石塔の撤去工事:五条西山共同墓地 | 奈良の石屋〜池渕石材のブログ

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今回ご紹介する施工事例は、お墓の撤去工事です。

お墓をめぐる撤去工事に二種類あるのは常々申し上げているところ。

石塔や霊標など区画の中に立っているものだけを撤去する場合と、巻石ないし外柵まですべてを解体撤去して区画を更地にしてしまう場合の二種類です。

墓地の使用規定で決まっていたり、あるいはその都度の墓地管理者さんの判断によって変わってきたり、どちらの撤去が求められるかはケースバイケースですが、今回は「石塔の撤去工事」と表記しておりますように、巻石は残して墓石類のみを運び出す作業ということになります。

 

場所は当ブログではお馴染みの五条西山共同墓地。

弊社から車で五分、近鉄の線路を挟んで東側には世界遺産・唐招提寺もすぐ近くという、このあたりでも非常に大きな共同墓地です。

では現場をご案内しましょう。

次のような区画です。

 

 

一坪ほどの大きさの区画の中に、九寸角の和型墓石が立っています。

それに加えて拝石が一枚。

 

早速作業に取り掛かっていきます。

まず石塔を竿石から順に解体していきます。

なにしろ石の塊ですので、重いというのがやはり最大の難問ですね。

台石までを慎重に取り外します。

下台まで解体して運び出したところが次の写真です。

 

 

石塔の下の納骨室が残っているという状態です。

ちなみに、生前にお建てになっているというケースは例外としまして、お墓ですので普通はお骨が納められています。

墓じまいの場合、そのお骨はどうするのかというと、新しいお墓であれ納骨堂であれ、改葬する先を事前に探しておいていただく必要があります。

お骨の行き場がない、という状態では撤去工事などできませんので。

墓じまいをご検討の際には、まず念頭に置いておいていただきたいことの一つです。

 

こちらの墓所の工事では、事前にお骨を出してお施主さんにお渡ししましたが、採骨しにくい石塔の場合など、解体工事をしてからお骨を集める、ということもあります。

これもケースバイケースですね。

解体してから採骨という場合、その場でお骨を手渡せるように、工事当日お施主さんに立ち会っていただくことが多いです。

 

納骨室と拝石も撤去し、玉砂利も搬出すると、巻石だけが残っているという状態になります。

納骨室などがなくなった分、区画内の土が少し瘦せることになりますので、新しい土を補充します。

そして最後に整地してきれいに仕上げれば、作業完了です。

 

 

ついさっきまでお墓が立っていた、ということがわからないくらいになりました。

さっぱりしたといった具合ですね。

また新しいお墓が立つことを願います。

五条西山共同墓地での墓じまい、墓石の撤去工事、これにて完了です。