100万円の手形を現金化するのに色々な経費が掛かるというのは前回の話。

 

次のキーワードは①社員、②あなたの会社です。

 

①社員

 

いま、巷は人材不足です。

また、人材不足を補うために、いろいろ便利なサービスが出てきています。

つまり、ITに任せてしまえばよい仕事も増えてきているという事です。

 

手形を現金化するのは、資金繰り上はとても大事ですが、

その社員さんはもうITに変わってしまった仕事にやり甲斐を感じることができているでしょうか。

誰かの役に立っていると感じれるでしょうか。

 

やり甲斐感じれなければ、社員はやめてしまうかもしれません。

銀行で待ってる間に転職サイトにアクセス、なんてことも考えられます。

 

②あなたの会社

手形を受け取っている会社は、資金繰りの都合から自社でも手形を振り出していることも多いです。

 

あなたが今日売り上げた商品が、請求書を出して、手形(4カ月後)をもらって、現金化するのに5か月かかるのと同じように

あなたが、自分の仕入れ先や協力業者にもそれを押し付けているという事です。

 

そんな取引状況では、永続する良好な関係は築けません。

 

①と②が重なれば、社員も仕入先も失ってしまう、なんてことも考えられます。

 

では、お互いに良い取引ができるにはどうすれば良いか?

 

それは次回に。

100万円の手形は99万円になるという話は前回のお話。

それでは、その99万を実際に現金化するために他に何が必要か、を考えてみましょう。

 

銀行は近年ペーパレス化を進めていて、小切手や紙の手形をどんどん縮小しています。

紙の手形帳50枚は1万円もしますし、手形の額に応じて収入印紙を貼る必要があります。

そしてDX化であらゆる取引を電子化しているため、店舗で人が受付するブースがどんどん減ってきていますね。

 

さて、紙で受け取った受取手形は、会社の誰かが銀行へ持参します。

銀行に着いたら、受付カードを取り、長いこと順番を待たされて、やっと手続きを終わらせることができます。

 

ただ、そこでは、見えないコストがかかっています。

・銀行へいくガソリン代

・待機時間の人件費

電子債権であれば、少しはコストが減りますが、

人件費は計算してみると、チリツモでけっこうな金額に積みあがることになります。

 

それを差っ引くと、現金化するためのコストは1万円ではないという事です。

 

また、別の立場に立つと、恐ろしいことも想像できます。

それはまた次回に。

あなたが持っている債権は以下の通りです。

売掛金 100万

受取手形 100万

 

お客様は神様ですから、売上代金は振込でも手形でも頂ければ結構です!なんて言ってる方いませんか?

上の二つの債権を同じ価値だと思われている方、考え直しましょう!

 

会社の事業活動において、モノを買ったり、給料を払ったり、何かを消費するのに必要なものは何ですか??

 

それは、「お金」です。

 

そのお金を調達するコストは上記二つでは違います。

 

売掛金の場合は請求書を出した翌月に振り込まれてきます。

受取手形は、請求書を出した翌月に手形をもらい、そこに記載されている期間経過後に決済されて振り込まれます。

 

受取手形は、「お金になるまで時間がかかる」という事です。

 

では、その時間はどのくらいの価値なのか?

 

例えば、120日の手形を受け取った場合、現金化されるのに約4か月かかります。

例えば、会社にお金が無くて、100万を銀行から借りるとなると、3%の金利を4カ月(約1万円)を支払うことになるので、99万円になります。

 

たった1万円じゃん!って思っては間違いです。

それはまた次回に。