護国之寺、美江寺 | 池爺のブログ

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最近始めた御朱印集めをメインとした記録です。

今回は、美江寺ご本尊の御開帳です。

【護国之寺】(ごこくしじ)
せっかくだから、美江寺の近くのお寺にも参拝。岐阜県岐阜市にあります。高野山真言宗のお寺。美濃西国三十三観音霊場第17番札所。
・本尊:十一面千手観世音菩薩
本堂に祀られています。通称雄総(おぶさ)観音。5年毎に御開帳されます。次回は平成30年。ただし、前回2~3年前だったとの事でしたので、あいまい情報です。また、美濃西国三十三観音の総開帳というのがあるそうで、2014年4月に特別開帳しているようです。

本堂.

・奥の院
本堂から少し坂を登ると奥の院があります。奈良の大仏を建立した金丸(きんまろ)が試作したと言われる塑像の観音仏を体内佛として内臓する十一面観音が祀られています。こちらも秘仏で、60年毎(住職一代に一度)のご開帳で、次回は27年後くらいとの事です。お堂の扉は閉じられていますが、穴が開いていて覗くと、立派な厨子を見ることができます。

奥の院

穴

・金銅獅子唐草文鉢(国宝)
国宝です。美濃国出身の金丸が東大寺大仏建立に参加、帰国の際に、その働きにより聖武天皇より大仏供養に用いた鉢を授かったものだそうです。お寺に保管されており、毎年、1月18日と8月18日に公開されます。尚、他にも重要文化財の「塑像菩薩頭」「鷹図屏風」などがありますが、市内の博物館に委託保管されているそうです。常設はされていないようです。

看板

護国之寺


【美江寺】(みえじ)
岐阜市市街地にあります。天台宗のお寺。美濃西国三十三観音霊場第18番札所。通称美江寺観音。
・本尊:十一面観音
乾漆十一面観音立像、国の重要文化財。毎年4月18日にご開帳されます。当日は、本堂の内陣、祭壇の後ろの部屋に入り、ご本尊と御対面。秘仏でありますが、割とオープン。何年か前に出開帳されたり、レントゲンやファイバースコープで詳細な調査をされたりしています。お寺に残る縁起と調査の結果によると、ご本尊は奈良時代のもので、享保18年に、大規模な修繕が行われ、この時、体内佛が納められたとの事です。お寺の公式ページには、レントゲン写真があり、下半身辺りに小さな仏像の影が写っています。尚、お前立ちも平安時代の作で、さらにご本尊に似せるために加工されたものだそうです。(ご本尊の十一面で欠けた部分まで似せている)

本堂

・講演
14時より1時間ほど、本堂にて同志社大学井上教授の講演がありました。ご本尊を色々と調べている方で昨年も講演されています。主にご本尊についての調査結果報告です。以下、抜粋。
○十一面の意味は、四方八方と天地を見渡す顔。
○西国三十三所の藤井寺のご本尊:千手観音とよく似ている。同年代の奈良時代で、美江寺のご本尊の方がやや新しい。
○十一面のそれぞれの顔の表情が、大人しい=奈良時代の作風。平安時代になると、表情が激しい。
○レントゲン写真により体内佛の存在を確認。金属製の座像のよう。
・円空仏
円空仏もあるのですが、現在、出張中で、6月から2ヶ月ほど、名古屋の松坂屋で公開展示されるそうです。

円空仏

・天平の装束と雅楽披露
講演の後に催されました。雅楽の演奏に合わせて、奈良時代、天皇・貴族の衣装のファッションショーでしょうか。

衣装

雅楽

美江寺