【行政法】12:不服申立適格(最判昭和53年3月14日行政百選Ⅱ128、主婦連ジュース訴訟)

 

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1.キーワード

不服申立適格

・法律上の利益を有する者:当該処分により自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害されまたは必然的に侵害されるおそれのある者をいう。

・法律上保護された利益:当該行政処分の根拠となった法規が、私人などの個人的利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課していることにより保障される利益。行政法規が他の目的、特に公益の実現を目的として行政権の行使に制約を課している結果たまたま一定の者が受けることとなる反射的利益とは区別されるべきもの。

 

2.意義

行政上の不服申立適格を取消訴訟の原告適格と同様に解し、一般消費者の利益を反射的利益としてその適格を否定することで、法律上保護された利益説を確立した。

 

3.概要

公正取引委員会による果汁飲料などの公正競争規約の認定に対し、消費者団体が不当表示防止法に基づき不服申立てを行ったところ、不服申立適格がないとして却下されたため、その取消しを求めて争った。

 

4.判旨

行政上の不服申立適格は自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害されまたは必然的に侵害されるおそれのある者に限られ、景表法における一般消費者の利益は公益保護の結果生じる反射的利益にすぎないため、消費者団体などは公正競争規約の認定を争う適格を有しない。

 

5.射程

景表法上の不服申立てに限らず、行政上の不服申立適格一般について、取消訴訟の原告適格と同様に「法律上保護された利益」を有する者に限定されるという判断枠組みを示した。

 

6.論証パターン

(準備中)

 

Webライター・沈潜(ちんせん、Tingseng)

 

【行政法】36:課税処分に対する国家賠償の可否(最判平成22年6月3日行政百選Ⅱ227、名古屋冷凍倉庫固定資産税事件)

 

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1.キーワード

金銭納付を命ずる行政処分

・公定力

・最判昭和36年4月21日

 

2.意義

金銭納付を命ずる行政処分についても、あらかじめ取消判決などを経ることなく、国家賠償請求により過納金相当額の賠償を求め得ることを明らかにした。

 

3.概要

冷凍倉庫を一般用倉庫と誤認した固定資産税の賦課決定に対し、納税者が審査申出や取消訴訟の手続を経ることなく、過納金相当額の支払いを求めて国家賠償請求訴訟を提起した。

 

4.判旨

公務員が職務上の法的義務に違背して固定資産税額などを過大に決定したときは、納税者は審査申出(地方税法432条1項本文)や取消訴訟(同法434条1項)の手続を経ることなく、直ちに国家賠償請求により過納金相当額の賠償を求め得る。

 

5.射程

固定資産税の賦課決定に限らず、法律に別段の定めがない限り、金銭の納付を目的とする行政処分一般に及ぶと考えられる。

 

6.論証パターン

(準備中)

 

Webライター・沈潜(ちんせん、Tingseng)

 

行政法35:児童養護施設における事故と損害賠償責任(最判平成19年1月25日百選Ⅱ226)

 

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1.キーワード

公権力の行使に当たる公務員の職務行為

 

2.意義

公権力の行使を委託された私人の行為について委託元の公共団体の国家賠償責任が認められる場合、国賠法1条1項の趣旨により、受託者である私人は民法上の使用者責任を負わない。

 

3.概要

県の措置により民間児童養護施設に入所した児童が職員の過失による事故で負傷した件につき、県の国家賠償責任および施設運営法人の民法上の使用者責任の成否が争われた。

 

4.判旨

都道府県の措置により入所した民間児童養護施設の職員による養育監護行為は公権力の行使に当たるため、都道府県が国家賠償責任を負う場合には、施設職員個人だけでなく施設設置者も民法上の損害賠償責任を負わない。

 

5.射程

本判決の射程は、行政活動に深く組み込まれた私人の行為を公権力の行使と認める点では広く及ぶが、民間事業者の民事責任を免責する点については事案ごとの個別判断が必要である。

 

6.論証パターン

(準備中)

 

Webライター・沈潜(ちんせん、Tingseng)

 

行政法34:宅建業者の監督と国家賠償責任(最判平成元年11月24日百選Ⅱ216)

 

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1.キーワード

規制権限不行使:監督処分を行う権限を持っているにもかかわらず、それを行使しなかったこと。

・著しい不合理:規制権限不行使が国家賠償法上の「違法」となるための判断基準。

・裁量権:著しい不合理かどうかの判断の前提となる概念。

・(消極的裁量権濫用論)

・(反射的利益論)

 

2.意義

規制権限不行使の違法性判断について、その不行使が「著しく不合理」な場合に限り違法となるという判断枠組みを確立し、後の筑豊じん肺訴訟などで一般化される定式の基礎を示した。

 

3.概要

宅建業者の詐欺的取引により損害を被った原告が、京都府知事による当該業者への免許付与・更新および監督処分権限の不行使が違法であるとして、府に対し国家賠償を請求した。

 

4.判旨

宅建業者の不正行為に関し、免許付与は直ちに国賠法上の違法とはならず、監督権限の不行使は著しく不合理でない限り違法ではない。

 

5.射程

本判決が示した「著しく不合理」という判断枠組みは、宅建業法の事案にとどまらず、規制権限不行使の違法性を判断する一般化された定式として、筑豊じん肺訴訟や水俣病訴訟など広範な国家賠償請求訴訟に射程が及ぶ。

 

6.論証パターン

(準備中)

 

Webライター・沈潜(ちんせん、Tingseng)

 

行政法25:競業者の原告適格(2)一般廃棄物処理業(最判平成26年1月28日百選Ⅱ165)

 

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処分の相手方以外の第三者(既存業者)の原告適格

 

2.意義

根拠法に明示的な需給調整規定がないにもかかわらず、法の仕組み全体から実質的な需給調整の意図を読み取り、処分の相手方以外の第三者(既存業者)の原告適格を認めた。

 

3.概要

一般廃棄物収集運搬業の既存許可業者が、競業他社に対して行われた同許可更新処分の取消し等を求めた事案。

 

4.判旨

廃棄物処理法は、需給調整の仕組みを通じて既存業者の営業上の利益を個別的利益としても保護する趣旨を含むため、既存許可業者は当該区域内の他者に対する許可処分の取消しを求める原告適格を有する。

 

5.射程

許認可の根拠法に明示的な需給調整規定(適正配置規制など)がない場合であっても、法の趣旨や規制の仕組み全体から実質的な需給調整の意図が認められる場合には、既存業者(競業者)に原告適格が認められ得る。

 

6.論証パターン

(準備中)

 

Webライター・沈潜(ちんせん、Tingseng)