雪組『pre100th Anniversary 「Greatest Dream』
本日、梅田芸術劇場にて、宝塚歌劇OG公演『Greatest Dream』を拝見しました。
以下、芸名には敬称略で失礼します。
私が宝塚歌劇を見始めたのは1976年のこと。
最初に見たのが花組、その後星組、月組、雪組の順に観劇。
どの組も素敵だったけれど、1番のごひいきは最後に見た雪組でした。
当時はトップスターがジュンコさん(汀夏子)、二番手がターコさん(麻実れい)、
トップ娘役が高宮沙千という布陣です。
いわば初恋の組である雪組のプレ100周年、これを見ずに いられましょうか?
大阪での公演は4日間、6公演。出演メンバーが日替わりでしたが、
私としてはやはりターコさん(麻実れい)といーちゃん(寿ひずる)が登場する日を見たいと熱望しておりまして、それが叶えられ、ありがたい限りでした。
公式サイトのYouTubeチャンネルで、ちょっとだけ雰囲気を味わっていただけます。
舞台は二部構成。
出演者の皆さんにはドレスコードがあったのか、第一部は白を基調とした衣装、
第二部は黒とゴールドを基調にした衣装で、フィナーレはモサクさん(平みち)、かりんちょさん(杜けあき)、イチロくん(一路真輝)だけがゴールドをお召しでした。
色で基調は揃っているけれど、デザインや素材、着こなしがそれぞれ個性的で、本当に素敵。
百花繚乱とはこのことだな、と思いました。
衣装で最も印象的だったのは「愛!」(『ポップニュース』)を歌った時の一路さんの黒い衣装。
パンツスタイルに、何メートルもある長いマント(?)をお引きずり。
その裾にはゴールドのモールがキラキラ。
最後に階段を登ると、階段に広がったお裾がまるで孔雀のよう。
紅白歌合戦でいえば小林幸子風でしたが、イチロくんの場合は派手というより神々しさを感じました。
もう一人印象的だったのは、黒いドレスの時の紫とも。
デザインといい、レースの模様といい、可愛いドレスだったわー。
私、このドレス着てみたい。(その前に痩せなくちゃ)
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では覚えている限りで、感想を。
個人別感想
出番順ではなく、学年順に。
芸名には敬称略で失礼します。
⚫︎麻実れい
この公演の長に当たりますが、オープニングには姿が見えず。
第二部になってもなかなか出ていらっしゃいません。
「スペシャルゲスト」というポジションで二部の後半に、おもむろに登場されました。
待ってました!!という感じです。
実はターコさんの前に登場したいーちゃん(寿ひずる)もスペシャルゲストでした。
次に触れますが、いーちゃんの歌がもう、凄まじいほどのうまさでして。
歌い終わったいーちゃんの紹介を受けて登場したターコさんがいーちゃんに向かって開口一番
「あなた、なんて歌がお上手なの?!」
会場大拍手でした。
ターコさんは緩やかにウェーブがかかったロングヘアに黒エンビ姿。
いーちゃんが紹介してくれましたが、足元はローファーというか、ぺたんこの靴。
つまりは上げ底がないのに脚が長いんですよ。
退団後は当然のように女優さんとして主に舞台で活躍されているターコさん。
もう何年も男役さんの姿を披露していないはずなのに、なんなんでしょうか、この黒燕尾の魅力は。
素敵、素敵、素敵っ!!心の中で叫び倒す私でした。
そのクールな外見に反比例して、おしゃべりはスロー。
現役当時から、ターコさんはおっとりした喋り口調でしたが、そのまんまお変わりありません。
「うたかたの恋」(『うたかたの恋』)と「君はマグノリアの花の如く」(『風と共に去りぬ』)を歌われましたが、どちらもかなりアレンジされたターコ節。それを聞いていると魅了されて頭がクラクラしてきまして、
「参りました!!もう、どうにでもしてくださいッ!!」
と降参する私でした。
⚫︎寿ひずる
「彷徨のレクイエム」で登場。
うわあああああ!コビリンスキー大佐ぁ!
一気に当時に引き戻されました。
なんといっても、歌声が当時と同じ、いや、もしかしたら当時以上に声が伸びているかも知れないのです。
音階、音量、声のつや、なんと完璧なことでしょうか。
明日にでも宝塚大劇場に復帰していただいても、全く違和感がないどころか、現役生でもここまで歌える人がいるかどうか、といったレベルでした。
いーちゃん、すごいわ。
今更だけど、いーちゃんのトップ公演を見たかったですよ。
もう一曲「雨の街角」(『ジャワの踊り子』)も歌ってくださいました。
オースマン❤️
⚫︎平みち
モサクさんは実質、この公演の長であり、MCを任される場面も多数。
ところが、モサクさんは いーちゃんとターコさんの横に立つと、すっかり下級生気分に。
ターコさんと並ぶと
「私、ターコさんの横に立たせていただくのが41年ぶりなんです。
なんだか下級生になった気分」
すると、ターコさんを挟んで反対側にいた いーちゃんから
「永遠に下級生だから!(学年順は一生変わらないの意味)」と突っ込まれていました。
私から見た感じですが、モサクさんは今回ターコさんやいーちゃんとお会いして久々に下級生気分を味わってしまったため、長としてMCをするときに、なんだか甘えん坊ふうになっていらっしゃるように見えました。しっかりものの下級生2人(かりんちよさんとイチロくん)に「あとは頼む!」みたいな。
その様子を拝見して思い出したのは1976年花組『朱雀門の鬼』。当時花組の下級生だったモサクさんは小鬼の役だったのですが、3人出てくる小鬼の中のみそっかす的な役回り。体が大きいのにやっていることが幼くて、とても微笑ましかったなぁ、と、そんなことを思い出させてもらいました。
「そして、今」(『アンド・ナウ!』)、「たまゆらの記」(『たまゆらの記』)、『さよならは夕映の中で』(『風と共に去りぬ』)などを歌われました。
私はモサクさんの声では初めて聞く「私は桃の花が好き」(『花のオランダ坂』)が特に心に沁みました。
⚫︎杜けあき
実質的に総合司会的な役割を担っていた かりんちょさん。現役時代のイメージそのまま、しっかり者という感じでした。
「花に散り雪に散り」(『忠臣蔵』)や「朝日の昇る前に」(『華麗なるギャツビー』)などの歌はもちろんですが、第二部オープニングの「深川マンボ」の踊りが印象的でした。
「深川マンボ」といえば、今は亡き元星組トップスター 峰ちゃんこと峰さを理で、私はかりんちょさんの動きに峰ちゃんをダブらせて拝見していました。
⚫︎一路真輝
『花の舞拍子』(『花の舞拍子』)、「愛!」(『ポップニュース』)、「紫に匂う花」(『あかねさす紫の花』)、『アポロ・月への旅』(『JFK』)などを熱唱。
個人的には「花の舞拍子」「紫に匂う花」にグッときました。歌詞が自然と私の中にも蘇ってきて、本当に懐かしかったです。
⚫︎高嶺ふぶき
大病を経験され、もう舞台姿を拝見できないのではと思っていたので、本当に嬉しかったです。
「あなたがいるから」(『仮面のロマネスク』)などを熱唱。
歌声は伸びも良くて力強く、現役の時と遜色ないのもびっくりでした。
私はミュージカル『エリザベート』をいろいろな組や外部公演で見るにつけ、初演のフランツ・ヨーゼフ役の高嶺さんがどれほどうまかったのかを知りました。さりげなく演じておられたけれど、相当難しいお役だったのでしょうね。
これからも機会があればぜひ、舞台に!
⚫︎えまおゆう
ブンちゃん!!!
第一部から大活躍でした。
なんだかブンちゃんからは、舞台に立つことが「嬉しい」「楽しい」という気持ちがめちゃくちゃ伝わってくるのでした。
歌声ものびのび。星組時代の伸び伸び三男坊の頃そのままのイメージでした。
MCでは、今回出演していない相手役 紺野まひるちゃんについて、
「相手役になってくださいッ」とプロポーズしたのだと告白して客席をキャワキャワさせてくれました。
「トップスターの地位を利用してでも(相手役を)守る!」とか まひるちゃんが他の男役さんとデュエットダンスしていたりすると嫉妬しちゃうとか言っていて、いやーブンちゃんのお嫁さんになりたいと思いましたワ。
⚫︎和央ようか
舞台が暗転中にスタンバイしているシルエットだけで、タカコさんだとわかります。
なんというかスーパーモデルみたいなんですもの。美しいわぁ。
管楽器のような歌声も健在でした。
⚫︎月影瞳
グンちゃんが「雨の凱旋門」(『凱旋門』)を歌っているのを聞いていると、どこからともなくイシちゃん(轟悠)の歌声も聞こえてくる気がしました。
この公演に轟さんの姿がないのが寂しい。
グンちゃんは同じく相手役が出演していないブンちゃんと二人で「私たちは相方がいない」とグチり、客席を笑わせてくれました。
退団後、おばあちゃん役や変な女性役など、面白い役をたくさん経験しているグンちゃんからは、なんとも言えない余裕というのか、幅の広さが感じられました。
⚫︎朝海ひかる
コムちゃんは現役時代より歌が上手くなっているように思いました。
現役当時は痩せすぎていたからかもしれません。
ビジュアル的にも今が一番可愛いような。
「我が名はオスカル」(『ベルサイユのばら』)などを歌っていました。
⚫︎貴城けい
かしげちゃんにちょっと元気がないように感じたのは私の気のせいかしらん?
⚫︎水夏希
水さんは路線的にタカコさんと似ている感じがします。
モデルさんのような容姿、ちょっと中性的な感じで、衣装の着こなしがとってもかっこいい。
水さんが歌う「生きるときめき」(『星影の人』)を聞くと、やっぱり初演のジュンコさん(汀夏子)を思い起こさずにはいられませんでした。ジュンコさんにも出ていただきたかったなぁ。
再演されることで、名作が受け継がれていくので、また機会があったら別のスターさんでも『星影の人』を見てみたいです。
⚫︎彩吹真央
彩吹さんも、現役さながらの歌のうまさでした。
特に「星影の人」(『星影の人』)が良かったです。
⚫︎壮一帆
壮さんも、現役時代より声が伸びているように思いました。
コムちゃんと同じで、現役時代は痩せすぎていたのかもね。
「恋の笹舟」(『若き日の歌は忘れじ』)、「散らば花のごとく」(『一夢庵風流記 前田慶次』)
など、和物の雪組コーナーで存在感を放っていました。
⚫︎美穂圭子
現役タカラジェンヌとして登場。
大先輩の中で堂々とした歌姫ぶりでした。
特に高嶺ふぶきとの「あなたがいるから」(『仮面のロマネスク』)デュエットが絶品。
大人の魅力全開でした。
美穂さんは綺麗なソプラノから、大人の歌声まで幅広いですね。
⚫︎舞風りら、白羽ゆり、愛原実花、愛加あゆ、舞羽美海
娘役の皆さんがスタイルを維持されているのには頭が下がります。
皆さん可憐。
アンサンブルはみなさんイキイキしていましたが、特に目を引いたのは未来優希、緒月遠麻、連城まこと。
3人の笑顔が本当にキラキラしていて、私まで嬉しくなるのでした。
この公演を見て思ったのはTAKARAZUKA FOREVER!!宝塚よ永遠に、という気持ちです。
最後のご挨拶でモサクさんがおっしゃっていましたが、一人一人がバトンを繋いで、繋いで、ここまできたのです。
そのバトンをぜひ、次世代、その次の世代と受け取ってほしい。
私はそれをずっと応援していたいです。
とにかく盛りだくさんすぎて、全てを記憶できず、中途半端なレポートでごめんなさい。
最後に、個人的な思いですが、メンバーにジュンコさん(汀夏子)、イシちゃん(轟悠)、チギちゃん(早霧せいな)のお名前がないのが寂しかったです。
花組・月組100周年記念公演の感想
ちなみに、ひと足さきに100周年を迎えた花組月組の記念公演の感想はこちらです。
茶々吉24時(2021年11月7日)
茶々吉24時(2021年11月8日)
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