算命学論説*
「心の推移*天恍星の世界」
天恍星の世界は、人生時間の中では少年期を過ぎ、青年期に到達する一歩手前にあり、青少年の時代に相当します。
この時期としては人間にとって一番危険なところであり、「運命の3分の1が決定する」とも言える時期です。
大きな才能を発揮するキッカケが生まれたり、本人の質がいち早く見つかることもあり、時には人生の軌道から外れることもあるのです。
状態としては、少年期特有の波動状態とも言えますが、ある意味では「運命の謎」を知らしめているのです。
もともと青少年期という時間帯は、少年期を体験しており、ある程度の能力や前進力はすでに発揮されているのです。
両親や師などから見れば、この時期に達する以前に、可能性の度合いを見つけることができます。
しかし、青少年期をどのような状態で乗り切るか、と言う大きな課題であり、善し悪しは別として人生の第一関門となるのです。
得てして神はこのような時期に、人間の運命を淘汰するような働きをするのです。
社会の中心へ歩を進める者や、野に下って自由な道を選ぶ者、人生に対して失望し、先の望みを捨てる者など、この時期に大まかな方向が決定するのです。
このような状態は、決して人間界だけのものではなく、また青少年に課せられた運命だけではありません。
組織や企業においても言えることであり、会社を設立して、15、16年が経過すると、その会社にとっては「天恍星」の世界に入ることになるのです。
設立して3~4年は経済を確立するために、無我夢中であり、ひたすら前進と努力を繰り返します。
ところが10年から15年ほどの歴史を作り上げると、大きな分岐点がやってくるはずです。
出発当初の理念や信条が変化するのもこの頃で、別の世界に手を出して、多角的になるのもこの時期になるでしょう。またじり貧を続けて大きな改革を余儀なくされるのもこの時期になります。
しかし、この時期を乗り越えると、平穏な維持ができるようになり、少々の波が来ても揺らぐことはなくなります。
陰陽の理論から言えば、気の動きが陰陽二つの世界で構成されていることは、必ず時間の経過と共に陽は陰に、陰は陽へと変化していくはずです。そこに生まれてくるエネルギーは、現状からの脱皮、脱却の要素なのです。
虫に例えれば、幼虫から脱皮するようなもので、従来のものから新しいものへの前進力なのです。
そこには従来のものの善し悪しは別として、新しい工夫であり、現状打破の力が働きます。
しかし、現状を打破したものが、善であるか悪であるかは別問題で、脱皮したくなる想念がどこからか湧き出てくるのです。
それは新しい夢であり、冒険であるわけですが、天恍星のエネルギーの中に「夢」、「ロマン」、「冒険」をもたらす力が秘められているからなのです。
さらに想念の中には反発、怒りが込められているのですが、青少年のような内なる世界が展開してくるのです。
人間の運命を手短に説明する場合、青少年の第一の脱皮が、今まで育った環境から離れることにあるわけですから、「生地、生家を離れる星」、「離郷の星」、「夢多い星」、「幼い冒険」など、胆略的な表現をもって伝えられています。
*天恍星の幼少期
天恍星は優雅、自由、ロマン、反発反抗の気を所有しており、幼少期は自分の夢を自由に果たそうとしていきます。
大人びた態度が表れやすく、ちょっと生意気に見られることもあります。
冒険心や開拓精神から、特に華やかな世界に夢と憧れを抱きやすく、早めに生家から自立する傾向です。
また何となく孤独で寂しいあまり、存在感をアピールするために、明るく派手に振る舞ったりすることもあるようです。
自己中心的で、何かと両親との対立が多くなることでしょう。
*天恍星の壮年期
自由気ままな環境を求め、大変なロマンチスト。
仕事にも家庭においても常に夢を求め続け、新天地で自らの人生を切り開いていきます。
大人になってもまだ子供時代の夢やロマンを持ち続け、仕事にも家庭にも夢を求める時代。
また、自由を得たいという欲求が強く、華やかな仕事や派手な行動など、何かと目立つ行為が多くなります。
家庭があっても、独身時代の少年少女のような若さや純粋さから、常に自らの夢に向け前進していきます。
*天恍星の晩年期
晩年になっても若い人たちと同じように、アクティブで開放的な自由を求め、華やかで明るく、夢のような環境作りに専心する傾向です。
培った人生観や生活スタイルを変化させることもなく、肉体的、精神的にも若いスタイルを貫き通していきます。
注意すべきは、異性に持てやすく、倫理観と周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
およそ老人らしくない若さがあり、スタイルの維持にも積極的で年齢を感じさせない雰囲気に包まれています。
とにかく肉体的にも精神的にも若くいられるでしょう。
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