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こんにちは。血液内科スタッフYです。今回はBr J Haematolから選んでみました。

 

Minimal relapse risk and early normalization of survival for patients with Burkitt lymphoma treated with intensive immunochemotherapy: an international study of 264 real-world patients

Jakobsen LH et al, Br J Haematol 2020, doi: 10.1111/bjh.16425

 

【背景】

バーキットリンパ腫 (BL) は非ホジキンリンパ腫の中で最もアグレッシブなB細胞性リンパ腫のうちの1つであるが、治療強度の高いレジメンに反応し、臨床試験でその有効性は証明されている。しかし、実臨床において高齢者など臨床試験に含まれない患者では定かではなく、今回、BLにおける治療強度の高いレジメンを施行した際の再発率やリスクを検討した。

 

【方法】

リツキシマブを併用した化学療法(DA-EPOCH-R, R-hyper-CVAD, R-CODOX-M/IVAC, R-BFM/GMALL)を施行した18歳以上のBLと診断された患者を対象とした。治療効果はCTもしくはFDG-PETで評価された。

 

【結果】

6ヶ国の264人の患者が対象となった。治療の内訳はR-CODOX-M/IVAC療法(47%)、R-BFM/GMALL(25%)、R-hyper-CVAD(16%)、DA-EPOCH-R(11%)であった。108人(44%)がFDG-PETで評価され、全奏効率(ORR)は89%(85% CR/Cru, 4%PR)であった。追跡期間の中央値は54ヶ月(95% CI, 50-62)、2年後の全生存率(OS)および無イベント率(EFS)はそれぞれ84%、80%であった。年齢別の2年後のOSは40歳未満、40歳-59歳、60歳以上でそれぞれ92%(95% CI, 87-97%)、83%(95% CI, 75-91%)、72%(95% CI, 61-83%)であった。年齢およびLDH上昇が、EFSおよびOSの悪化因子であった。223人のCR/CRu患者を追跡した。そのうち2年間の再発は6%(95% CI,3-10%)、寛解後無病生存期間が6ヶ月(pEFS6)を達成した患者(202人)、12ヶ月(pEFS12)を達成した患者(189人)の2年間の再発率は3%(95% CI, 0-5%)、0.6%(95% CI, 0-2%)であった。2年間のpOSは全患者で92%(95% CI,89-96%)、pEFS6達成患者で96%(95% CI,93-99%)、pEFS12達成患者で98%(95% CI, 95-100%)であった。

 

【結論】

成人のBLの実臨床では、治療強度の高いレジメンでの治療で良好な成績であった。特にpEFS12の患者の再発リスクは低く、平均寿命は一般人とかわりなかった。これらの結果は患者のフォローアップの方法を決定するのに重要な結果になると考えられる。

 

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BLの実臨床での治療成績と、2年間追跡した報告でした。治療後寛解し、12ヶ月間再発のなかった患者さんの成績は健常者とかわらず、かなり良好な結果となりました。BLの治療は強度が強く、治療期間も長いため患者さんにとってはかなりつらい治療です。しかし、今回の結果は患者さんと治療をすすめていく中でも一つの目標、指標となると思います。

 

おまけ

 

 

きつねそばです。博多に用事があった時に寄りました。シンプルなように見えますが、とろろ昆布と生卵をトッピングしました。実はこれ2人前なんです。体力をつけるためにトッピングに工夫して2人前をペロッとたいらげました!