奈良の石屋〜池渕石材のブログ

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奈良県奈良市とその近郊を中心に、墓石販売、石碑彫刻、霊園・墓地紹介を行なっております、池渕石材のブログです。
どうかよろしくお願いします。

先週からご報告している工事の続きです。

世界遺産としてよく知られた平城宮跡の北、佐紀町の共同墓地である佐紀新墓にて、お墓のリフォーム工事を仰せつかっています。

お墓のリフォームにもいろいろありますが、今回はタイトルに示したように、元の石塔を一旦解体して組み直す傾き直し工事、墓所区画内の雑草対策施工などが中心となってきます。

では具体的な作業の様子をご覧いただきましょう。

 

墓石リフォーム工事:傾き直しと雑草対策

 

佐紀新墓 傾き直し工事 納骨堂基礎

 

まず最初の写真は、今回の現場写真に、どのような工事をするかの説明を加えたものです。

御見積書とともにお施主さんにお送りしました。

その次の写真は、傾き直し工事のために右側の石塔を解体し、新しい納骨室を入れる準備をしているところです。

今回リフォームする墓石は、標準的な納骨室がなく、下台の納骨穴に合わせて壺のようなものが入れられており、納骨スペースの役割を果たしていました。

このままでは新たにお骨を納める際に支障が出てきかねないので、解体リフォーム工事に合わせて新しいきちんとした納骨室を設置します。

 

上の写真は、石塔を復元する位置に合わせて床掘りを行ない、クラッシャー(砕石)を敷いて、メッシュ筋を置いたところです。

この上に御影石の石棺をセメントで据え付けていきます。

 

墓所リフォーム工事:新規納骨室設置準備

 

今度の写真が新規納骨室です。

取り出したお骨はここに安置し直すことになります。

こちらは石塔を復元する際の基礎も兼ねますので、非常に重要な部分です。

どんな工事でもそうでしょうが、見えないところこそ肝心です。

 

ところで最初の写真に戻っていただくと、石塔が二基並んでいました。

その向かって左はどのようにするかというと、やはり同様の基礎工事を施します。

 

墓所リフォーム工事 採土・安置

 

掘り方を行なった上にクラッシャー(砕石)を敷き、メッシュ筋を置くところまではまったく同じです。

ただこちらには納骨スペースを作るわけではないので、箱形の納骨室は設けず、二本の延石を橋渡しのようにして基礎にします。

真ん中に置かれている袋は、石塔が元立っていた場所の土を採取したものです。

お骨の代わりというわけですね。

この上に石塔を組み直していきます。

石塔リフォームにあたって、免震パッドも追加します。

 

佐紀新墓、お墓リフォーム工事の現場

 

今度の写真は、石塔の組み直しがほぼ終わり、区画内の雑草対策施工に移っているところです。

草の生えにくい土というものを敷いています。

これは弊社の雑草対策工事ではお馴染みですが、水で締めると堅くなるという特殊な土です。

雑草が定着しにくくなります。

向かって左の石塔の手前には、今回新たに作った切出し花立も置かれています。

草の生えにくい土の施工に使った水が引きましたら、玉砂利を敷いて作業完了となります。

 

墓石リフォーム完了、雑草対策施工済

 

石塔、区画内ともに一新されたきれいな姿となりました。

今回、右の石塔の花立にもリフォームを施し、ステンレスの花筒を入れて使いやすくなりました。

こちらの写真には写っていませんが、お施主さんが管理しておられる、墓地入口付近にある戦死者墓石の花立もリフォームし、同様にステンレス花筒仕様になりました。

あらためて長く快適に使っていただける墓所になったと思います。

佐紀新墓でのお墓のリフォーム工事、これにて完成です。

 

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高木久史『通貨の日本史』中公新書、2016年

 

 

 

通貨の日本史: 高木久史著、中公新書

 

その名の通り、飛鳥・奈良時代から戦後、そして現在のキャッシュレス決済全盛期に至るまで、日本で流通してきた貨幣の通史です。

ですので、主な対象となるのは金属貨幣ですね。

 

私が子供の頃は、日本最初の貨幣は和同開珎(わどうかいちん/わどうかいほう)と教わった記憶がありますが、今ですと最初に日本で製造された貨幣は富本銭ということになっています。

しかしこれも、最初に「製造」されたというところがミソで、それ以前に新羅産とされる無文銀銭という貨幣が流通していたことがわかっているそうで、お金の歴史もどんどん塗り替えられているという感じがします。

 

さて、貨幣の歴史というとやはり、自分たちの定めた価値でコントロールされた流通を維持したい権力側と、金属としての実勢価値などを反映させて現実の交換レートを作り出す一般人とのせめぎ合い、みたいなことが主になります。

そのため本書の記述も、どういう政権の時に貨幣の改鋳や新造がなされて、それが従来の貨幣に対してどれほどの交換比率で放出され、実効レートはどの程度に落ち着いた、というような話が中心になります。

そんな中で、ちょっとしたエピソードやこぼれ話みたいなものが出てくるのが実に面白い。

 

たとえば貨幣というのは、誰もがそれを使えると信用しているから使えるのだという堂々巡り的な性質がありますが、その点を見抜いて、小倉藩が藩独自の貨幣を鋳造する際に、わざと古びた加工を施したそうです。

つまり、流通実績のない真っ新な貨幣を通用させようとするよりも、これまでも使われていたコインですよというフリをさせた方が信用が得られるということですね。

 

明治維新以降も金や銀を価値基準にした貨幣が使われ続けますが、やがて日銀が設立され、徐々に我々にも馴染みのある世界に変わっていきます。

とはいえ貨幣の製造・流通がさまざまな社会的事情によって左右されるというのは現在も変わらないようで、少し引用します。

 

「100円銀貨の発行に際しては一悶着があった。印刷局と、三椏(みつまた、紙幣に使う紙の原料となる木)の生産者は、100円通貨が紙幣から硬貨へ変わると失業を生むとして、反対した。対して造幣局は、終戦後に人員整理を経験していたので、雇用確保の観点から、製造を熱望していた。

 その後も同じ額面100円の通貨の流通には地域差があった。東京・大阪など大都市では100円銀貨が普及したが、地方では100円日銀券が流通し続けた。都市では通貨の使用頻度が高いので耐久性が高い硬貨が好まれ、また自動販売機や硬貨計数機というハードが広まり始めていた。対して地方ではそれらハードが必ずしも普及せず、手での計数も続いていたため、紙幣が使われ続けた。

〔…〕1967年、100円・50円硬貨の素材が白銅に変えられた。現行の100円・50円白銅貨である。100円硬貨を銀でなくしたのは、写真フィルムなどの工業原料として銀への需要が増えていたが、銀の生産が世界的に伸び悩み、銀地金の価格が高騰したことによる。記念硬貨を除くと、日本史上の銀貨の供給がこれで終わる。

 現在はフィルムカメラの時代でなくなったが、銀に加え金も現在、電子機器の材料など、工業原料としての需要がある。金・銀ともに実用性を持つ時代になったわけである。これまで繰り返し述べたように、実用性がある素材は通貨にあまり適さない。金・銀が通貨の主役に舞い戻ることは当分ないだろう」

(231-233頁)

 

今の我々は、貨幣の信用を裏付けているのは国家だと当然のように信じていますが、歴史を辿ると公権力によらない通貨というのも結構あったことがわかります。

信用なるものは独占物ではなく、まさに創造されるものであるということの傍証とも言えましょうか。

 

歴史というのは今なお基本的には政治史として描かれますが、それをまた少し別角度から見直してみるという意味でも、興味深い読書となりました。

今回取り上げるのは、お墓のリフォーム工事です。

リフォーム工事というと、お墓について現状で問題がある部分を直す、ということになります。

リフォームの内容もお施主さんの希望に応じてさまざまですが、今回はタイトルにあるように、墓石を解体しての傾き直し工事や区画内の雑草対策施工が中心となってきます。

 

工事を行なう墓所があるのは、佐紀町の共同墓地である佐紀新墓です。

世界遺産・平城宮跡から少し北に入ったところにあります。

当ブログでご紹介する機会も多い、いつもお世話になっている墓地です。

現場区画は次のようなところです。

 

 

かなり古そうな巻石の中に、これまた年季の入った石塔と家墓とが立っています。

写真は、見積書と合わせてお施主さんにお送りしているものです。

打ち合わせした工事内容と御見積の内容とに相違がないよう、確認の参考としていただくものです。

今回はお施主さんとの打ち合わせを現場で行ないましたので、墓所を間違うような心配はありませんが、場合によっては弊社の事務所で打ち合わせを行なった上で、現地確認はこちらの者だけで赴くということもあります。

そこで確認に不備があり、たとえば違うお墓を墓じまいしてしまった、というようなことになれば目も当てられません。

作業を行なう墓所がたしかにそこであること、そしてどんな作業を行なうかについて、お施主さんに確認していただくことは非常に重要になってきます。

 

さて、上の写真に記してあるように、傾き直しと雑草対策の他に、花立のリフォームも施します。

花立リフォームというのは、石に穴を開け直すなどして、使いやすいステンレスの花筒を入れられるようにすることです。

今回のお施主さんは、この墓所だけでなく、墓地入口近くにある戦死者のお墓も一つ管理しておられまして、そちらの花立にも同様のリフォーム工事を行ないます。

 

もう少し墓所探しの話をしてみましょうか。

基本的にお施主さんからは、墓地内でどのあたりの区画になるのか、といったことをお聞きし、石塔の建立者名や故人としてお墓に彫られている人の名前など、いくつもの確認要素をヒアリングします。

一件瑣末なことであれ(水場の近くとか、近所に大きな墓石があったとか)、情報は多ければ多いほどいいです。

きちんと準備しておけば、たとえ初めて行く墓地であろうとも、間違いはそうそう生じることはないです。

といって、それが絶対ではないので、最終確認していただくことは常に必要だ、ということになってきますが。

 

ではそろそろ工事の話を、というところですが、現場確認の話で随分長くなってしまいました。

本日はこの辺りで稿を改め、実際のリフォーム工事については次回ご報告したいと思います。

 

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