本日からご紹介するのは、新しいお墓の建立工事です。
既に巻石が設置されている区画に、墓石を建てさせていただきます。
最初に現場を拝見したところ、かなり巻石の状態が悪かったので、その解体組み直しも行ないます。
というわけで、厳密に言うと巻石リフォーム工事を伴う新規建墓工事となりますね。
ありがたいことです。
現場となる墓地は、お馴染みの五条西山共同墓地です。
弊社から車で五分、世界遺産の唐招提寺に近く、丘陵上の墓地の上からは垂仁天皇陵を眺めることもできるという好立地の墓地です。
では、現場区画をご案内しましょう。
次のような墓所です。
一坪半ほどの大きさの区画です。
内側に建てられている石の札には、お施主さんの名前が刻まれています。
最初、夏場に来た時はかなり草が生えていましたが、冬場では枯れた色を見せています。
さて、上で巻石の状態がかなり悪いと申し上げました。
これは単に傾いているとか、緩みが見られるということではないんですね。
極論ですが、巻石が傾いているだけなら、見栄えは悪くなりますが、その区画に石塔を建てること自体は問題ありません。
ただ今回は、写真をご覧いただいただけでも、中の土が随分と痩せていることがおわかりになると思います。
これは、巻石を据えているコンクリの一部に穴が開いて、中の土が徐々に流れ出しているという状態です。
土が流れるということは、つまりは地盤が少しずつ削られていっているわけで、そういった状態の墓所に石塔を建てても、地盤の不安定さは将来的な傾きの原因になります。
そこでこういった場合、土の流出を防ぐために最低限のリフォーム工事は必要になるわけです。
幸い、お施主さんにご説明申し上げるとご理解いただけましたので、巻石については解体組み直し工事をご用命いただくことになりました。
前置きが長くなりましたが、以上のような前提のもと、巻石のリフォーム工事を施した上で、新規石塔を建立いたします。
そこで早速現場作業ですが、まずは延石の解体工事からですね。
巻石を構成している各部材をひとつずつ、慎重に外して解体していきます。
写真は一通りの解体作業が済んだ段階です。
なにやら楕円形の穴がいくつか見えるのは、巻石の下に置かれていたコンクリートブロックです。
こちらの区画、正面と裏とで地面にかなり高さの違いがありまして、正面では巻石の足元が埋まるくらいなのですが、裏は地面が急激に低くなって、大袈裟にいえば崖状になっており、そのため正面と同じ高さで延石を組もうと思うと、足元が浮き上がってしまうので、その下に支えのブロックを入れている、ということです。
今回はこのブロックは解体せず、その上に延石を組み直します。
というところで本日はかなり長くなってしまいました。
巻石の復元作業から先については稿を改め、次回ご報告したいと思います。
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