前回紹介したお供えされた
お香の香りだけを食べることができる
14番目の食香烟餓鬼(じきかえんがき)ですが、
あまり説明がなかったので補足すると、
人の悪業によって程度の差はありますが、
生きている人であれば
花のニオイがわからなかったり、
よい香りに感じなかったりと
香りにおいて幸せを感じることが
できなかったりする。
五感(視覚,聴覚,触覚,味覚,嗅覚)の
うちの一つでも感覚が無ければ、
人生で感じる幸せを一つ失っていることになる。
慣れたら平気になるが、
失っていることによって失っていない人よりも
幸せを感じる時間の少ない人生を生きているので、
悪なる業を積みやすくなる。
幸せな人が他者を妬んだり、
怨んだりすることはできないので、
できるだけ幸せを感じることが
多いほうがいいのは間違いない
21.欲食餓鬼(よくじきがき)
美しく着飾って売春、
買春をした人間がなる餓鬼。
この餓鬼は人々の遊び場に現れ、
人を惑わして食べ物を盗む。
また、身体は小さいが、何にでも
化けられるという能力をもっている。
男も女も根深い色情因縁は
脱し難いからね~
22.住海渚餓鬼(じゅうかいしょがき)
各地を旅している貧しい行商人を騙して、
品物を安値で買い取った人間がなる餓鬼。
人間の世界の1000倍も暑い海の中の、
砂が積もって島のようになった
ところに住んでいて、朝露を飲んで
飢えをしのいでいる。
この餓鬼の住む海は、
猛烈な暑さの影響で水は枯れて無くなる。
1000倍も暑い海の中というのは
ようするに仏教でいう苦海のことであって、
海が果てしないように、
果てしない苦につきまとわれ
さいなまれる世界でありますから、
心に安寧のないのはもちろん
キツイのが当たり前の人生を
生きている人達の世界ですな。
23.執杖餓鬼(しつじょうがき)
権力を振りかざして悪行を行った
人間がなる餓鬼。
地獄の王である「閻魔王(えんまおう)」の
使い走りとして働いていて、
食べ物は風だけしか食べれない。
頭髪が乱れていて、上唇と耳は垂れ下がり、
声が非常に大きいのも特徴。
権力者の下で働いている
声がやたらデカいオッサンは、
もしかしたら執杖餓鬼かもしれない
24.食小児餓鬼(じきしょうにがき)
病気を治すための呪術を使う際、
邪悪な呪術を使って病人を騙した人間が、
「等活地獄(とうかつじごく)」という所で
罰を受けた後になる餓鬼。
生まれたばかりの赤ん坊を
食べようと襲い掛かってくる餓鬼。
等活地獄の刑期が終了するのは
地獄の時間で500年、
人間の世界の時間に換算すると
ざっと1兆6653億1250万年後。
生きた人間と死んだ人間の時間の
感覚は違うので、
それくらい果てしなく長く感じる
時間を過ごすことになるのでしょう。
死んで赤ん坊の命を取りにいくような
怨霊、悪鬼に生まれ変わって、
永遠にも感じる時間を苦しみ続けるのは
地獄でっせ
25.食人精気餓鬼(じきにんしょうきがき)
味方になると友人に言っておきながら
見離したり見殺しにした人間がなる餓鬼。
この餓鬼は常に刀の雨に襲われていて、
人間の精気を食べて暮らしています。
また、10~20年に一度だけですが、
仏教徒が敬うべき三つの要素である
三宝(さんぽう)を敬わっていない
仏教徒の人間の精気を奪うことができる。
生きてる時には友人を裏切るし、
死んだら恐怖を感じ続けながら
精気を奪おうと人間に憑きまとうし、
死んでも人を苦しめ続けるので
救いようのない餓鬼です。
それと、三宝とは
仏・法・僧(ぶっぽうそう)のことで、
①仏様、お釈迦様
②仏様の教え、仏教の経典
③仏教の教えを守り伝える出家した人たち
の三つのことであります。
仏教徒になるにはこの三つを
敬うことが前提条件にあるので、
仏教徒になっているにも関わらず
それを敬っていないというのは
たいへん罪深いことになる。
そういった人間は食人精気餓鬼に
精気を奪われても仕方ないということです。
仏弟子同士で憎み合うなど
もってのほかなのでございます。
あと、奪精鬼のようにいつでも
人の精気を奪うことはできませんが、
奪われたら頬がこけてきて、
病人のように痩せてきます。
食人精気餓鬼にやられたことはないが、
奪精鬼に精気をずっと吸われたら
いつの間にか病気になって
死に至るような状態にしてくるので、
食人精気餓鬼も同じような症状がでると思う。
早めに対処したら問題ないけど、
気付けずに命を取られてしまう人もおるようです。
気をつけろ
つづく