(写真:フォトAC)
ゲームがラスト間際でバグっており、
仕方なく勉強に時間をついやしております。
ちゃんと学習時間をつくるように大学からはコメントがありますが、
やろうと思うと逃避したくなっちゃうのよね~
学生の気持ちわかるわあ。
さて、ニアミスだなあという出来事がありました。
とはいっても小説の中の話です。
ちょっと固い内容なので、読みたい人だけ読んでくださいませ。
今寝る前に読んでいるのが、岡本綺堂の「江戸の思い出」。
読んでいるとデジャブと思えるような記述があります。
それが、先日まで読んでいた「下級武士の食日記」です。
同じ店のことを書いていたり、同じ場所を通っていたことがわかります。
岡本綺堂が生まれたのは1872年。
自分が14歳~15歳の頃までの東京の街の思い出を書いています。(1885年頃か)
一方の下級武士酒井伴四郎が江戸づめをしていたのは、1860年のこと。
両者の間には25年程度の時代の開きしかありません。
酒井伴四郎は御三家のひとつ、紀州和歌山藩の武士です。
両者を隔てるのは25年。
その25年の間に江戸は消えて東京となり、
大手を振っていた武士が、大道芸人まがいのことで銭を稼ぐ時代になりました。
伴四郎が好んで通っていた牡丹餅や。
綺堂が子供のころには、そこに有名な牡丹餅やがあったのは知っていたけれど、
いつの間にかなくなってしまったと書いています。
伴四郎は江戸にいた頃に常磐津を習いに行っていました。
町のあちこちにあった常磐津の師匠もすっかりいなくなったと綺堂は書いています。
あと数年でなくなってしまうであろう江戸の香りをどうしても
岡本綺堂はとどめておきたかったのでしょうし、
他の時代小説にない独特の文章は彼の江戸への憧憬だったのだろうと思われました。