一歩間違うと・・・ | Parisの怒りマンボーのフランス愚痴日記

Parisの怒りマンボーのフランス愚痴日記

あこがれの花の都パリ、フランスの優雅な生活~~と現実は大違い。
8年のパリ生活で、穏やかだった私は怒りマンボーへ変身し、お馬鹿で自己チューなフランス人に怒り狂う毎日。
きらびやかなフランスのダークな面々をまきちらす、怒れるフランス愚痴日記です。

前の会社にいた時、会社に面接に来る人が、

本当にその分野のことをよく知っているのかどうかを見極めるために、

いろいろ質問する係として、採用面接に何度か参加していました。

 

その中にいたおじさん(私もオバサンなのにごめんよ音譜)。

フランスの物理だったか、理系の分野で博士号を取得した人なんだけど、

その後の人生が・・・

どうやら理系の分野での就職がなく、派遣へ突入。

派遣で勤めた会社でちょっと会計を学び、

その会社がSAPというソフトウェアを使っていたので、

SAPをちょっと学んだのだそうです。

アクサという保険会社で派遣や契約社員CDDとして1年働き、

その後半年無職で、

半年ごとに自動車のルノーに契約社員CDDとして半年働き、

またアクサにもどって半年働き、

その後1年無職で、

ルノーに戻って1年働き、

ということを繰り返していました。

なんと、50歳をとっくに超えているのに、

今まで一度も正社員になったことがないようでした。

 

でも、フランス人は

「ちょっと学びまして・・・」とは口が裂けてもいいません。

彼も

「私はSAPのコンサルタントで!」

と言い出し、でも私が質問しても何もわからない・・・

コンサルタントとしてシステムの設定ができるのではなく、

ユーザーとして伝票入力の仕方を知ってるとか、そういう感じでした。

でも

「いや!私は開発者ではないのでシステムの設定はできません。

当たり前です!でもコンサルタントです!」

「ルノーもアクサも私の仕事を評価してくれたので、何度も雇われています!」

評価されたのだったら、どうして正社員としてお声がかからなかったのか・・

と思いますが、私は何も言えませんでした。

 

この人が結婚して子供もいるのかどうかわかりませんが、

博士号を持っている人が、派遣や契約社員として、

食べつないできたなんて・・・

 

フランスでよく聞く話は、キャリアパスを誤ってしまうと、

派遣や契約社員でしか仕事がみつからなくなるのです。

長く派遣や契約社員をしてきた人は、正社員として雇われるのが、

ますます難しくなります。

 

彼は無理してでも、小さい会社で正社員を目指すべきだったのかもしれません。

旦那のいとこも、大学院卒業後、何度か派遣で仕事をしていました。

でもあるとき、面接に行った人事の人に

「派遣で仕事するのをやめなさい。どこかの正社員にならないと、一生派遣よ。」

と言われ、今の銀行に正社員として入社しました。

彼は真剣にアドバイスしてくれる人に出会えて、

しかも運よく、早く仕事がみつかったのでよかったのですが、

失業率の高いフランスで、なかなか難しいと思います。

 

そうすると、こんなフランス語が下手な外国人の私が、

フランスで正社員の仕事が見つかるのは、とってもありがたいことだなと思います。

線路に足を向けて眠れません!