ミャンマー マンダレーにて医療セミナー開催! | IIMA公式ブログ

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一般財団法人IMS国際医療支援機構

ミャンマー マンダレーにあるCity Hospitalよりセミナー開催の依頼があり、2017929日~30日にIMSグループ横浜旭中央総合病院院長の山中太郎先生に講演会と内視鏡セミナーを行っていただきました。山中太郎先生のプロフィールは下記をご参照ください。

https://www.ims-yokohama-asahi.jp/med-dept/naika/shokaki-naika.html

 

City Hospitalはマンダレーにある最大手の民間病院であり、定期的に若手医師・看護師を対象としてContinuous Medical Education」(CME)という勉強会を行っています。この勉強会にはシンガポールやオーストラリアなど海外の医師を招いており、一病院だけではなく、周辺のグループ病院からも多くの方が参加しています。今回はこの勉強会での講演と、シミュレーターを用いた消化器内科医向けの内視鏡技術のレクチャーを行いました。

 

講演会(CME)

日時:2017929日(金) 14001600

参加者:80名(医師、看護師、コメディカル)

講演テーマは「日本の医療の歴史」「抗生剤の使い方・多剤耐性菌について」「ウィルス性肝炎の治療と診断」という3つの内容を盛り込んだものとなりました。山中太郎先生の講演は通訳を交えず、全て英語で行っていただきましたが、熱のこもった口調で所々笑いを交えながら聴衆に語りかけるようで、最初から聴衆を引き込み、参加者は非常に興味深く聞いていました。会場は最初から最後まで非常に盛り上がっており、参加者は熱心に聞いていました。質疑応答でも医師からも看護師からも手が挙がっていましたが、現地病院の方によると非常にシャイなミャンマー人の性格からするとこのように手が上がるのは珍しいことのようでした。

 

内視鏡セミナー

日時:2017930日(土)10001230

参加者:10名(消化器内科専門医5名、若手医師5名)

マンダレーにはERCPができる医師が2名しかいないなど、内視鏡技術に関するレクチャーの要望があったため、日本から内視鏡トレーニング用の上部消化管モデルを持参し、意見交換とともに手技のセミナーを行いました。当初、専門医2名程度に対するレクチャーを予定していましたが、前日の講演会が好評だったこともあり、マンダレー総合病院の教授や准教授を含めた10名が参加することとなりました。

山中先生によると内視鏡はスライドなどで説明しても分からないので、とにかく実践しかないとのことでした。そのため、すぐにシミュレーターを使って実践し、山中先生が見本を見せて、その後各医師が実践をし、山中先生がアドバイスをするという形で行いました。

初めはぎこちない様子だったミャンマー人医師たちも山中先生がアドバイスをすると、ぐんぐん上達する医師もおり、これまでにしっかりとした教育を受ける機会が無かったことがよくわかりました。

ミャンマーでは医師が慢性的に不足しており、ミャンマー人医師は早朝から夜遅くまで、また土日も働いており、先輩医師が現場で十分に指導できる環境にはないとのことでした。

人口千人当たりの医師数は日本の5分の一、看護師数も日本の10分の一であり、現場での教育環境がほとんどない状態に等しい様子でした。

今回のセミナーが大きな刺激となったことは間違いございませんが、自分たちで成長できる環境を整えていくためには、今後もミャンマーでの医療支援を続けていきたいと考えております。