KSR PRO レギュレータとLEDヘッドライトとLEDバルブ | ガレージ 一狐亭

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どうもこんばんは、一狐です
3連休はVTRで今年最後のロングツーリング。天気も良くめっちゃ楽しかった~
フル下道370Km結構疲れたので最終日はのんびりブログ更新でも

さて今回はKSR PROの電装ネタ
旧KSR110からNewKSRへ乗り換えて思った事は、ノーマル状態で旧KSRより全域でかなりパワフルになっている事(スプロケは同じで比較)
大部分はCDIの違いによる影響だと思われます
旧KSR、KAZE125、NewKSR、KSRPROのCDIは全て品番が違い、KAZE125とPROのCDIはかなり特性が似ているらしいです
旧KSRでマニュアルクラッチ化している人はPROのCDIをポン付けすると幸せになれるかもしれませんね

PROのCDI

他にもカムシャフトが変わっており、リフト量や作用角まで違うかは分かりませんが、他にも大きな違いがあります
それがオルタネーターとレギュレータ
旧型のジェネレータは片方がフレームアースに接続され、チャージコイルとライティングコイルの線が出ていましたが、NewKSR以降はライティングコイルが廃止されています
同時にオルタネーターのコイルも強化されています

しかしNewKSRにもヘッドライトその他のライティング回路が存在します
採用されているレギュレータが新電元の新型の物 へ変わっており、似ていますが制御方法が全くの別物になってますね
従来のサイリスタショート式から、オープンタイプや開放型と呼ばれる物へ変わっています
SH824AA 品番:21066-0051 4600円

旧KSRはヘッドライトは交流で駆動、バッテリーのみ半波整流された+側のみ使用
新型はヘッドライトが負サイクル、バッテリーは正サイクルで制御されており、オルタのコイルがアースされていますが全波制御されています
負サイクルで駆動されるのはヘッドライト、メーター照明、ナンバー灯、ブレーキランプ尾灯側で、旧KSRだと交流駆動されていたキャブヒーターはバッテリー駆動へ変更されました

ではどんな制御なのかいつものオシロで見てみます

接続はレギュレータで
NewKSRからリアカウル内へ移動しています


まずはアイドリング
左がライティング線で右がバッテリーチャージ側
赤色はオルタネーターの出力

ライト側がマイナス側のみの出力になっています
NewKSRとPROのライトは交流ではないので注意です
右側を見ると充電中のみオルタの山が小さくなっています



5000~6000回転
ヘッドライトに掛かる電圧は平均14.3V付近ですがあくまで平均
ピーク値が-52Vになっています
もし、H4のLEDヘッドライトをそのまま繋げると瞬間的に50V以上の電圧がかかっています
ナンバー灯やブレーキランプの尾灯側にも同様に掛かっています

交流駆動だった頃はライティングコイルはヘッドライトへ直接接続され、電圧が上がると回路をショートさせて余分な電気はコイルへ戻していました
新型は必要な分だけ取り出す代わりに電圧制御がされていません。平均で14.4Vになるように取り出してますが、オルタネーターからの出力がそのままやってきてます
交流駆動だと最大で±20Vだったのが、-50V以上とかなり電圧が高くなっており、原付の交流対応の物でも耐圧の上限を超えるかもしれません

インジケーター程度のLEDならかなり余裕を持っているのである程度は大丈夫ですが、LEDテールライトの場合かなり厳しいです
尾灯側とは言え、中華製の安物だとストップ時にオーバードライブさせている物がありそう言う余裕のない設計だと数時間から数週間でLEDが寿命を迎えます

H4のLEDヘッドライトの場合、使われているCX1215なんかはバッテリー電圧より高く昇圧回路でを通っているので回路の耐圧はちょっと高めですが、電流制御用のチップへ供給されている7805の5Vレギュレータが耐圧40V付近です
つまり、そのまま付けた場合回転を上げていくと数秒で壊れる可能性が高いです
直流専用のHIDも同様です

NewKSRやPROでテールランプやナンバー灯をLEDにする場合、部分的にでもDC化しないとダメですね
HIDやLEDヘッドライトを使用するにはライティング系を全てDC化する必要があります

このレギュレータはライティングの負荷が減れば減るほど電圧が上がるためヘッドライトを外すと電圧は100Vを突破します

通常設計のLEDバルブではとてもじゃないけど耐えきれません
フィラメントだとこれでも切れずに耐えてますがw

なんだか旧型より扱いが面倒になっていますが、このレギュレータの利点は全波を利用するので旧型より遥かにバッテリーの充電能力が高く、旧型よりロスが少ないです
HIDもバッテリーからの供給ならテールにLEDバルブを入れれば全波整流化しなくても駆動できます

旧型は電圧制御でショートさせてコイルへ捨てていますが、これはオープンタイプで最初から使っていません
何が良いのかと言えば、発電ロスが少ないので全域でエンジンの負荷が減っています
オルタネーターのロスは0.数馬力ですが回転数に比例するので、原付だと割とバカにできません
最高速が旧型と違うのもロスが少ない新型レギュレータのおかげかもしれませんね

旧KSR110だけでなく、NSR等のレース車なんかに流用するとフリクションロスが少なくなる上、値段も手頃なので割と面白いと思います
レース用のジェネレータは、最低限しか発電させず極力ロスを減らしますが、デメリットとして公道不可になるため両立させたい人なんかに良いのは
交流側にかかる電圧が今までより跳ね上がるのでぶら下がっている電装品を一度見なおす必要はありますが

まとめ
新型はHIDとグリップヒーターを同時に利用するような大電力を必要としない限り全波整流化する必要無し
LEDヘッドライト、LEDテールを付けるならDC化の必要有り
長々と書きましたが結局言いたかったのはたったこれだけw

ライティング系のDC化はまた機会を改めてやるかもしれません