本日はまた納骨室メインのご紹介になります。
最終的には建碑までやらせていただく現場ですが、お彼岸を控えていろんな工事を掛け持ちしておりますので、途中途中でのご報告というのがどうしても多くなりますね。
今回は二名という地区の墓地での工事です。
現場はこのようなところ。
納骨室を入れるための土出しがほぼ終わったところですね。
写真手前が区画の裏側に当たります。
えらく広い範囲を掘っていると思われるかもしれませんが、こちらは新規建碑に加えて古い石塔の移転もありますので、納骨室が二つ必要というわけです。
なんでもこちらのお施主さんは、移転分の石塔を管理しておられるご家族の親戚に当たるんだそうですが、そちらが後継ぎ不在になるということで、両家のお墓をまとめて一箇所で管理するようにしたいということみたいです。
お墓の後継ぎ問題も昨今は増えていますね。。
さて、床掘りを済ませれば、いつものようにクラッシャーとメッシュ筋を敷いて基礎の準備をします。
この写真を見て、左右の納骨室用の穴の深さが違うことに気付いた方はなかなかの観察力です(笑)
どちらも大谷石の納骨室を入れるのですが、なぜこんなところに違いが出るのか。
すぐにご解説いたします。
セメントを練って大谷石を据え、納骨室を二つ完成させたところがこちら。
この大谷石、どちらも5寸×8寸というサイズの材料を使用しているのですが、向かって左はそれを8寸が深さになるように縦使い、向かって右は8寸の面を寝かせた横使いとなっています。
何が違うのかって、それぞれの上に立つ石塔に芝台があるかないかによります。
まず向かって右の方に芝台を施工しているところがこちらです。
こうやって四つ石を組んだ上に和型石塔が載ることになるのですが、芝台というのは構造上、納骨スペースを兼ねることになります。
この下で大谷石を縦使いすると、底がかなり深くなって納骨がしにくくなるんですね。
たとえ3寸の違いといえど、使われる方の便宜を図るためにはこの方がいいという判断です。
もちろん一律にこうするわけではありませんよ。
納骨スペースを少しでも広くとりたいというお施主様なら、芝台の下でも大谷石を縦使いすることはありますし、ケースバイケースです。
現場それぞれでやり方が変わってくるというのが、この仕事の面白いところでもあります。
お墓は似たような石塔が並んでいるようでいて、やはり一基一基個性があるものなのです。
で、L金具をしっかり締めて芝台は出来上がり。
あとはお彼岸に向けて二つの石塔を立てるだけ、というところまで漕ぎつけましたね。
次は完成までということになるかと思いますが、進展しましたらまたご報告いたします。