昨日、梅田芸術劇場で拝見した

宝塚歌劇 花組月組100周年を記念する『Greatest Moment』。

 

一夜明けてポロポロ思い出したことがあるので、

書き留めておきます。

 

●ペイさま(高汐巴)は在団中からシャンソニエだった

ペイさまの「ジュテーム」を聞いて感じたこと。

あの、水分をたっぷり含んだような(どんな喩え?)

憂いのある声、歌い方。

在団中から他のタカラジェンヌとは違う、

独特な歌声だと思っていましたが、

昨日客席でハタと、ペイさまは現役時代から

シャンソニエだったんだと思ったのです。

 

それを象徴するのが現役時代ペイさまが歌った「ブン」。

(何の公演だったか思い出せない)

擬音がたくさん出てくる軽妙な歌で、

ペイさまは上手から下手へと銀橋を渡りながら、歌っておられました。

物知らずな私には なんてことない場面に見えましたが、

当時の新聞評で

「『ブン』は出色。高汐巴でなければ歌えなかったであろう」

と絶賛されていたのでした。

 

●月組と海外ミュージカルと親和性

『ME AND MY GIRL』や『グランドホテル』、

『THE SCARLET PIMPERNEL』など、

再演された海外ミュージカルが多かったです。

もし大地真央さんがこの公演に出演されていたら、きっと

『ガイズ アンド ドールズ』のナンバーも歌われたことでしょう。

偶然かもしれませんが、月組が海外ミュージカルと親和性が高いのかな、

と感じました。

 

●正塚先生の歌詞

ヤンさん(安寿ミラ)が歌った「かわらぬ思い」(『ブラック・ジャック』)

花組チームで歌った「心の翼」(『テンダー・グリーン』)

どちらも正塚晴彦先生の作品で、とにかく歌詞が素晴らしい。

時代が変わっても輝きを失わないのは、

人間の気持ちの奥底にあるもの、

どんな時代になろうと変わらぬ大切な何かを

表現しているからではないかと。

 

●現役生が古典を歌い継ぐ

大御所OGだらけの公演に、現役生として出演した

凪七瑠海さんと、紫門ゆりやさんが

「白き椿」「黒きばらのタンゴ」を歌いました。

どちらもレビューの王様 白井鐵造先生の作品『花詩集』の歌。

初演は1933年(昭和8年)、私もまだ生まれていない、

昔々の作品です。

歌詞も今の言葉遣いではない、この古典を、

現役生が端正に歌うのが、見ていてとても美しい。

こうして古き良きものが順々と引き継がれてこそ、

宝塚歌劇団は100年以上続いてきたのだなぁと思いました。

 

●私とあなたは裏表、同期とは良いものね

宝塚歌劇で舞台化した『風と共に去りぬ』が、

映画や他の舞台と違ったのは、

スカーレット・オハラを二人にしたこと。

心で思っていることと、行動が違うスカーレットを、

演者二人に表現させたのは植田紳爾先生の「発明」と言って良いかも。

「私とあなたは裏表」は、

着たくもない喪服を着ているスカーレットと、

綺麗なドレス姿の「心のスカーレット」が初めて出会い、歌う歌。

それを再現したのがタモマミ同期。

タモちゃん(愛華みれ)が心のスカーレットで、真っ白なあのドレス。

マミちゃん(真琴つばさ)は黒っぽいフレアパンツ(だったかな)姿。

最初、舞台上は薄暗くしてあって、シルエットでは誰だかわからず。

明るくなって二人だと分かった時、客席に漂う雰囲気の明るいこと。

タモちゃんもマミさんもとても楽しそうで、

同期って良いなぁと感じましたわ。

 

●世代を超えても違和感のない再現

『グランドホテル』の再現で、

たまきち(珠城りょう)が「Grand Hotel」を

ヨシコちゃん(麻乃佳世)が「Girl In The Mirror」を

そしてかなめちゃん(涼風真世)が「At The Grand  Hotel」を歌いました。

再演組と初演組が混在しているわけですが、

不思議とすんなり受け止められる。

脈々と繋がる宝塚の歴史のおかげだと思います。

昨日は、花組の『琥珀色の雨にぬれて』について同じことを書きました。

 

●心癒されたフィナーレナンバー

100年の歴史を誇る花組月組の記念公演、

どんなナンバーで締めくくるのかと思ったら、

「宝塚我が心の故郷」

「すみれの花咲く頃」

「フォーエバー・タカラヅカ」

 

♪いつか夢に見し 麗しのパラダイス♪

この出だしを聞いたとき、心底ジーンとしました。

このうたも白井鐵造先生の作品の歌です。

私はもちろん生まれていませんが、

宝塚ファンになって46年、記念行事や公演で何度も聞いています。

美しい日本語と美しい旋律。

この歌には本当に癒されます。

以前このブログでも書いた気がしますが、

私は宝塚大劇場周辺に来るといつも心からホッとするのです。

多分、自宅の次に落ち着ける場所、まさに故郷。

その故郷よ「フォーエバー」であれ、

と願うのは宝塚歌劇団の生徒さんだけではなく

ファンの願いでもあるのです。

ということで、フィナーレナンバーの選択に深く納得しました。

構成・演出を担当された三木章雄先生、

ありがとうございました!!

 

 

 

もしお時間がありましたら、観劇当日である昨日、

熱に浮かされるようにして書いた感想も読んでくださると嬉しいです。

 ↓

茶々吉24時(2021年11月7日)

 

 

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