先週からお伝えしている作業の続きです。
弊社から車で15~20分、よくお世話になっている押熊町の共同墓地にて、新しい巻石を設置し、さらに新しい石塔も建てさせていただくという工事をしております。
すべてが新規の建墓工事というわけですね。
ありがたいことです。
これまでの記事では、基礎を打った上で巻石を据え付け、石塔の納骨室を設置した、というところまでご報告しておりました。
今回はいよいよ墓石本体の据え付け作業に入ることになります。
日本の伝統的なお墓の形、いわゆる和型石塔というのは、竿石・上台・下台という三段一式で構成されていますが、最近はその下にさらに芝台と呼ばれる一段を加えることが増えています。
今回も芝台付きの石塔を建てさせていただくことになっておりまして、そこで納骨室の上にまず芝台を組んでいきます。
芝台というのは、前後左右で計4つの部材から出来ています。
前石だけがやけに大きいのは、この上に花立や水鉢なども乗ることになるからです。
一個ものの石ではありませんので、巻石と同様に、合口の内側からステンレスの金具で補強しています。
大谷石の納骨室に加え、この芝台の内側も納骨スペースを兼ねます。
天端の縁四隅に載っている白いものは、これもかなりお馴染みになってまいりました、地震対策の免震パッドです。
芝台付きの和型石塔の場合、竿石/上台の間、上台/下台の間、下台/芝台の間と全部で3箇所に入ることになります。
芝台の上に下台、上台と順に据えていきます。
石塔の作業がひと通り進めば、今度は足元に移りまして、これまたお馴染み草の生えにくい土を施工します。
自然由来の土を主成分にしていますが、水で締めるとかなり固くなり、文字通り雑草が生えにくくなるというもので、お墓の雑草対策として近年よく使われるようになっています。
完全に雑草が生えなくなるというわけではないのですが、日常的なお墓参りの際の草むしりなど、お墓のお手入れの手間は格段に減ると思います。
お墓参りを補助するものとしてお考え下さい。
草の生えにくい土の施工に使った水が引きますと、最後に玉砂利を敷きまして作業完了となります。
きれいなお墓が出来上がりました。
すべて新しく作らせていただくというのは、また格別なものがあります。
竿石の正面に書かれている文字は、「倶会一処」です。
「くえいっしょ」と読みます。
念仏を唱える者は皆、極楽浄土に往生し、ひとつ場所で再開できます、というような意味で、仏説阿弥陀経に出てくる言葉です。
浄土真宗の方のお墓は、正面に「南無阿弥陀仏」と彫られることが多いですが、この「倶会一処」という文言もよく使われます。
いい言葉ですね。
押熊町共同墓地での新規巻石・新規墓石工事、これにて完成です。