アルファロメオGTA(937)始動不良 | 一休の整備記録簿

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日々の自動車メンテナンス記録

すっかりご無沙汰してます。

人生何が起こるか分かりませんね。

諸事情がボチボチ落ち着きはじめました。

 

ちょっと前の案件です。

アルファロメオGTA GH-937AXL 

走行中エンジン停止、旅先での故障から弊社入庫。

初見はメーター内モニターがイモビやら多数の異状点滅をしている。

故障診断機を繋ぐと故障コード多数、しかしパワートレインは通信できない。

なるほどエンジンチェックランプも点灯しない、いや?時々一瞬点灯もあり。

電源、ヒューズ、アースの異状はない。

 

 

お客様に状態を伝え、かなりタイトなスケジュールから時間を要すると説明した。

するとお客様の行き付け整備工場から電話で、その症状は定番のECU故障だという。

イモビもあるのでエンジンECU、ボディーECU、キー内部のトランスミッターを交換

すれば99%完治するという。残りの1%はなんだ(笑)えらく自信満々!

 

弊社同県にあるアルファロメオ専門店にも知り合いがいて中古部品で在庫があるという。

電話しておくので部品発注して下さいとのこと。

「詳しい診断もしないのに、いきなりECU交換で直らなくても知りませんよ!」と伝え、

その工場でも数台経験済み、ネットでも同様のトラブルが続出しているという。

お客様もそれが早いので了解済みだという。ろくに診断もしてないで部品を手配した。

中古部品とはいえ3点セットで10万オーバー”

行き付けの工場、同県のアルファロメオ専門店?、お客様も同一意見

直らなくても、おら知らん!

 

 

部品が到着しECUの3点セットを交換し、イグニッションON” メーターの異状点滅は・・・、

変わらない、恐る恐るクランキングするも・・・・、始動しなかった。(大汗)

人の言うこときかないで交換したんだからしょうがない。

 

そしてようやく時間が取れたので夜な夜な診断を開始した。

エンジンチェックランプが点灯しない、ドライブトレインの故障コードを拾わない、

たしかにエンジンECUが怪しいのは解る。

エンジンECUは中古で交換済みなので診断するにも気が楽ちん(笑)

ECUの電源、アースから点検してゆく。バッテリーやターミナルは良好だがECU電圧は

12V弱の電圧を示している。中途半端な電圧に感じたのでヒューズの電圧降下を点検してゆく。

プラス~マイナスの電圧ではなくプラス~プラス間で電圧をみていくと、なんと!!

電圧降下している。

 

 

さらに上流へと進むとバッテリーから40Aのヒュージブルリンクでも電圧降下している。

原因はこの辺か?

ヒュージブルリンクを抜くと・・・、ボックスが熱で溶けている。

 

 

原因はこれだった。

電圧はある程度出ていても仕事をするのは電流!

以前から何度も申し上げていること。夜な夜なだがサクッと判明し完了!

専門店のアドバイス×2とやらで高い代償となったお客様、

根拠なき交換はこのようなことになる、それよりもお主ら「ググり過ぎ!」