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こんにちは。スタッフTです。
 

今回は「別に最新というわけではないけれど気になって探してみた論文」ということでこちらの論文を紹介します。
 

Identification of seasonal variation in the diagnosis of acute myeloid leukemia: a population-based study

Sánchez-Vizcaíno F et al, Br J Haematol 2022, doi: 10.1111/bjh.18279

 

臨床をしていると「新規白血病症例には、来る・来ないの波があるのではないか」と感じることがあります。単なる偶然と思っていたのですが、「実際、本当に季節性があるんじゃない?」というのを調べたのがこの論文です。
 

【目的】
急性骨髄性白血病(AML)診断の季節性および長期的な傾向を全人口および年齢・性別のサブグループに分けて解析した。
 

【方法】

2004年から2015年のスペインの退院レジストリーのデータを元に、多変量ポアソン一般化線形自己回帰移動平均モデリングを使用して解析した。

 

【結果】
26,472ケースのAMLが対象となった。長期的な傾向としては、AMLの年間発症率は毎年0.4%ずつ増加していた(95% CI 0.2%-0.6%)。季節性としては1月が最もAMLの発生率が高く、一番差の少ない2月とは発生率に7%の差があり(95% CI 2%-12%)、一番差の大きい11月・8月と比べると16%もの差があった(11月:95% CI 11%-21%、8月:95% CI 10%-21%)。この傾向は年齢・性別のサブグループ解析でも残存していた。
 

【結論】

AMLの発生には強い季節性があり、このことはAMLの発生に季節性の何らかの要素(感染や環境)が影響していることを示唆する。もしかすると何らかの予防ができるようになるかもしれない。

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1~2月にAMLの発症が多いという結果でしたが、このブログを読んでいる皆さんの印象はいかがでしょうか。発症に影響するものが何なのか大変気になる論文でした。

おまけ

 

 

ジャガイモチヂミの画像です。大変美味しかったです。