VTR1000F 前期と後期と輸出と国内 | ガレージ 一狐亭

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どうもこんばんは、一狐です
VTRを買ったときにもチラッと書きましたが、色々と調べたり考えたりしている中で分かった違いなんかを書いてみようかと
ずいぶん今更ですがw

前期と後期
・メーター
前期はオド、トリップのみデジタル表示でタコ、スピード、水温はアナログ式
後期は燃料計、時計が追加され水温がデジタル表示に変更
水温計の変更により水温センサーの変更
燃料警告灯から燃料計へ変更になったためセンサーがサーミスタ液位センサからフロートセンサへ変更
サイドスタンド警告灯の廃止
スピードリミッター解除方法が違う
メーターは圧倒的に後期型の方が優れています

・燃料タンク
前期16ℓから後期18ℓへ増量
オートコックがタンク固定からフレーム固定へ変更になりキャブのホース長、取り回しが違う
タンクロゴがFireStormからウイングマークへ変わる
近場だけなら16ℓでも問題ありませんが、やっぱり多い方が良い

・ハンドル回り
垂れ角が変更になり前期はスーパースポーツぐらいから、後期はツアラーへと変わる
左ハンドルスイッチの変更によりハザードスイッチの追加(国内のみ)、(ハーネスの回路が違うためポン付け不可)
これは人によりけりですが、後期の角度は中途半端で腰に来ます
スポーツ走行だと前期の方が良いですし、ツーリングならハンドルアップスペーサーで上げるかハリケーンのハンドルの方が良い様な気がします

・エンジン回り
カムチェーンテンショナーが故障しにくい対策品へ変更(壊れにくいだけで壊れない訳じゃ無い)
排ガス規制のためエアインジェクション導入
これによりリードバルブやコントロールバルブが追加される
後期になり国内はカタログ値こそ変わらないものの、中間域で出力ダウン(輸出は4馬力低下)
エアクリファンネル、エアクリ内風道板、エレメント(後にバラデロと共通化?)が違う
キャブセッティングの変更
ジェットニードルで前期F:A1UD R:A1UC、後期F:A1UF R:A1UE
エアカットバルブ及びエアジェット変更
パイロットスクリューが+からDタイプへ変更
騒音規制のためマフラーが静かになるも国内は糞詰まり
エンジンは圧倒的に前期型。後期はマフラーのせいでノーマルだとレスポンスが悪いのとエアインジェクション特有のトルク変動があります
スポーツ走行ならテンショナーさえ変えれば前期がお勧め

・外装
ウインカーデザインの変更
カウルのVTRロゴがFireStormへ
リアカウルのV2ロゴ廃止
Fブレーキディスクのカラーとデザインが変更させるも制動力は据え置き
シフトペダルのアームがアルミの物から鉄の棒へコストダウン

↑は前期
これはかなり改悪で見た目と調整のしづらさがあるものの、シフトペダル、チェンジアーム、チェンジロッドの3点セットで移植可能
カウルステーがアルミから鉄へコストダウンされるも、アルミステーのクラック対策、立ちゴケ時にステーが歪む事でカウルへのダメージ低減効果があるため見た目以外は後期の方が優秀だったり

・電装他
登録されたキー以外始動できないようにするための盗難防止装置HISSの導入
バッテリーが小型化(互換性有り)
レギュレーターが故障しにくい物へ変更(前期は中華以下のゴミ)
ヘッドライトのPNが違うも何が違うか見た目でも不明
イグナイター及びコンバーターユニットの場所変更によりシート内のスペース向上

前期はテールライト側に設置されていた2つがサイドへ移動


空いたスペースへ純正工具を入れてもまだ余裕があるので地味に結構入ります
大判の漫画も入るので何気にCタマ位物が入る

・足回り
後期国内のみリザーバタンク別体式のリアサス搭載で圧縮側の減衰力調整が可能
フォークダンパーのセッティングが変更
フォークインナー、アウターが変わりプリロードの範囲がかなり違う。後期の標準位置が前期の最弱とほぼ同じ位
前期はかなり固く段差でポンポン跳ねる代わりに、後期は前期と比べるとブレーキング時に踏ん張りが効かず腰砕けになる印象
リアハブのカラーが変更されるも詳細不明
前期後期で三つ叉、ディスタンスカラー、ベアリングが同じなので全長は変わらないのではないかと


国内仕様と輸出仕様
バルブタイミング、リフト量、点火時期、キャブの違いで最高出力が違う
キャブセッティング、エアクリ内ファンネル、風道板が前期国内と違うも、後期国内はファンネル、風道板、JNが輸出と共通
エアエレメントが違うも型番が変更されてバラデロと共通化されたのかも
エンジンインシュレーターの規制板の有無
エアダクトは輸出の方が大型

チェーンが国内525、輸出530
チェーンが違うためスプロケットが違う(コンバート可能)
スプロケの厚みが違うためハブスタッドボルトが違う(国内12×25、輸出12×28)

サンスターの型番は国内と輸出コンバートの品番が同じなので、530→525への変更は可能(逆は不可)

輸出仕様のメーターは280Km/hフルスケール

国内はホワイトのみ、輸出は前期後期共にホワイトとブラックがあるらしいがどの要因で違うのか不明


まとめ
パーツリストを見比べると他にも一杯ありますが大きな所はこんな所でしょうか
輸出か国内かは走る道によってお勧めが違います
3000~6000回転でトルクが厚い国内仕様は中低速コーナーやジムカーナなんかにお勧め
特にタイトなコーナーの極低速で一気にバンクさせた後に、寝かせたままスロットルを開けて起き上がるV2特有の素早い動作は圧倒的に国内の方が楽しいです

輸出は上の伸びが別物で高速コーナーからの直線はVツインパルス特有の加速で隣に4発SSが居なければはめちゃ早く感じます

前期か後期は予算次第ですが、パワーを求めるなら前期輸出でしょう
後期国内はキャブ内やエアクリのパーツが共通なので割と簡単にセミフルパワ化できるのでいいとこ取り
安さ抜群の前期国内
全部入りだが、玉数も少なく値段も高い後期輸出

キャブ車最後の傑作とどっかの親父が言ったらしいVTRももう少しで旧車に入りそうですが、エンジンがバラデロで生き残っているため、部品供給はまだ結構行けそうです
足回りは他車種から流用や社外、ステップ類社外がまだある、外装はコピー品が安く売っていたりと意外とまだまだ行けそうです