今日のイイ男・イイ女 -40ページ目
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先日の連休に大分の実家に帰った際、姉と私は母に"あるもの"を渡された。

     box2

桐の小箱に入ったソレは、「へその緒」だった。

今さら、何故?

母が言うには「私が死んで、あなたたちが”へその緒”のしまい場所もわからなければ困るから」だそうだ。

もうひとつ驚いた事がある。

姉と私の間には生後1歳で亡くなった「もうひとりの姉」がいて、

彼女の小箱の中にだけ”へその緒”の下に白い紙に包まれた髪の毛が納められていた。

それは栗色で艶やかでやわらかい髪だった。


その場にいた母と姉、姪と私の間に不思議な空気が流れた。

「もうひとりの姉」のへその緒は今、仏壇の中にある。


帰福する車の中で姉が言った、

「あなたも持って帰ってるよね、へその緒」

「うん、バッグに入ってる・・・私、お母さんがあんな事を言うから悲しくなった」

そう言いながら私はバッグの中の小箱を握りしめていた。


へその緒が、奥の部屋の箪笥の引き出しの上から2段目に入ってる事を姉は知っていたという。


父が亡くなって今年で10年目、母はまだ70歳にもなっていない。


実家でひとり暮らしだが友人もたくさんいて、毎日バレーだゲートボールだカラオケだと愉しんでいる母を見て安心していた。

そんな母が箪笥の引き出しからわざわざこの小箱を取り出し、私たちに渡そうとするのは「いつしか訪れる旅立ちの日」を意識するようになったからだろうか。


気丈な母は、きっと自分の最後を準備しておくような人だ。


「ねえ、これ、次に帰るとき箪笥にそっと戻さない?」

姉が言った。

「うん、私もそうしようと思ってた」


3人の「へその緒」を一緒にできるのはひと月かふた月先になるだろう。


決して長寿の家系ではないが、母には長生きして欲しいと思う。

願わくは旅立つ日まで「その後のこと」など考えずにいて欲しい。

写真家 塩谷賢作

誰もが一度は思うであろう。

「本能の赴くままに生きてみたい・・・」

それが出来ないのは、

勇気が足りないからだろうか。

保身をはかるからだろうか。


斯くいう私もそのひとり。


数年前にスイスを旅したとき、

ここで「食べ物屋」を開き、毎日山を眺めながら人々に食事を出す事ができたらどんなにいいだろうと真剣に考えた。

しかし、現実を考えるとそうもいかなかった。


友人に写真家がいる。

彼の名は、塩谷賢作(シオヤ ケンサク)

今、リトアニア(バルト三国の最も南に位置する国)で暮らしている。

昨年の秋、突然リトアニアに渡り、3ヵ月後に帰ってきたときには移住を決めていた。

旅立つ前に彼は言った。

「今回向こうに行くことで、仕事も人生も大きく変わる気がする・・・」と。

先週再びリトアニアへ渡った彼は、現在、会社設立とヴィザ申請の手続きをしている。

写真を拠点に、リトアニアと日本をつなぐ架け橋となる事業を始めるようだ。

彼の尊敬すべきところは、自分がやりたいと思うことに対して”言い訳”をしてあきらめないところ。


リトアニアが、訪ねてみたい国のひとつになった。
spring summer
autumn winter
jazz ageha cat
Photo By Kensaku Shioya

Offisial Website Studio Aika

松田朴伝 氏

bokuden

無彊福(かぎりなきふく)「つきせぬ幸福」/松田朴伝 作


この書をいただいたのは、今年に入って松田朴伝 氏のもとを訪ねた時。

わざわざ用意してくださっていました。

”JR九州駅長おすすめの「ゆ」”のポスターを手がけた方で、

九州の方は「ゆ」の文字が記憶に残っている人も多いと思います。


ご自宅とは別に教室として借りていらっしゃるマンションの一室は赤と黒をポイントにしたインテリアで、ご自身も赤と黒のファッション。

お茶を入れていただいた急須まで赤かったのには、さすがに驚きました。


お会いする事が出来たのは、朴伝氏の「書」と「創作帯」のコラボレーションという企画がきっかけでした

生み出す現代アートからは人を惹きつける魅力があふれ、ご本人は人を包み込む温もりであふれています。


無彊福(かぎりなきふく)「つきせぬ幸福」

この書を眺めるたび、安らかな気持ちになれるのです。

桜の花が満開になり、人々の目を楽しませてくれる。

可憐さ

華やかさ

妖艶さ

人それぞれに桜の花を愛する理由があると思う。

開花の時期は長くて2週間ぐらいだろうか。

雨が降れば一気に散ってしまう儚さも持ち合わせている。


桜の花のどこが好きかといえば

「潔さ」。

散った花びらさえも美しく、そのあとに新緑の葉を携える。

冬の間、誰からも振り向かれる事なく開花のためにエネルギーを蓄えて、1年の中のわずか2週間に全てを注ぐ花だ。


春という出会いや別れの季節に、人々の心にもそっと思い出を咲かせるのだろう。


sakura3


桜東長寺 の桜桜

心に響く言葉

真夜中に号泣した。

失恋したからではない。

返却日が迫ったレンタルDVDを観てしまったから・・。


「私の頭の中の消しゴム」

確か1年以上前にヒットした映画だ。

ラブストーリーという事もあって、あまり期待はしていなかった。

・・・が、見事に「私の頭の中のツボ」にハマってしまった。


主人公の女性がアルツハイマーにかかり、愛する人の顔も、声も、想い出も、すべて忘れてしまう・・・。

韓国映画(ドラマ)にありがちな”愛と悲劇の二重奏”なのだが、

主役の2人(チョン・ウソン ソン・イェジン )の演技が素晴らしい。

特にソン・イェジンの表情や仕草は、女性の私から見てもとても自然で可愛らしかった。


ソン・イェジン扮するスジンの台詞に心に響く言葉がある。

”許しとは、心の部屋をひとつ空けること”

とても奥の深い言葉だ。


心の家を建てられる人になり、

人を許すために、その部屋をひとつ空ける。


それは、決して忘れる事ではなく許す事なのだろう。


私の頭の中の消しゴム/チョン・ウソン
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安藤美姫

フィギアスケート世界選手権が幕を閉じた。

25日、エキシビジョンで絢香の歌声と共に銀盤を舞った安藤美姫

その笑顔はとても美しかった。


今回の大会は、どうしても彼女に勝って欲しいと願った。


24日のフリーの演技が始まる。

前日のショートプログラム5位からスタートの浅田真央、

ショートプログラム1位の金妍児(韓国)を追いかける2位の安藤美姫、最終組がスタートする前の滑走をテレビで見ていた。

その時、何故だかわからないけど安藤美紀が優勝すると確信した。

メンデルスゾーンの曲にワインカラーの衣装、

高いジャンプ、ダイナミックな滑り、

それに女性らしい優雅な動きが加わっていた。

14歳のとき、女子では初めて4回転ジャンプに成功した。

ニュースで見た彼女はあどけない顔をした女の子だった。

トリノオリンピックでは振るわない成績にバッシングを受け、

スランプとも言われた。

19歳の若さで大きなプレッシャーと闘いながら真っ直ぐに進む安藤美姫を他のどの選手よりも応援したいと思った。

自己最高の得点を出し、優勝を飾った彼女の瞳から大粒の涙がこぼれた。



ひとまわり大きくなった彼女、、今度は自分の思うように4回転ジャンプを跳んで欲しい。



Little Wings編集部
little wings―新世代の女子フィギュアスケーター8人の素顔

氷上の妖精たち(安藤美姫ほか) 2006年度 カレンダー

全国亭主関白協会

きっかけは今月号のリセット (フリーペーパー)に掲載されたコラム

10秒のキス

読み終えて涙が頬を伝うのを感じ、

何度も読み返しました。


作者は同誌プロデューサーであり、全国亭主関白協会 会長としてもマスコミで話題の天野周一氏。

正直言って「全国亭主関白協会」の天野氏にさほど興味はなかったのですが、「10秒のキス」を書いた天野氏には会ってみたいと思いました。


タイミングよく昨日3月17日はさみしーなオヤジの日(?)らしく

全国亭主関白協会'07全国大会in福岡と題した講演会と

シンポジウムが開催されました。

仕事で取材と撮影が入っていたため、第一部の天野氏の講演には間に合わなかったのですが、第二部のシンポジウムが始まる前に会場に辿り着きました。


満席の会場は笑いに包まれ、体験談・シュプレヒコールの第三部が終了するまであっという間の2時間。


・・・世界平和は、家庭(夫婦)円満から・・・

亭主のいない私もミョーに納得。

全国亭主関白協会のノウハウ(?)は、4月に施工される年金分割制度を前に熟年離婚を減少させるワクチンになる事は間違いないでしょう。


10秒のキスを書いた天野氏に会えて(正確には見ただけ)とても嬉しい一日でした。


そして、もうひとつ感じた事があります。

男の人には”仕事の顔”や”遊びの顔”などいろいろな顔があるけれど、

きっとどんな人も持っているに違いない

”心の奥底にしまってある優しくて切ない顔”があることを。


ドキドキぷらすあるふぁドキドキ


講演会チケットを用意してくださったリセット出版 の美人ディレクターのIさん、本当にありがとうございました。

今度ぜひ天野氏に会わせてください。(笑)



妻の顔は通知表――新! 亭主関白宣言。/天野 周一
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天野 周一

天野 周一
妻害対策危機管理マニュ・あれ?!―全国亭主関白協会

好きにしてください

「今日はどうされますか?」

行きつけの美容院の店長である彼が私に聞きます。

椅子に座る前まではいろいろと考えていたのです、、、が、

私の口から飛び出した言葉は、

”好きにしてください”

この美容院に初めて来たのは、多分1年ぐらい前。

店長である彼と、女の子の2人だけのこじんまりとしたお店です。

大手の美容院にありがちな「流れ作業」が嫌いな私は、

2人の雰囲気と、手作りっぽいインテリアが気に入ってしまいました。

そして、何よりも彼の

”さりげない中にキラリと光るセンス”

”謙虚且つ大胆な手さばき”

に惹かれたのです。

今まで何度か行った美容院で、時おり私はこの言葉を口にします。

”好きにしてください”

大抵の美容師は、ある程度無難なカットを選びます。

そして今回、彼がどうカットするのかとても楽しみでした。

店長 「結構切ってもいいですか?」

私   「ええ、好きにしてください、あとで怒ったりしませんから」

店長 「と言って、次回来なかったりして・・・」

私   「過去にそういうコトはありました。(^_^;)」

店長 「まぁ、それはそれで仕方ないです」

床に落ちた髪の長さは10センチ以上。

鏡に映った新しい自分に笑顔を送り、美容院を後にしました。

この日学んだ事。

イイ男は、失う事を恐れるよりも

可能性に賭けるのでしょう。


※美容院の名前は、福岡市博多区美野島にある「ART-TRAP」


女が年齢を重ねたら・・・

「女が歳を重ねたら、お金をかけるか手間をかけるしかない」

つい最近、古希を迎えた素敵な女性の言葉です。


70歳を迎えたとは思えぬ行動力と美貌で日本全国をかけ巡るその方は、仕事で出逢った”帯結びの第一人者”。


一日休みがあると、ちょっとゆっくりしようかと思うらしいのですが、二日も休みがあると体がヘンになるとの事。


常に新しいことに挑戦し、仕事を楽しんでます。


とにかくお会いする度にものすごく大きなパワーをいただくのです。


こんな70歳に出逢ったのは初めて!



目標とする女性ですね。



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