289-足と因縁 3 | ikoma-gun(フリムン徳さん)のブログ

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酒屋で立ち飲みの後は、寮で、島の方言で

語らいながらの島の話や女友達の話に

毎晩夜明けま飲み続けた。みんな若いし、

グテングテンになるまで酔う。

いくら酔っ払って我を忘れても誰かが面倒を見る。

これが同じ村同士者のよさだ。


この毎晩の小さな宴会が唯一のヤマトでの

楽しみだったように覚えている。

酒が切れると必ず誰かがポケットから

グシャグシャの紙幣を出して、一番若い奴を二人以上

一緒に酒屋に行かせて酒を調達した。

二人以上行かせるのは理由があった。

日本語が通じないかもしれないのと、

まだ田舎もんだから、買い物の度胸がないからだった。



 いつものように島の若い奴が7、8人集まって

飲んだ夜に私の足は像の足になったのである。

この夜の出来事は私は東京を離れて、大阪に行っても、

その事件のことは誰にも漏らさなかった。

自分の恥よりも、私の先祖代々長年続いた村でも

古い上園田家の歴史に汚点を残すかもしれないと、

気にしていたようである。


 私の足にまつわる思い出話はまだある。

夜間高校生の頃は電通の運動会のマラソンを素足で走り、

アスファルトの熱さで火傷をしそうになりながら

走って2位に入賞して、有名になったこともある。

小さい頃、板に打ち込まれた釘を踏んで、

足が腫れた思い出は何回もある。

小学5年生の頃は馬に鋤をつけて畑を耕やしながら、

危うく、鋤で、足の脛を切りそうになったこともある。

でもなんとなく大事にならなくてすんでいる。

続く