「週刊金曜日」に載りました。

 「死刑でいいです」が「週刊金曜日」(12月4日号)で紹介されました。
 「きんようぶんか読書」というページの「北原みのりが選ぶ3冊」で紹介されています。
 「人権に関わる繊細な問題を、黙ることでなく、問うことで向かい合う姿勢に共感。」と書いていただきました。

12月1日(火)のTBSラジオの番組「アクセス」で「死刑でいいです」が紹介されました。


 担当しているノンフィクションライターの藤井誠二さんが、ジュンク堂書店新宿店の「死刑でいいですか?-再犯防止を考えるブックフェア」に足を運んで書店員さんに話を聞いてきてくださいました。
 本とブックフェアを紹介してくださった部分はポッドキャストでダウンロードして聞けます。
 ここをクリック(↓)して、「アクセス特集・藤井誠二+渡辺真理・12月1日(火)」のところを選んでください。
http://www.tbsradio.jp/ac/

 この番組は「トークバトル」というサブタイトルが付いており、テーマを決めてリスナーを交えて討論する番組です。この日は「子どもは切れやすくなっているか」という内容で、文部科学省の問題行動調査で小中高校の暴力の件数が約6万件と過去最高になったことを取り上げました。


朝日新聞の書評で取り上げられました!!

 朝日新聞の11月29日(日)朝刊の書評欄で「死刑でいいです」が取り上げられました。お茶の水女子大の耳塚寛明副学長(教育社会学)が書いてくださっていますニコニコ


 タイトルは「その一言は『本音』だったのか」。山地の「死刑でいいです」という言葉が本音だったのかどうか、という話です。
 それが疑問に思えるからこそ、ジュンク堂書店新宿店で開催中のブックフェアもタイトルを「死刑でいいですか?-再犯防止を考えるブックフェア」としました。

関連書籍150冊を選んで並べてもらっています。

ぜひ、お近くに行かれたらお寄りください。新宿・三越百貨店の中です。

「だめんずウオーカー」の作者で漫画家の「くらたま」こと倉田真由美さんから「死刑でいいです」をお読みくださったというメールを頂きましたニコニコ
 ほかに著名な作家の方からも感想を頂いたりしていますが、全部はご紹介できないのが残念です。どうやらかなりいろんな方にご購入いただいているようです。
 特に女性の注目度が大きいようです。大手書店のデータでも、女性客の比率が高く、特に20代、30代の女性が多いということが分かっています。
 以下、ご本人の了解を得て倉田さんのメールをご紹介させて頂きます音譜

 池谷さま

 こんにちは、漫画家の倉田真由美です。発売直後に購入しました!!
 しばらく前から発達障害に興味を持っていて、関連本などもかなり手にとったことがあります。
 今後、この分野はもっともっと注目されていくと思います。
 池谷さんのさらなるご活躍、期待しております。

 倉田真由美

池谷が今週、短波放送(旧ラジオたんぱ)のラジオNIKKEIで「マーケットトレンド」という生放送の番組に出演しますニコニコ。 11月20日(金)午後5時半から5時45分までです。
 文部科学省の取材を担当しているため、自民党から民主党への政権交代など霞ヶ関取材をめぐっての感想を話した後、「死刑でいいです」も紹介します音譜


また、11月22日(日)発売の月刊「小説宝石」で「死刑でいいです」が紹介されますビックリマーク

【これまでに紹介された新聞、雑誌】
・週刊AERA 11月9日発売
・週刊朝日「話題の新刊書」10月6日発売
・週刊SPA!「book&comic」10月20日発売
・月刊「創」(著者寄稿8ページ掲載)11月7日発売
・学研の月刊「教育ジャーナル」(著者寄稿掲載)12月1日発売(予定)
・東京新聞11月8日(日)付読書面
・岩手日報、秋田魁新報、北日本新聞、高知新聞、北国新聞、沖縄タイムス、中国新聞、
佐賀新聞、下野新聞、神奈川新聞、新潟日報、福井新聞、日本海新聞、熊本日日新聞、
南日本新聞などに書評掲載

【ブックフェアのお知らせ】
 ジュンク堂書店新宿店(新宿三越内)の6階で11月16日(月)から1カ間、「死刑でいいですか?-再犯防止を考えるブックフェア」が開催されています。事件の再犯防止を考えるために必須の本約150冊を池谷が選びました。ずらりと並んでいますので、ぜひお越しください。

 例えば、こんな本です。
・「うつくしい子ども」 (石田 衣良、文春文庫)
・「さまよう刃 (東野 圭吾、角川文庫)
・「エイジ」「ナイフ」 (重松 清、新潮文庫)
・「13階段」(高野和明、講談社文庫)
・「モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語」(郷田マモラ、アクショ
ンコミックス)
・「サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇」(郷田マモラ、アクションコミックス)
・「家栽の人」(毛利 甚八、魚戸 おさむ、小学館文庫)
・「ライフ・ライン―医療少年院・看護師と院生の絆」(江川 晴、美村あきの、コミック)
・「光とともに―自閉症児を抱えて」(戸部 けいこ、コミック)
・「心からのごめんなさいへ 一人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦」
(品川裕香、中央法規出版)
・「なぜ特別支援教育か―非行を通して見えるもの」(藤川 洋子)
・「少年院を出たあとで更生できる人、できない人の違い」(矢部武、現代人文社)
・「加害者は変われるか?―DVと虐待をみつめながら」(信田 さよ子)
・「発達障害は少年事件を引き起こさない」(高岡健著)
・「少年犯罪厳罰化 私はこう考える(佐藤 幹夫、山本 譲司、新書y)

11月17日は大阪の姉妹刺殺事件から4年で、

被害者の上原明日香さん、千妃路(ちひろ)さんの命日でした。


ご冥福をお祈りします。



共同通信はこんな記事を配信しています。お読みいただけるとありがたいです。

◎遺族「執行の連絡もない」
 大阪・姉妹刺殺から4年 

 大阪市浪速区のマンションで姉妹が刺殺され、部屋が放火された事件から17日で4年。

山地悠紀夫元死刑囚=当時(25)=は7月に刑が執行されたが、遺族は「(国から)何の連絡もない。本当に執行されたのか」と気持ちに整理を付けられない日々を送っている。


 亡くなった上原明日香さん=当時(27)、妹の千妃路さん=当時(19)=の父和男さん(60)は、刑の執行を報道関係者に聞いた。


法務省からは何の連絡もなく、いまだに執行されたという事実を実感できない。
 「裁判ではその都度連絡があったのに、一番肝心な執行の知らせがないのは納得できない。電話や文書で知らせることぐらいはできるはずだ」。和男さんは憤る。


 法務省は2007年12月、「適正に執行されていることを国民に理解してもらう必要がある」として執行された死刑囚の氏名や執行場所などを公表するようになった。執行後、死刑囚の遺族には遺品の整理などで連絡がいくことはあるが、被害者の遺族に執行を通知する制度は依然ない。


 母の百合子さん(55)も同じ思いだ。「遺族は事件に巻き込まれたのも本当に唐突で、訳も分からずショックで打ちひしがれるのに、最後の区切りもきちんとつけてもらえないんでしょうか」。


訴えに涙がまじった。


 和男さんは事件以後、精神的なショックからか両目の視力をほとんど失った。胸にぽっかり空いた穴は一生ふさがりそうにない。今、唯一の救いは姉妹の友人らが子どもを連れてひっきりなしに訪れ、家がにぎやかになることだという。

◎大阪・姉妹刺殺事件 2005年11月17日未明、大阪市浪速区のマンションで飲食店店員上原明日香さん=当時(27)、千妃路さん=同(19)=姉妹が胸などをナイフで刺されて殺害され、部屋が放火された。


大阪府警は同12月、無職山地悠紀夫(やまじ・ゆきお)元死刑囚を逮捕。山地元死刑囚は16歳だった00年7月、山口市の自宅で母親=当時(50)=の頭などを金属バットで殴り殺害、少年院に送致され03年10月に退院した。


大阪地裁は死刑判決を言い渡し、07年5月に確定。


25歳だったことし7月、大阪拘置所で刑が執行された。

児童小説「バッテリー」の作家あさのあつこさんからのコメントを頂きましたニコニコ
許可を得て掲載します。

「死刑でいいです」、今、読み終わりました。
何とも言えない気持ちになっております。
姉妹殺人事件についてはむろん知っておりましたし、犯人が若い男であり間もなく逮捕されたことも、犯人が未成年のとき母親を殺害したことも知っておりまし
た。しかし、恥ずかしながら、すでに刑が執行されたことは知りませんでした。
わたしとしては、ただの猟奇的名事件、どこか心を病んだ若者の凶行としか捉えていなかったのです。
そのうらに、こんな深い、暗い人間の人生があったなんて考えてもいませんでした。
いえ、考えようともしなかったのです。自分の想像力の射程の短さに唖然としました。
山地青年の過去に思いを馳せながらも、同時に死刑により毟り取られた彼の未来についても考えさせられました。
読んだ者に思索をしいる力のある一冊でした。現実を真正面から抉り出すルポの力だと思います。
 山地の「本音」を聞けず、死刑が執行されたのは本当に残念でならない。
池谷さんの呻きのような一節がいつまでも心に残ります。
この国の暗部と人(わたしも含めた)の暗部を撃つ一節ですね。
  あさのあつこ

「死刑でいいです-孤立が生んだ二つの殺人」

という本を10月1日に出版しました。


4年前に大阪で女性2人を刺殺し、今年7月に死刑になった山地悠紀夫の人生を追ったルポです。山地は16歳の時、山口県で母親をバットで撲殺し、少年院を出て再び事件を起こしました。こんな悲惨な事件を防ぐために何ができるかを読者の皆さんに一緒に考えていただこうと書きました。



昨年、「『反省』が分からない-大阪・姉妹刺殺事件」として全国の新聞社に配信した50回の長期連載に加筆した作品です。連載は新聞労連が人権擁護に寄与した記事に与える「疋田桂一郎賞」を受賞しました。作家高村薫さんにも高い評価を頂き、表紙はドラマ化もされた「ブラックジャックによろしく」「海猿」の漫画家佐藤秀峰さんが趣旨に賛同して描いてくださいました。



山地は二つの事件で「死刑でいい」と言い、反省の態度を全く示しませんでした。遺族の気持ちを考えると「そんな奴は死刑になって良かった」と思われるかもしれません。ただ、背景には複雑な事情が絡み合っています。


彼は幼少期から酒乱の父の暴力にさらされ、小5で父が病死すると水道も止められる母子家庭の貧困生活を経験し、いじめで不登校になり、就職も失敗して、それでも新聞配達で家計を支えました。しかし、母が多額の借金を隠し、交際中の彼女に干渉したことを責めるうち、激昂して殺害してしまいした。


少年院で意外な事実が分かります。精神科医の診断は「広汎性発達障害のアスペルガー症候群」。そのため他人の気持ちが分からず、反省できなかったのです。でも、少年院を出た後は何の支援もなく孤立を深めていき、追い詰められて事件を起こしました。周囲の支援があれば、二つの殺人は防げたかもしれません。



この10年、アスペルガー症候群と診断された重大な少年事件が目立ちます。ただ、専門家は「アスペルガーだから事件を起こすのではない。周囲から孤立し、様々な要因が重なって事件に至った」と説明します。だから、事件を防ぐには、孤立させないことが重要で、福祉的な支援が欠かせません。本書は「発達障害をもつ大人の会」も取材し、当事者の悩みや支えあう様子も記しました。


 秋葉原や茨城県土浦市の殺人事件など「死刑でいい。反省はしない」と言う加害者が続きます。彼らには他人と自分の死が実感できていたのでしょうか。死刑にするだけでなく、事件の背景を掘り下げないと次の事件が続くだけです。



山地の人生をリアルに再現して読みやすい内容にしながら、重い読後感が残る本になったと思います。近く裁判員制度で初の死刑判決が出るでしょうが、鳩山内閣の千葉法相は死刑廃止論です。死刑について関心を持つ方は多いと思います。多くの人に手にしていただき、再発防止のきっかけになればありがたいです。