改正の3本柱③ 適用範囲が大幅拡大!
「うちは資本金が少ないから下請法は関係ない」そう思っていた企業に衝撃のニュースです。取適法では、適用範囲が大幅に拡大され、これまで無関係だった企業も対象になる可能性があります。
■ 最重要:従業員基準の新設
これまでの下請法は「資本金」だけで適用対象を判定していました。
しかし取適法では、資本金または従業員数のどちらかに該当すれば適用されることになります。
【適用基準の詳細】
①製造委託・修理委託・特定運送委託の場合
- 委託事業者:資本金3億円超 または 従業員300人超
- 中小受託事業者:資本金3億円以下 かつ 従業員300人以下
②情報成果物作成委託・役務提供委託(プログラム、運送、倉庫保管、情報処理)の場合
- 委託事業者:資本金1億円超 または 従業員100人超
- 中小受託事業者:資本金1億円以下 かつ 従業員100人以下
■ 具体的なケーススタディ
【ケース1:IT企業A社】
- 資本金:5,000万円
- 従業員:150人
- システム開発を従業員50人の会社に外注
→ 従来:資本金基準を満たさず対象外
→ 改正後:従業員100人超で取適法の対象に!
【ケース2:製造業B社】
- 資本金:1億円
- 従業員:350人
- 部品製造を従業員200人の会社に委託
→ 従来:資本金基準を満たさず対象外
→ 改正後:従業員300人超で取適法の対象に!
■ 特定運送委託の追加も大きな変化
もう1つの重要な変更が、対象取引への「特定運送委託」の追加です。
【特定運送委託とは】 物品の販売や他の事業者への納品に伴い、その物品の運送を他の事業者に委託すること
【具体例】
- 製造業が製品を顧客に届けるため、運送会社に配送を委託
- EC事業者が商品配送を物流業者に委託
- 卸売業が取引先への納品を運送業者に委託
これまで、製造委託等は下請法の対象でしたが、その製品の運送は対象外でした。
改正後は、製品の運送も取適法の規制対象となります。
■ 物流・運送業界への大きな影響
特に影響が大きいのが物流業界です:
- 荷主(発注者)が取適法の適用事業者になるケースが増加
- 運送業者が中小受託事業者として保護対象に
- 運賃の不当な据え置き、支払遅延などが規制対象に
■ 自社が対象かチェックする方法
以下のチェックリストで確認してください:
【委託事業者(発注側)チェック】 □ 従業員が100人超(または300人超)である
□ 製造・修理・運送・情報成果物作成・役務提供を外注している
□ 外注先が中小企業(資本金・従業員数が基準以下)である
1つでも該当すれば、取適法の対象になる可能性があります。
【中小受託事業者(受注側)チェック】 □ 従業員が100人以下(または300人以下)である
□ 上記の業務を受注している
□ 発注元が大企業または従業員が多い企業である
該当すれば、取適法による保護対象です。
■ 今すぐやるべきこと
- 自社の従業員数を確認(常時使用する従業員数)
- 取引先の規模を調査(資本金と従業員数)
- 対象取引をリストアップ(特に運送委託に注意)
- 法務・総務部門への共有(全社的な対応準備)
「うちは小さい会社だから」「製造業じゃないから」という思い込みを捨てて、改めて自社の状況を確認しましょう。