新しい墓石の建立工事①:五条西山共同墓地 | 奈良の石屋〜池渕石材のブログ

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どうかよろしくお願いします。

本日からご紹介する施工事例は、「新しい墓石の建立工事」です。

われわれはなにしろお墓を扱うのが仕事ですので、新しい墓石を建てさせていただくというのは、非常に嬉しくありがたいものです。

場所は弊社から車で5分、近鉄の線路を挟んで世界遺産・唐招提寺にもほど近い大きな共同墓地、五条西山共同墓地です。

当ブログでも最多の登場回数を誇るお馴染みの現場のひとつですね。

 

さて、新しくお墓を建てる場合、墓所の敷地は既にお持ちで、あとは石塔の作るのみというお客様は結構いらっしゃいます。

ただ、その区画をお買い求めになったのがかなり以前だという場合、区画を囲っている巻石が傾いたり、緩んで石同士が開いてしまっていたり、ということはしばしばございます。

大抵のケースで、巻石が傾いていてもそれを無視して石塔だけを新規に建てる、ということは可能です。

ただ、巻石が傾いたままの区画に石塔を建てると、基準をどこに取るかによって、石塔の足元が必要以上に隠れてしまったり、あるいは逆に基礎が見えてしまう状態になる(いわゆる「恥をかく」状態)ことがありえます。

単純に見映えの点からいっても、巻石が傾いているなら石塔工事に合わせて補修するに越したことはありません。

そこで新規建墓のご用命を受けまして、現場を拝見に行って巻石が傾いていた場合、一緒に巻石もリフォームなさってはどうですか、とご提案するのが普通です。

 

ちなみに今回の現場です。

 

 

この写真、この角度からではいささかわかりにくいかもしれませんが、かなりの傾きを示しています。

向かって右側から連続して傾いてきているので、一見自然な感じに見えてしまうのかもしれませんね。

そこで今回も建墓に合わせた巻石のリフォーム工事をご提案し、ご用命いただきました。

現場に入り、まずは巻石の作業から行なっていきます。

 

巻石のリフォーム工事と言った場合、行なう作業は基本的に巻石の解体組み直しです。

設置されている巻石をすべて外し、一旦区画を更地にして基礎を新しくし、その上に巻石を据え直します。

下に間知石(けんちいし)が組まれている場合なんかは、その間知石には触れないのか、それとも間知石まで全解体してリフォームするのか、などさらに選択肢が発生しますが、写真のような延石一段の巻石ですとシンプルな解体組み直しとなるのが普通です。

 

そこで区画を囲っている石を順番に解体していきます。

写真で見て取れるように、お隣の区画とのスペースはほぼゼロですので、石をぶつけたりしないよう慎重に作業を進め、墓所を更地にします。

 

 

これでひとまず解体作業終了です。

珍しく奈良に降雪があった時期ですので、雪の名残が見られますね。

寒い時期でした。

さてここからは巻石復元のパートに入っていくことになりますが、いささか長くなってまいりました。

中途半端なところですがこの辺で稿を改め、続きは次回ご報告したいと思います。