マダミ盤面の作り方① 概論編 | マーダーミステリー・オンラインセッション!

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 最近流行り始めている『マーダーミステリー』をDiscordを使ってオンラインで遊ぶやり方などについて紹介しています。
「マーダーミステリーってなに?」「Discordってなに?」「イケメンさんすてき抱いて!」などの疑問にお答えできるようがんばります

 

 こんにちはこんばんは子猫ちゃんたち! イケメンだようッ!! みんなげんきかなッ!?

 イケメンはね―、おととい現場ですっ転んで打ったとこがありえないくらい腫れてしょんぼり中! 骨にも関節にも異常はなかったけど何してても痛いよ! 何かしてないとすぐいってぇ~ってなっちゃうから何かしてないとつらいよ! だからblog書くよ!w

 

 さて、今回の更新はね! 最近聞かれることが多いので、今回から何度かに分けて「オンラインマーダーミステリーの盤面の作り方」について、イチからまとめていこうと思ってるよ!

 実はこのネタ、前々から(もう4年前から)考えてはいたんだけど、手を付けなかった理由があってね。

 実際に盤面を作っていく過程を画像とかで乗っけないと、わっかんねえと思うんだよね! でもさ、実際のシナリオに使う盤面のスクショ乗っけたら100%ネタバレだから、実際に使う盤面の画像は流用できないんよ。つまり、まるまる一つ、架空の盤面を作らなきゃいけないんだよ! どう考えてもめちゃめちゃ手間がかかるんだよ!w

 

 なので、いたいいたい言ってる暇を使って作業をし始めたいと思います。なぜなら痛いから。

 みんな何度でも読み返してアクセス数稼がせてくれよな! チェッケラー!! いてぇ!

 

 あ、もし「マーダーミステリーってなんだろう?」って思って見に来てくれた子猫ちゃんがいたら、ちょっとディープめの話をしてるので、このblogの最初の方から読んでみてね?

 

 

盤面を作る機会

 実際にオンラインでマーダーミステリーをやっている人が、ユドナリウムなりココフォリアなりでカード盤面を作るというのは、実は決して珍しいことではない。

 カードや盤面を作ると言うと、シナリオ作者の仕事だと思われるだろうが、実は普通にGMしていてもその機会は無数にある。ユドナリウム用の盤面をココフォリアで再構成する、あるいはその逆(はあまり聞かないが)。あるいは、カードが存在しないシナリオでGMをする時に、タイマーやBGM、SE、演出面の強化、等を目的に盤面を作る事もあるだろう。

 

 筆者の公開しているシナリオの中で、カードを使うシナリオは現状一つしか無い。

 が、実はかなりカード盤面自体は作っている。ユドナリウムで用意されたものをココフォリアに移植したものもあれば、他人のシナリオの制作協力として盤面を用意したものもある。黎明期の名作シナリオ『ヤノハのフタリ』でも、オンラインコンバート作業に伴いココフォリアで盤面を制作した。たぶん「わりと作ってる方」ではあると思う。単純に、GMをするに当たってココフォリアにデータを移植させてもらっているものも多数ある。

 

 マーダーミステリーの盤面を作る機会は珍しいものではない。あなたがシナリオを書こうとしている立場であっても、そうでなくても、これらの知見は役に立つのではないかと思い、この機会にまとめていこうと思う。

 

ココフォリアで行きます

 今回はユドナリウムではなく、ココフォリアで盤面の制作を行う。

 

 ユドナリウムにできてココフォリアに出来ないことも多数あるが、一般的なマーダーミステリーの盤面に要求される機能は、ココフォリア内で完結できると筆者は考えている。

 ユドナリウムの最大の強みは「3D処理」にあり、この点がマーダーミステリーの盤面に要求されるプレイ体験に直結することは「少ない」と考えるからだ。逆にある程度以上の描画・回線のスペックを要求するため、プレイ機会を狭めると考えている。

 また、ユドナリウムはwebRTC、つまりPeer to Peer(P2P)型の通信を行う。データはプレイヤーのブラウザ内に存在し、プレイヤー同士の端末のみにて通信を行っている。これによりサーバーに依存しないというメリットがあるが、同時にプレイヤーの通信状況に大きく影響を受けるというデメリットにもなる。極端な話、接続者の中に一人、端末の描画能力が低かったり、著しく通信速度が遅い者がいる時、全員の通信が不安定になる可能性がある。ユドナリウムを使っていて「通信が不安定」という印象を受ける時、その多くの原因がこの点にある。

 一方でココフォリアはサーバーを経由したデータ共有を行っているため、今のところサーバーそのものが(ありがたいことに)安定しており、誰かの不具合が他プレイヤーに影響するということはない。そのため、プレイ環境が安定している。この一点において、ココフォリアが多く選ばれている。

 

 3D処理、通信方法を除いても、ユドナリウムの方がココフォリアより優れている部分はいくつかある。

・全員のカーソルの動きを同期している(他人のカーソルの動きが見える)

・カード(コマ)の移動の過程が同期している(他人が操作するカードが動いている途中が見える)

・「拡大表示」の表示域が大きい(ココフォリアに要望したい点!)

・「自分だけ見る」で見ているプレイヤー名がカード下に表示され、邪魔になりづらい(ココフォリアではカード中央に表示される)。

 

 このため、絶対にココフォリアで作らなければならないと主張する気は全く無い。

 筆者は、制作面でもGMとしても、こちらが気に入っているのでやっているというだけだ。なので本項はすべてココフォリアで制作する前提で書かれる。もし君がユドナリウムで盤面を作ろうとしているなら、違いは各自で調べて把握して欲しい。

 

 なお、もし君が作成したココフォリア盤面を他人に配布したい場合、つまり作者として盤面データをシナリオとともに頒布したい場合には、ココフォリアのpro会員になる必要がある。これは一も二もなく黙って課金するべきだ。ココフォリア上でタイマーも使えるようになるしね。そのためだけに課金する価値はある。

 ココフォリアの安定したサーバー運営のため、仕様改善サービスの継続のため、上記リンクからpro会員になって月500円を課金しよう。筆者には一円も入らないので安心して欲しい。

※追記:「山札」の仕様の違い

 書き忘れたが、ユドナリウムの山札は、中にあるカードの順番は山札を作った際に固定される。対してココフォリアの山札は完全にランダムになる。もしカードが引かれる順番を固定したいと考えているなら、ココフォリアでは山札は利用できない事を覚えておこう。

 

マーダーミステリーにおける「カード」

 オンラインのマーダーミステリーで、ココフォリアなりユドナリウムなりで盤面を作るのは何故か。それは当然、カードを使うからだ。

 では何故カードを使うのか。マーダーミステリーにはカードがつきもの、ではない

必ずカードがなければいけないモノではないのだ。

 まずは主にシナリオを作ろうとする者のために、マーダーミステリーにおけるカードとは何だろうか? 何故カードが有るのか? カードが有ることのメリットとデメリットは? といった内容から考えてみたい。

 概論ばかりで「いつになったら作り方教えてくれんだよ」と憤る向きは、この項は飛ばしてくれて構わない。が、大事な話なのでしっかりと書く。

 

 君がマーダーミステリーの盤面を作るにあたり、「カードってなんだろう?」という考え方抜きでデザインすることは出来ない。それが君の自作シナリオなら当然だが、既存シナリオの盤面なら、何故こうしたデザインになっているのか? という点を考えねばならないからだ。

 

カードの存在理由

 では、何故マーダーミステリーでカードを使うのか? マーダーミステリーにおけるカードの存在理由とは? をいくつか提示しよう。

 

・「追加情報」としてのカード

 マーダーミステリーには、プレイが始まってからプレイヤーが得る情報というのがある。これは、必ずある。例えばカードや全体共有される追加情報がなくとも、他プレイヤーのハンドアウト(以下HO)からでてくる情報はすべて「追加情報」である。この「追加情報」にはいくつかの種類と提供方法があり、カードはその方法の一つとして優れているため、利用されやすい。

 カードを利用することで、全体の情報量の中での「追加情報」の比重を大きくすることが出来る。これはHO内の情報量を削減する効果もある。

 マーダーミステリーにおけるカードの存在理由の最たるものは「追加情報」、つまりプレイ開始後にプレイヤーが得られる情報の一種としてある。

 

・「追加情報」のランダム性

 続いてカードを追加情報の一つとして考える時、最大の特徴はランダマイザとしての機能であろう。どのカードをどのプレイヤーが入手するのかという一点でランダム性を作る。例えばこれがゲーム後の公平感を担保することがある。もちろんある程度は「どのキャラクターがどのカードを持つことになるか」は誘導することは可能だ。だが、強制することは出来ないし、したらバレる。ランダマイザの必要性そのものが、君のシナリオにカードを導入すべきか否かにおいて、最も考慮されるべき点だろう。君のシナリオにランダマイザは必要だろうか? 邪魔だろうか?

 

・情報の共有手段

 カードは他人に見せることが出来る(出来ないシナリオもあるが)。これもカードの存在によって初めて作られる点だ。何故ならHOは他人に見せてはいけないからだ。そして、カードであるから裏と表があり、つまり情報の共有をプレイヤーの手で制限することも出来る。このカードを誰かには見せ、誰かには見せない、といった具合だ。情報の共有手段であると同時に、プレイヤーに共有の制限という戦略性を渡すことが出来る。これもカードの大きな存在理由の一つだ。

 カードの情報共有が容易なのは、オンラインシナリオの大きなメリットの一つでもある。

 

・情報の視覚化

 誰がどこの情報を持っているか/何の情報は誰が取得したか。どれだけ情報を公開しているか/秘密にしているか。誰がどのカードをどう移動したか。こうした情報の流れを視覚化できるのは、カードがあるからこそのことだ。カードがないならプレイヤーにどう情報を整理させるのかを考える必要がある。パッと見の情報、つまり視覚情報として、情報量の多寡や出どころ・在り処を整理できるツールがカードである。この利点は特にオンラインの時に効果が大きい。

 

・会話のきっかけ

 言うまでもなく、マーダーミステリーは会話のゲーム、対話のゲームだ。そんなゲームにおいて、一言も発しない人物がいたら? その人物はゲームに全く参加できていないことになる。とは言え、「何を喋ったら良いか分からない」なんてことは往々にしてあり得るのだ。(この種類のゲームの中でマーダーミステリーが優れているのは、キャラクターになりきる前提があり、そしてなりきるためのキャラクターが用意されていることで、この状態を避けやすい仕組みを内包する点にある)

 カードがある事でこの「何を喋ったら良いか分からない」状態を無くすことが出来る。自分が取得したカードの内容について話すだけで会話に参加でき、情報共有という仕事を果たすことが出来る。また、他人からも促しやすい(「キッチン調べてたけど何があった?」的な)。

 あまり意識されることは少ないかも知れないが、会話のきっかけとしてカードが果たす役割は非常に大きい。

 

カードが有ることのメリット

 上記で挙げた存在理由は、すべてメリットでもある。もしかしたらもうカードのないマダミスなんて考えられない! みたいになっているかも知れない。が、これらの要素は代替手段があるものも少なくはない。カードが無いなら無いなりにデザインできる(=する必要のある)内容だ。

 では、カードが有ることのメリットはなんだろう? これを考えても何故マーダーミステリーにはカードがあるのかが分かってくる。前項の存在理由で提示された以外にも、メリットもいくつか考えてみよう。

 

・めくるのが楽しい

 シンプルに言ってこれが一番だ。裏向きになっているカードをめくり、こっそりと自分だけ読んで内容を把握するという行為は、それだけで楽しい。これは絶対に無視できないメリットだ。

 自分が欲しいカードがどこにあるのか考えるのが楽しい。カードをめくってドキドキする瞬間が楽しい。めくったカードを見て「えーっ」って思える瞬間が楽しい。だから伏せてあるカードが並んでいるのを見ているだけで実は楽しい。秘密を探っている感、秘密を隠している感があって楽しい。カードというのは実は、あるだけで楽しいのだ。

 

・カードのやり取りが楽しい

 取得したカードを並べ替えて情報を整理するのは、楽しい。カードを貰ったりあげたりするのが楽しい。伏せたままで秘密にするのが楽しい。誰かにそれを指摘されるのも楽しい。カードが沢山で情報に押しつぶされるのが楽しい。カードを誰かに見せてもらえたら嬉しい。それがこっそりなら共犯感覚が味わえる。そして、上記で言ったようにそれらが視覚的に共有されるので、他人のカードのやり取りを見たり、その行為について考えるのが楽しい。情報をカードとして扱うこと自体、実はシンプルにゲームやってる感を出せ、楽しませることが出来る。あまり自覚されることはないだろうが、これらが視覚化されていない場合、プレイヤーの脳内で一旦処理を挟まなくてはならない。その負荷を軽くすることが出来るのもカードがあるメリットだ。

 

・ボドゲ感がある

 上記のメリットはつまり、ボードゲーム、カードゲーム的な楽しみだ。そして、盤面があるとそういったボードゲーム的なワクワク感を演出できる。ボードゲームというのは楽しいし、歴史がある。だからボドゲ感を出すことで、ボドゲ的なワクワクを提示できる。例えばゲーム開始前入室したルームに並べられたカードを眺めるだけで、実は楽しい。

 

・BGMをかけやすい

 これはGM視点だが、そもそもココフォリアやユドナリウム盤面がないと、BGMがかけられない環境の人は多い。…いや、多いと言うか、圧倒的多数派だろう(今ではDiscordのbotでBGMを共有するのも難しくなってしまった)。シナリオに盤面が用意されていれば、GMがBGMをかけやすい。ココフォリアのpro会員ならそこでタイマーもかけられる。これ、メリットとしてめちゃめちゃでかい。盤面の作り方を知りたいという人の需要の多くもここだろうと思う。

 

・見た目キレイ

 オンラインでマーダーミステリーをプレイする時、プレイヤーが見ているのはカード盤面・Discord画面・HOなどのPDFの三つだ。そしてこのうち、見栄えについてフルにデザインを頑張れるのがゲーム盤面になる。ゲームにおいて実は見栄えは重要だ。どの程度文字情報にプレイヤーの意識をフォーカスさせたいのかにもよるが、見栄えが良いと、やっぱり楽しい。

 

・配信映えしやすい

 オンラインのマーダーミステリーシナリオにとって重要な視点に、「配信で使いたいと思われるか」という要素がある。配信者によるプレイ配信は今でもマーダーミステリーという存在そのものの入口として大きな役割を果たしている。そして、そんなプレイ配信では常に画面に大きく「盤面」がある。カードがなかったら映せるのはDiscord画面とPDFのみになるし、まあなかなか殺風景だ(ほんとすみません)。だからカードのないシナリオでも、配信GMさんが独自に盤面を作ってBGMをかけてくれていたりする(お手数取らせてすみません)。カード、盤面があった方が、絶対に配信はやりやすい。この点はカードが有るメリットになる。

 

カードが有ることのデメリット

 とは言え実は、カードが有ることによるデメリットも存在する。良いことばかりではない。君が自作シナリオにカードを導入した場合、プレイの際に生じるデメリットとはどんな物があるだろう? そもそも、君の考えるシナリオに、カードは本当に必要だろうか? 一度デメリットまで含めて考えてみるべきだ。

 

・プレイ環境を制限する

 カードを使うオンラインマーダーミステリーというのはつまり、スマホではプレイできない。当然のことだが、カードありシナリオに慣れてしまうと、そんな事すら忘れてしまう。

 ちなみに2024年の調査で、日本の携帯電話所有者のうち、スマートフォンの所持者は97%。二台目(つまりタブレット等)の所有率は11.4%に過ぎない。(NTTドコモ・モバイル社会研究所調べ)

 インターネットに接続できるPCについては、世帯所有率で69.8%(令和4年総務省調べ)。高く見えるかも知れないが「世帯」所有率であることに留意されたい。誰もがプライベートな私室と専用のPCを持っているわけではないだろう。

 君がカードありのシナリオを作った場合、あるいはカードありのシナリオをGMとして遊ばせたい場合、少なく見積もっても三割の日本人はその時点で弾くことになる。だからウズのようなスマホアプリに価値があるのだ。これは忘れてはならない、カードが存在する最大のデメリットである。

 

・ルール説明が長くなる

 オンラインでカードを扱う時、ココフォリアなりユドナリウムなりの外部ツールに頼る必要がある。つまり、プレイのために使用するツールが増える。ツールが増えるということは、GMが説明しなければならない事が増える。つまり、拘束時間のうちのプレイ時間ではない時間が伸びてしまう。ツールである以上、操作するのはプレイヤーになるからだ。

 対面でプレイする際、「トークンをひとつ消費して、一枚カードを調査できます。トークンは一人●枚。使用したトークンはここに入れて下さい」と説明するのには30秒もあれば足りるだろう。が、ツールの説明から入る場合、これだけ説明するのに最低15分はかかる。

 君のシナリオをプレイするのは、オンラインセッションに慣れたプレイヤーばかりではないのだ。この点は確実にプレイヤーの、何よりGMの負荷になる。

 

・深刻なトラブルの元になる

 公開してはいけないカードを公開する、などはまだ序の口だ。カードを削除する。カードが複製される。何故かカードが山札になっている。…等、プレイヤーの悪意なき誤操作によって、プレイの続行が不可能になる可能性は、常にある。これはある程度は仕方のないリスクとして受け入れねばならない。

 なお、筆者が常にココフォリアの操作でキーボードのショートカットキーの使用を推奨しているのは、これらの誤操作のリスクを極力軽減するためである。「自分だけ見る」の[T]、「全体に公開する」の「O]、「拡大表示」の[E]の3つのキーだけで、マーダーミステリー上での操作はほぼ事足りるはずだし、この3つ以外に押さなければ上記のような深刻なトラブルは起こらないはずだ。

 

・制作の手間

 ぶっちゃけこれはデメリットとして相当でかい。制作に慣れていないと本当に時間も手間もかかる。多くのオンラインシナリオは個人で制作されているため、ゲームデザインとグラフィックデザインを分業できていない。そしてカードや盤面の制作はその両方を必要とする作業だ。

 絶対にカードを使わねばならないという縛りがないのなら、カードなしのシナリオを作ることを考えてみても良いかも知れない。または、一通り本シリーズを読んだり、既存シナリオの盤面を移植してみるなりして、作業に慣れてから考えたほうが良いかも知れない。

 もちろんこの点は対面用、オフラインのシナリオであっても同様である。パッケージなら印刷費がドカンと上がるので尚更だ。

 

次回までに用意すべきもの

 カードの存在意義とメリット・デメリットについて駆け足でまとめてみたが、いかがだったろうか。もし君が自作シナリオのためにカードや盤面を作りたいと思ってここを読んでいるのなら少しでも考えの整理に役立ったろうか。

「マーダーミステリーはカードがあるゲーム」という、ふんわりとしたイメージだけで創作を進めると、そのメリットを活かせず、デメリットを回避できず、別段存在意義のない盤面が出来上がるだろう。君の自作シナリオに正解はない。いや、その正解は君自身でらねばならない。

 

 さて、概論について終えたところで、次回はいよいよカードのデータの制作に入る。盤面作りはカードがないと始まらない。その前に以下のリストにあるものを用意しよう。

 

・カードの仕様書

 君のシナリオにおけるカードのルール、種類と各枚数、総枚数、プレイヤーがそれぞれ取得するカードの枚数など、簡単で良いのでまとめておこう。盤面を作り始めてから仕様をまとめると、二度手間三度手間どころではなくなる。「自分が何を作りたいのか」「何を作るべきなのか」についてしっかりとまとめておこう。

 

・全カードの内容まとめ

 どのカードにどんなテキストが書かれているか、別途まとめておいた方が絶対に良い。イラストなど画像が入るなら、どんな画像が入るのかも含めてリスト化しておくべきだ。すべてのカードの内容をひとまとめにして管理できるようにしておくと、修正などの必要があった場合や、カードのテキスト内容をコピーする時など、何かと便利である。

 

・画像編集ソフト

 何でも良いが、絶対に必要になる。PhotoshopでもIllustratorでも、あるいはGIMPやInkScapeのような無料ソフトでも良い。ClipStudioのような描画ソフトも使える。中にはPowerPointですべての画像データを作成する猛者もいる。新しくソフトを用意するより、使い慣れた物があるならそれが良かろうと思う。

 マーダーミステリーのカードに必要な情報は、主にテキストになる。フォントが扱えるソフトなら何でも良いはずだ。

 

・フォント

 書体なんてナンボあっても良いもんですからね。

 シナリオの雰囲気に合った装飾性の高いフォントが用意できれば最高だが、しかし実際に最もよく使われるテキスト本文のフォントのために、ユニバーサルデザイン(UD)の日本語フォント、それも第2水準までカバーされているものを用意すべきだ。ゴシック体と明朝体の二種類が用意できれば問題ない。

 なおWindows環境の場合、標準で搭載されている『メイリオ』が可読性の面で最強だ。最強すぎてあらゆるところで目にするため、デザイン性が悪く見えてしまうかも知れないが、読みやすさの面でメイリオを超えるものはなかなか無いし、実はデザイン面でも優れている。

 無料配布されているフォントを使わせてもらうなら、利用規約には目を通しておくこと。

 

てなこって以下次号!!

「ファッ!? ココフォリアの盤面の作り方を見に来たはずなのに、ココフォリアに触れずに終わったんやが!?!?!?」ってなってる子猫ちゃんたち!
 安心してね、まだ次では終わんないから!!!! 一応ココフォリアが出てくるところまでは進めるけどね!

 

 いやねぶっちゃけさぁ。「マーダーミステリーはカードがあるもの」ぐらいのゆるふわ認識で作られたシナリオで、「カードがあるんだからこういう目標あるよね」みたいな設定をされて、くそつまんないシナリオってあるじゃん!!!!!

 でも自分が作ったシナリオは、遊んだ人にそう思われたくないじゃん!!!!!

 だから、なんでカードがあるのか/ないのか、カードがあることによって何が発生するのか/しないのかくらいの話はまとめてから始めようと思ってね! もちろん、こんなところをわざわざ最後まで読んでくれた子猫ちゃんたちは、そういうの考えられる子たちだって知ってるけどね!!

 

 んでまあ、次回カード編では、実際にカードの画像データを作ってみて、ココフォリアに置いてみるところまでやろうと思うよ! 盤面そのもののデザインについてはその次かな!合わせて読んでよねッ!

 

 さて! それで自作ゲーム盤面が出来たら!

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