハラ夫に耐えかねて離婚を決意。
別居から1年11ヶ月。
離婚調停から離婚裁判へ移行し、
結婚19年目で和解し離婚が成立した。



前回のお話はこちらから


「実は……」と
おもむろに語り出した息子に
思わず身構える私と娘。

「え!?モラ夫に会ったの!!?」
息子の言葉を待たず口を挟んでしまう私。

「違う、違う、会ってない」
その言葉に少し緊張が緩む。

勿論会うことは止めないのだが
黙って会うことには賛成しない。
モラ夫との再会は
モラ夫がこの狭い町にいることを示している。
最近あちこちで熊の出没が世間を騒がせているが
私達にとっては熊よりも危険な存在なのだ……。

だからこそ会うとしても
二人きりにならない場所を選ぶ必要がある。
モラ夫の車になんか乗ったら最後、
あの日みたいに車内で暴れるかもしれないし、
あの時みたいに拉致されるかもしれないのだ。

「メールがきた……。」

モラ夫の息子への執着はやや強い。

「印象に残らないくらい下らない内容で、
無駄に絵文字とかいっぱい使ってて……」

直ぐに思い浮かんだ。
特徴的なモラ夫の稚拙な文章だ。

「丁度僕の誕生日会をやる日で、
ママとお姉ちゃんが色々準備してくれていて……」

誕生日って……何ヵ月も前のことだ。

「びっくりして話したかったけど、
パパの話しをすると
ママもお姉ちゃんも具合悪くなっちゃうから
言わない方がいいかなって……」

それで合点がいった。
あの日、息子の様子がおかしかったのだ。
沢山の料理とケーキとプレゼントを
一生懸命用意したのに
息子の反応は何だかぱっとしなかった。
反抗期?と思いながらも
朝から手間隙かけてあれこれ作ったのにと
私は虚しさを感じていたのだった……。
あれは……モラ夫のせいだったのか!

せっかくの息子の誕生日を
遠隔で盛り下げてくるなんてモラ夫の奴め!!

「夏生ちゃん、
一人で抱え込ませちゃってごめんね。
せっかくの誕生日会だったのに…。」

本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

「誕生日だからお金送ったぞ!!
……とか書いてるかと思ったけど何もなかった。」

そう話す息子に同情する娘。

しかしこの時密かに
私は新たな問題に直面していたのだった……。



 

 

 

 

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