月組 千秋楽

 

今日は宝塚大劇場で、月組さんが千秋楽を迎えられました。

 

休演なしの完走、おめでとうございます。

 

 

なんとワタクシ、客席で千秋楽公演を拝見できたのです。

今回も自力でとったチケットではなく、お声掛けをいただきまして、本当にありがたいことです。

 

2月に一度拝見しているので、今回はストーリーを追わずに済みました。

その分、場面に登場する色々な人を観察することができましたわ。

 

主な感想は、前回観劇の時とさほど変わっておりませんので、もしよろしければこちらをご覧ください。

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今回お芝居で特に目が行ったのは、伴善男役の夢奈瑠音さん、紀長谷雄役の彩海せらさん、吉祥丸役の瑠皇りあさん。

 

まず夢奈さんは私の中の伴善男のイメージを大いに覆してくれました。カッコ良すぎる。

というのも、昔読んだ子ども向け歴史漫画の中で「応天門の変」が描かれていたのですが、判大納言こと伴善男は背が低くてずんぐりむっくりにな中年男だったのです。

子どもの頃に読んで印象に残ったことって、50年以上たった今でも鮮やかなのです。

ですから夢奈さんの伴善男にはびっくりした次第。

役柄的には辛抱役、夢奈さんにしては見せ場が少ない気がしました。次回に期待しましょう。

 

彩海さんは、等身大の役というのでしょうか、実に楽しそうに演じておられて、こちらも笑顔になりました。

 

瑠皇さんは 綺麗な男役さんですね。

吉祥丸は弟である菅原道真と、敵役とも言える藤原基経 両者に影響を与える人物。

生きて大人になっていれば人間として汚い部分も持ったかもしれないけれど、少年のうちになくなってしまったことで、道真、基経両者の心に永遠に生きることになったのだなぁ。

いつもどこか悲しげな瑠皇さんの吉祥丸にそんな思いが湧いてきました。

 

今回、ショーのエトワールは役替わり(日替わり)で、今日のエトワールは きよら羽龍さんでした。

エトワールを固定にせず分割して複数の人に担当させるというのは、多くの人にチャンスを与える画期的な試みだったという見方もできるのでしょうが、私は必ずしもそうは思いません。美しい高音が出る、その組を代表する歌姫が堂々と朗々と歌い上げてフィナーレを先導して欲しいの。

例えが違うかもしれないけれど「みんなが一等賞」なんだと全員手をつないでゴールする運動会や、何人もの桃太郎(主役)が登場する学芸会と通じるものがある気がするんです。

トップスターが一人であるように(たまにダブルトップもあったけど)、エトワールも一つの公演で一人、それだからこそ切磋琢磨する、芸の世界ってそういうものじゃないのかなぁ。なんてことを感じた公演でした。

 

 

退団者ご挨拶

 

さて、この公演では7人の退団者がいて、千秋楽の緞帳が降りた後には退団者のご挨拶がありました。

退団者が公演の衣装から紋付袴姿(稀にそうでない服装を選ぶ人もいる)に着替える間、通常は組長がそれぞれのプロフィールを紹介するのですが、緞帳の前に副組長である白雪さち花さんが現れ「ああ、そうだった。組長の光月るうさんは退団するのであった」と、寂しい現実に向き合うことになりました。

 

これまで月組で退団者がいる公演では、光月るう組長の聞き取りやすく温かい紹介が心に沁みたものです。今日はご本人が退団メンバーということで白雪さんが担当されたのですが、退団者のご紹介文の1文字たりともおろそかにしない、丁寧で聞き取りやすいご紹介はさすがでした。

 

準備が整って、退団者が下級生から順番に大階段を降りてきます。

それぞれに組からのお花と、同期生からのお花をもらった後に、ご挨拶。

有終の美というのはこれか、と思うくらい、みなさんご立派でした。

 

覚えている範囲でレポートします。

順番は登場順(下級生から)、敬称略で失礼します。

もし、記憶間違いで、ご挨拶などが混乱していた場合、後で訂正させていただきますね。

 

 

●蘭世 惠翔

 お花は白とピンク(薄い紫かも)の胡蝶蘭でした。

 蘭世さんはショーの時から目の下にキラキラをつけておられるため、ライトが当たると涙のようにも見えたのですが、実際には涙を流してはおられなくて、終始ニコニコ。清々しい気持ちで卒業されるのだなと思いました。

 ただ、私は個人的にもっともっと拝見したく、退団を惜しんでいます。

 

●花時 舞香

 黄色一色でまとまっていました。お花は薔薇だったかな。ちょっと記憶が曖昧です。

 カーテンコールで改めて一言を求められた時、「トップスターさんとこんな近くに居られるなんて!!」とおっしゃったのが可愛らしかった。やっぱりトップさんって同じタカラジェンヌにとっても特別な存在なんですね。

 

●結愛 かれん

 名は体を表す、という言葉通り、可憐な娘役さんでした。

 私は結愛さんを泣き虫さんのように思い込んでいたのですが、退団ご挨拶は泣かずにしっかりとなさっていました。でも、カーテンコールで月城かなとさんから改めて一言と促された時に、感極まって涙がこみ上げていらっしゃったのがとても可愛らしかったです。

 ブーケも結愛さんのイメージぴったりの可愛らしいもので(ちょっと具体的に表現できない)印象的でしたわ。

 

●清華 蘭

 ブーケは青系色だったような…。

 他の娘役さんがシニヨンをお生花で飾っているのに対して、清華さんだけは、宝塚音楽学校生のように、緑色のリボンで飾っておられたのが初々しくて可愛らしかったです。

 

●朝霧 真

 真紅の薔薇のブーケ。娘役さんたちが持つとブーケが超巨大に見えるのに、朝霧さんが持っておられるとサイズが小さく見えました。とても長身でいらっしゃる。

 退団公演のお芝居で、その長身が映える個性的な役を演じられたことを、多分一生忘れないと思います。

 

●千海 華蘭

 最近、退団者さんは、組からと同期からの花二つを合わせると逆涙型になるブーケを持つことが多いのですが、千海さんはミモザの花束、しかも、茎の部分をクロスさせる独特な持ち方をなさっていました。こんな個性的な退団のお花は初めて見た気がする。

 副組長が代読したご挨拶文も、退団のご挨拶も個性的。ベビーフェイスからは想像ができませんでしたが、とても頭がキレる知性派の方だったんですね。

 

●光月 るう

 落ち着いたご挨拶で、最後の最後まで組全体を思う組長さんの姿勢を貫かれたように見えました。

 お花は逆涙型ではなく、白薔薇を花束形式で。

 狂気を帯びた役、ちょっとヘンな人の役、面白いオバ様、いろんな役を飄々と演じてしまう光月さんが好きでした。次の月組公演ではもうお姿が見られないと思うと寂しい。寂しすぎる!

 

 

 月城かなとさんがおっしゃっていましたが、ほぼ満月で初日を迎えたこの公演、千秋楽翌日である明日が満月なんですね。

 コロナ禍による配慮でずっと空けられていた最前列にもお客様が座ることができるようになり、全公演日程もつつがなく終え、本当に良かった。

 月組大ジャンプもできて、本当に満足でした。

 

 繰り返しになりますが、貴重な千秋楽を生で見られたことに感謝しています。

 

 

 

 

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