ブックパークの飾り棚、ここ1ケ月で読んだ本 | ike-masa-55のブログ

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北の地で、民族舞踊(コロナで停滞)と、読書に親しんでいます。

読書関連の記事、ほぼ1ケ月間隔があき

ちょっと長丁場です。

よかったら、お付き合いのほどを。

 

ブックパークの飾り棚

今日現在、4つの面はこれ

 

絵本くらぶ

おかねについてまなぼう

はるのえほん

学校の本

 

 

ここ1ケ月で、小説6、エッセイ1、新書1

では、怒涛の記述スタート

 

有川ひろ 「みとりねこ」



7匹の猫の物語。
一緒に暮らした猫でも
寿命が来て、別れが訪れる。

心がほっこりとする7つの短編。

標題にある「みとりねこ」の話
同じころに生まれて育った
桜庭家の次男坊・浩美と
猫の浩太の物語が
自分的にはお気に入りです。



松任谷正隆 「車のある風景」



JAF会員に届く雑誌「JAF Mate」に
長く連載されているエッセイを
1冊の本にまとめた。

クルマにまつわる出来事
人との関り
(ときどき登場する、かみさん「ユーミン」)
自身のクルマへの思い

私はクルマ好きではありませんが
興味深く読めました。



瀬尾まいこ 「掬えば手には」



大学生の梨木匠は、
平凡なことが ずっと悩みだった
中3のときに、人の心が読めるという
特殊な能力に気づいた

ところがバイト先で出会った
常盤さんは、心を開いてくれない

切なく温かい物語で、
読んでいて、目頭が熱くなりました。


<心に残った言葉>
誰かに出会って、
誰かが去っていくのは
どうしたってつらい。
だけど、
その寂しさを差し引いても、
出会わなかったほうが
よかった相手なんていない。



有川浩 「旅猫リポート」



一人(サトル)と一匹(ナナ)が見る
美しい景色
出会う懐かしい人々。
心にしみる ロードノベル


<ナナのつぶやき>

動物は命が尽きて
斃れたところで
そのまま眠るが、

死んだ後の寝場所を
用意しておくなんて、
人間はとても心配症で
不自由な生き物だね。


先日読んだ「みとりねこ」と
登場人物が重なっている。
こちらが先に刊行された作品。



養老孟司、茂木健一郎、東浩紀
「日本の歪み」



解剖学者、脳科学者、批評家の3人が
人災を天災とみなすなど
責任を追及しない日本社会の構造的な
認識の歪みについて論じ合う。


<なるほどねー>
自分たちの意思や目標ではなく
外のものにばかり合わせていた。
その原因について考えることもなく、
無自覚なまま。
それが歪みと言えるし、
歪みを解消できない理由ではないか。

人間関係を学ぶ場所が
学校しかない。

この国には、本当の意味で「公」のことを
やろうとしたら「私」でやらねばならないという
ねじれがある。

少子高齢化は一種の自然現象だから、
素直に受け止めたらいいも悪いもないはず
悪いと思うのは、経済中心にしか
みていないから。



石田衣良 「神の呪われた子」



池袋のトラブルシューター・マコトと
Gボーイズのキング・タカシが活躍する
池袋ウエストゲートパーク19、新刊

今回の難破寸前の日本の闇は
大塚ウヰスキーバブル (希少国産ウイスキー)
<私生>流失 (過激な推し活)
フェイスタトゥーの男 (高齢者を狙う強盗団)
神の呪われた子 (新興宗教二世)


<気になった言葉>
無信仰の第三者や児童福祉課は
親による宗教の強制は「虐待」だといい、
当の宗教一世は
これ以上ないほどの「愛情」だという。
1ミリも一致しない両岸のあいだで、
気の毒な子どもたちは
川底深く果てしなく沈んでいく。


このシリーズには、現代の歪が描かれ
ストーリーの随所に、音楽の描写があり
いつも一気に読み進んでしまう。



瀬尾まいこ 「夜明けのすべて」



PMS(月経前症候群)の藤沢美紗
パニック障害の山添孝俊

生きずらさを感じている同じ職場の二人は
お互いに友情も愛情も感じてないけれど
おせっかい者同士で
自分の病気は治せなくても
相手を助けることはできるのではないかと
思うようになる。


この前、この原作の映画を観ました。
映画も原作のテーマに沿って
変えた設定も、いい展開になっていて
良かったです。

 



<山添くんの独白>
パニック障害になってから忘れていたことを
この半年足らずでいくつか思い出した。
クイーンをよく聴いていたこと、
和菓子が好きだったこと、
自転車に乗るのが得意だったこと。

同時にできないことも思い知った。
映画館に入れないことも
電車の乗ることも、
まだ俺にはできそうもない。
でも、手段はある。

小説は、二人の視点で
交互に綴られていて
映画にはないエピソードが
面白く読めました。



凪良ゆう 「汝、星のごとく」



2023年本屋大賞作品。
やっと読むことが出来ました。

風光明媚な瀬戸内海の島育った
高校生、暁美と
島に転校してきた櫂
孤独を抱えた二人は
お互いを頼り、支え合う

17歳~32歳、年齢を追うごとに
それぞれの道は少しづつ変化していく。
人生を賭けた最愛の物語。


<心に残った>
まともな人間なんてものは幻想だ。
俺たちは自らを生きるしかない。

<題名に象徴された>
ーーああ、夕星。(金星)
昼と夜のあうぃの中で瞬く星に
一日の終わりを重ねて惜しむのか、
もうすぐ訪れる夜を待ち遠しく想うのか。
たった一粒の星ですら見方がちがう。


この作品、いつか映画かドラマになると思います。
どんなキャスティングになるのか楽しみです。