今回からご紹介する施工事例は、新しいお墓を作らせていただくというものです。
既に巻石は設置されている区画での工事ですので、純粋な新規建墓工事ということになりますね。
ありがたいことです。
建立するのは芝台付の9寸角和型石塔。
和型の中でも神戸型と呼ばれる、弊社が最もよく使う型です。
現場となるのは古市町の共同墓地です。
古市町のあたりは、周辺も含めて何箇所か共同墓地があるのですが、こちらはバス停で言うと「春日苑住宅」から近いところで、周囲を田んぼに囲まれた墓地です。
江戸時代に平城宮跡の研究・保存に尽力した北浦定政のお墓がある墓地としても知られています。
弊社からは車で二十分くらいといったところでしょうか。
頻繁というわけではありませんが、時々お仕事させていただく機会のある墓地です。
では現場をご案内しましょう。
今回作業をする区画は次のようなところです。
写真には巻石のある空き区画が三つ写っていますが、後ろではなく手前側、向かって右側に石塔が立っている隣の区画です。
共同の巻石を真ん中の延石一本で区切っているという場所になります。
ここに石塔を建立するわけですね。
では早速実作業のご紹介に入りたいと思うのですが、まずいつも申し上げていることを繰り返しておきますと、この区画の土の上にいきなり石塔本体の石を置いたりするのではありません。
墓石の下には、故人のご遺骨を安置するための納骨室という空間が設けられます。
石塔の下に、四角い箱が組まれて、スペースができていると想像してください。
その納骨室を据えてから、上に石塔を組んでいくという段取りになります。
というわけで納骨室の設置作業に取り掛かります。
この流れもまたいつもご紹介している通りなのですが、まずは納骨室の部材が入るべき場所に合わせて、掘り方を行ないます。
土掘りが済みましたら、今度は基礎として足元を支える杭を打ち込みます。
杭打ちの次は、掘り方をした場所の底にクラッシャー(砕石)を敷き、メッシュ筋を施工します。
その上に御影石の部材をセメントで固定すれば、納骨室の出来上がりとなります。
四角い箱、と表現したのがよくわかっていただけると思います。
お骨が置かれる場所ですので、底にはきれいな砂が敷かれています。
底板のようなものを置かないのは、下を土をつなげておいて、やがてお骨が自然に還るように、ということです。
関西では骨壺からお骨を出して、袋に入れ替えて納骨するのが一般的です。
この上にいよいよ墓石本体を建てるということになるわけですが、今回は少し長くなってきました。
この辺りで稿を改め、次回、完成までご報告したいと思います。
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