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こんにちは。血液内科スタッフKです。

 

今回はBloodからで、有名なZUMA-5試験の長期フォローアップ結果をお伝えいたします。

 

Three-year follow-up analysis of axicabtagene ciloleucel in relapsed/refractory indolent non-Hodgkin lymphoma (ZUMA-5)

Sattva S et al, Blood 2024, doi: 10.1182/blood.2023021243

 

【要旨】

Axicabtagene ciloleucel(axi-cel)は自家抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であり、再発難治性(R/R)濾胞性リンパ腫(FL)に承認されている。この承認は多施設共同単群第Ⅱ相試験であるZUMA-5試験の結果に基づいており、同試験ではFLと辺縁帯リンパ腫(MZAL)を含んだR/Rのインドレント非ホジキンリンパ腫(iNHL;n = 104)患者に対するaxi-celを検証したものである。一次解析において(フォローアップ期間中央値17.5カ月)、全奏効率(ORR)は92%(完全寛解率 74%)であった。今回、ZUMA-5試験の長期アウトカムを報告する。

 

適格患者は2ライン以上の前治療歴のあるR/R iNHL患者で、アフェレーシスを受けた後にリンパ球除去化学療法とaxi-cel注入を受けた(体重1kgあたり2×106 CAR-T細胞)。主要評価項目は、今回の解析では、全ての参加患者(intent-to-treat)における、試験参加医師によって評価されたORRである。FL(n = 127)でのフォローアップ期間中央値41.7カ月、MZL(n = 31)で31.8カ月の時点で、ORRは一次解析のものと同等であった(FL 94%;MZL 77%)。無増悪生存期間中央値はFLで40.2カ月、MZLでは未到達であった。全生存期間中央値はいずれの病型も未到達であった。以前の解析後に発生したグレード3以上の興味の対象となる有害事象は、概ね最近治療された患者で起こっていた。臨床的および薬物動態的アウトカムは、直近のベンダムスチン投与と高い代謝腫瘍体積に負の相関を有した。

 

ZUMA-5試験の3年フォローアップ後において、axi-celはR/R iNHL患者において変わらずに持続する治療反応を示し、2年を超えての再発は非常に少なく、安全性についても管理可能であった。

 

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ZUMA-5試験の長期フォローアップ結果でした。3ライン目以降という難しい患者群ですが、リンパ腫組織型にかかわらず良好な奏効が確認されました。興味深かったのは、axi-cel投与と前治療でのベンダムスチンとの関連で、ベンダムスチンの前治療がないもしくは間隔が長いほうがaxi-celの無増悪生存期間が長そうな点です。このデータに関しては現時点で確定的な事は言えませんが、もし二次治療の反応性に影響が出てくるのであれば、初期治療の内容から考え直す必要があるのか?将来的な検証が待たれます(治療する前から再発時のことを考えるのもどうかという気もします)。

 

おまけ

 

 

豚もも肉ブロックのポットローストです!