ボーカルでよく起こり、目立ってしまうので、
タイトル及びテーマを「ジャズボーカル」としましたが、
フロント楽器等にも共通する内容です。
さて、
イントロからテーマに入るとき
ソロ後テーマに戻るとき
どこから入るかわからなくなってしまうことがあります。
もちろん正攻法は
そのようなことが起こらないように
練習することです。
しかし、
ライブ、セッション、発表会等、
やり直しできない状況では
何とか切り抜けなければなりません。
そのような場合、
様子見をしてタイミングを逃す人が多いと感じますが、
それは悪手です。
理由としては
1:様子見をすると変な間が空いてしまう可能性がある
2:"フライング"の方が伴奏で修正しやすい
3:コード的に間違っていないかもしれない
ということが挙げられます。
<1:様子見をすると変な間が空いてしまう可能性がある>
伴奏者はボーカルが入るところに
ピークや雰囲気を合わせてきているのですが、
そのタイミングを逃すと変な間が空いて
失速してしまいます。
"フライング"の場合は
雰囲気が中途半端になってしまうものの
中だるみ感はなく済ませられます。
<2:"フライング"の方が伴奏で修正しやすい>
ボーカリストが
歌い出しを逃してしまったとき、
伴奏者としては、
さあどうしよう、と考えます。
2小節足すか、
4小節足すか
8小節足すか、
1コーラス足すか、
いろいろ対処は考えられますが、
伴奏者が複数人いたら
探り合いになって
ぐちゃぐちゃになってしまいます。
"フライング"の場合、
最初の一瞬は
音がぶつかってしまうかもしれませんが、
ボーカルに合わせてすぐ収斂させやすいです。
<3:コード的に間違っていないかもしれない>
上記<2>で
"フライング"の場合
「音がぶつかってしまうかも」
と申しましたが、
可能性として
コード的に間違っておらず、
音がぶつかってしまわないこともあります。
例えば、
A-A-B-A形式
のラストAを待てずに入ってしまっても、
冒頭のAセクションと同じなので、
コード的には合います。
さらに細かいケースとして
次のような例を。
イントロ、もしくは前のコーラスのラスト4小節、
テーマの冒頭4小節が以下のような場合。
↓
<譜例1>
赤で示した「テーマ」から入るのが適切である、というケース。
このケースで
次のような間違いがよく起こります。
↓
<譜例2>
「テーマ」の2小節前、オレンジの矢印で示した箇所で
"フライング"。
「テーマ」冒頭部と2小節前の初めのコード
(黄色で示しているCΔ)
が同じなので
勘違いしやすいケースです。
同じCΔなので、
伴奏者は2小節カット(青のバツ)、
テーマ冒頭に入ったと解釈して
充分対応できるケースです。
↓
<譜例3>
このように、
間違えではあっても
"理屈が合う"ように
感覚的に引き寄せられて間違う
というケースが少なくありません。
以上、見てきたように
間違って遅れるよりも
間違って先走る方が
演奏的に上手く収まる可能性が高いです。
もし、
歌い出すタイミングに迷ったら、
躊躇わず堂々と歌い出し、
そして、
ステージを降りてから
メンバーに謝る
このようにすれば、
聴いている人には
"事故"があったことがバレない。
もちろん
あくまでも緊急時の対応なので、
おうちに帰って反省しましょう
↓ぜひ応援よろしくお願いします↓