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飯塚病院 漢方診療科のブログ

漢方診療科へようこそ♪

今回から、新シリーズ「部長のつぶやき」が不定期で始まります
部長自ら筆をとりますお楽しみください



部長のつぶやき その1



「桜が散る前にと思って夜桜を見に行きました。」
「何かあったんですか?」
「ええ、ネットで検索して厚着は良くないって書いてあったので、薄着で出かけて風邪を引きました。」

我々は病気を起こす原因のうち気侯などの外的因子を「外因」と呼んで注意しています。

こうした季節の変化にも注目しますが、社会的な出来事も身体に大きな影響を与えるようです。

「腰が痛くなりました。」
「何かあったんですか?」
「ええ、ソチオリンピックで結弦君がいつ出るだろうと同じ姿勢で待っていたら、腰が痛くなりました。」


暴飲暴食、不摂生は「不内外因」と呼んで自重が求められます。



「脚が痛くなりました。」
「何かあったんですか?」
「ええ、消費税が上がる前に買い物をと思ってお店を歩きまわったら脚が痛くなりました。」


欲を出すとかえって費用がかさむものです。
少々ニュアンスが違うのですが、心の葛藤で生じる心身の不調の場合は「内因」と呼ばれ、心の平穏が求められます。

みなさんこんにちは

2014年1月28日(火)に、和漢食料理教室が開催されました。


今回のメニューは、

・玄米ご飯
・豆乳鍋
・ごぼうと里芋のポタージュスープ
・わかめの生姜和え
・こんにゃくソテー

でした!






調理のデモンストレーション。





そして、完成です




和漢食は、栄養科の方々がいつも大変おいしいメニューを考案してくれるのですが、

今回のメニューは、個人的にナンバーワンのお気に入りになりました!!


特に、ごぼうと里芋のポタージュと豆乳鍋が、

すごくすごくおいしくて・・・!


こんなにおいしくて健康になれるなら、

お金を払ってでも食べたいです。

自分で作りなさいという声が聞こえてきそうですが・・・


病院の食堂に、和漢食があれば嬉しいのになぁ



★和漢食についてはこちら
・マクロビ?食養生?いえ和漢食です。

★和漢食DVDの購入はこちらから
・和漢食DVD 

★和漢食料理教室
・料理教室HP




明けましておめでとうございます


新年最初の漢方診療科ブログは、

漢方薬のなかでおそらく一番有名だと思われる、

葛根湯についてです


「ぞくっときたら、葛根湯」なんてキャッチコピーもあったと思いますが、

葛根湯は、風邪のひき始めでよく使われる漢方方剤です。


(風邪症状に使用される漢方薬には沢山の種類があります。

風邪を引いて23日までの急性期かそれ以降か、

どんな症状や診察所見があるかによって使い分け、時には数種類を併用します。)


葛根湯を使う目標として、

①風邪のひき始め
②寒気や熱・喉の痛みなどの風邪症状がある
③首の後ろが凝った感じがする


などが特徴的です。

③により、肩こりの薬としても応用されます。

このような自覚症状を参考とする他、漢方の診察では、脈や舌やお腹を診ますが、

特に風邪のときは脈を重視します。


風邪のひき始めには上記のような症状となることが多く、

「ぞくっときたら・・・」だけで使っても当たることはありますが、

症状に注意して使うと効く確率がグッとUPします 


また、「麻黄」というエフェドリン含有生薬を含んでいるため、

不眠・胃腸虚弱・前立腺肥大などの方は注意が必要です。


ちなみに、「葛根湯医者」という落語がありまして、

これは何にでも葛根湯を出すヤブ医者のお話だそうで・・・ 


漢方薬の飲み方については、過去記事の

意外と知らない!?漢方薬の飲み方(エキス製剤)

・煎じ薬の飲み方

をご覧ください

 

 

10月22日(火)に、秋の和漢食料理教室が開催されました

※和漢食ってなに?という方はこちら ↓↓
過去記事:マクロビ?食養生?いえ和漢食です!
和漢食料理教室HP
 

調理のデモンストレーションです。

 


今回のメニューは、

・玄米ご飯(さつまいもご飯)
・椎茸の陣笠焼き
・三色煮物
・納豆汁
・もずく酢

でした

 


秋らしいメニューで、とってもおいしくいただきました



次回の和漢食料理教室は、1月28日(火) 10:00~です。


なお、和漢食料理教室の参加申し込みは、
漢方診療科に通院中の患者様およびそのご家族に限らせて頂いておりますので、
何卒ご了承下さい

参加ご希望の患者様は、漢方科主治医までどうぞ


料理教室に参加したいけど通院してない、したくない、家が遠い!
そんな方には、、
大人気!和漢食DVDもあります


ある火曜の夕方、漢方診療科での勉強会の前、
皆が集合したけどまだ始まらないのんびりした時間


T原部長
「陰と陽についての講義でスライドを作るのだけど、上手く陽証~陰証への移り変わりを例える画像はないかな?」


陰と陽、これは漢方で非常に大事な概念で、
ごくごく簡単に言うと、


陽の病態(陽証):熱性、活動性、発揚性
陰の病態(陰証):寒性、非活動性、沈降性

という性質があります。

陽証はそれぞれ太陽病・少陽病・陽明病に、陰証は太陰病・少陰病・厥陰病に分けることができ、
つまり病気は陰陽で単純にわけると全部で6パターンあるのです。
(合病・併病という考えもありますがここではその話は置いておきます)



病気というものは発症してから徐々に病態が移り変わっていくもので、
最初は陽証の病態であっても、長く患ううちに陰証の病態へと移り変わっていきます。

 
とまあ、そのようなの移り変わりを視覚的に表現できる良い例えは無いかなあと、
皆で考えることになった訳です。



T原部長「つまり、始めは温かいから冷ましたほうが良いんだけど、時間が経つにつれて冷えてきて逆に温めなければいけなくなるものは、何だろう?」


まず挙がったのは「北風と太陽」という童話。
確かに、始めに北風が男性を寒がらせて、次に太陽が温めるという順序は合っている。

 



次に「おもち」
冷まして乾燥させて保存食にするけれど、食べるときには温めなければいけない。

 



「冷凍食品」
おもちと同じような理由。


「お風呂・温泉」
始めは熱くて少し冷まさなければ入れないが、そのうちぬるくなって加温が必要になる。


うーん、何となくは伝わるけれど、どれも今ひとつしっくり来ませんでした。




もうアイディアは出ないかと思われたとその時、
I上先生がおもむろに、

「恋愛・・・」

と言いました。

「始めは、アツアツだけれど、時間経過とともに冷めてきて、上手く継続するには温める必要が出てきますね。陰陽の移り変わりと同じですね」




深イイ・・・のか?



ここで議論は終了し、何だか心がザワザワしたまま、勉強会が始まりました
皆どこかうわの空のような、いつもより気だるい雰囲気の勉強会だったのは、気のせいではないでしょう。。



結局どの例えが採用されたのかは、わかりません






みなさんこんにちは

とっっても暑い日々が続いていますが、元気にお過ごしでしょうか?


去る7月23日に、和漢食料理教室が開催されました

※和漢食については過去ブログ参照 
マクロビ?食養生?いえ和漢食です!
和漢食料理教室


栄養士さんによるデモンストレーション。
皆さん質問をしながら、熱心にメモを取られていました


 

圧力釜で炊き上がった玄米ご飯。
ふっくらおいしく炊けています




メインの煮込みも完成して盛り付けです。
色鮮やかで食欲が増しますね

  

完成 

 

今回のメニューは、

・玄米ご飯
・カレー風煮込み
・春菊と人参のくるみ和え
・しいたけとレンコンの和え物
・南瓜のクリーム煮


でした

出来上がった和漢食を食べながら、
聞きそびれたこと、気になったことを質問したり、
参加者さん同士で情報交換したり、感想を言い合ったり


とってもボリュームがあり、食べ切れない方もちらほら。
でも、これでたったの500kcalなんです

続けたい・・・できれば毎日食べたい・・・
でも色々ルールがある中でメニューを考えるのが面倒・・・

そんな私のような方には、四季のメニューがそろった和漢食DVDもあります
ネット販売もしています。    こちら→ 和漢食DVD



和漢食料理教室、次回は10月22日(火)に開催予定です。

定員10名(先着順)なので、お申し込みはお早めにどうぞ

※なお、定員の関係上、参加者は漢方診療科を受診中の患者さんとそのご家族の方に限らせていただいておりますのでご諒承下さい。


漢方診療科ではたまに、

朝の勉強会のあとに、漢方薬の試飲会をやっています

 


1番と2番、それぞれどんな漢方薬でしょう??

と、飲んでみて当てるんですが・・・

実はこの2つ、三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)という同じ漢方薬なんです



でも、1番と2番、見た目がまったく違うじゃないかって?

色の秘密は、煎じ方の違いなのです



以前、煎じ薬の飲み方というタイトルで書いたとおり、

通常の漢方煎じ薬は、40分間グツグツ煮て作ります。


そうやって作ったのが1番。

色の薄い2番は、「振り出し」という作り方をしています。


「振り出し」とは、まるでお茶のように、

茶こしかガーゼで包んで、熱湯につけて3分くらい揺するだけです。

そうすると、こんな風にきれいな黄色になります



三黄瀉心湯は、黄連、黄ごん、大黄の3つの生薬から成り、

のぼせが強くて便秘傾向の病態に対して使う薬です。

高血圧、頭痛、鼻血などに応用されますが、

熱性症状、出血症状が強かったり、症状が急性だったりする場合には、

振り出しで作り、冷やしてから飲んでもらいます。



こんな、変わった飲み方をする漢方薬もあるんです


体が熱を持っている、いわゆる陽証の方でも、

暑い夏の日でも、

これなら飲みやすいですね


おひさしぶりです

ブログ更新が滞っていて、ごめんなさい

これからまた月に数回のペースで更新していけたらと思います


漢方科では新任の先生方の歓迎会が行われたばかりですが、

その前に、

3月某日に行われた送別会の写真を載せたいと思います



*岩永先生*

漢方科の診療部長だった岩永先生。

外科のDrだったという経歴を持ち、漢方だけでなく世界の伝統医学にも詳しく、
グローバルな視点を持った、エコでロハスな先生でした

世界中の空気をたっぷり吸って、またふらっと漢方科に現れてくれるような気がします

 


 
 
  
生薬勉強会のあと、部長とのツーショットです。

  

 
 
 
 

*吉村先生*

元々高知県の地域医療をしている先生で、一年間限定で漢方診療科にいらしてました。

漢方という武器を手に入れ、ますます地域医療に貢献されることと思います

漢方科の宴会部長でもありました

 


麻生飯塚漢方診療研究会で教壇に立つ吉村先生。

 


  
*立蔵先生*

半年間の漢方実習医としていらしていました。

もともとは小児科の大ベテランの先生です

自家製乾姜を作ってきたり、本当に漢方の勉強を楽しんでいらっしゃいました

 
 


*野見山さん*

漢方科のクラークとして漢方科をずっと支えてくれていました。

実は飯塚病院の勤務○○年と漢方科の誰よりも先輩でした

長年の勤務本当にお疲れ様でした
 
 
 




送別会の2次会終わりの、集合写真。

 
  
  





4月からは新しい先生も来られ、

漢方診療科はまた新体制で頑張っています 






 

みなさん、こんにちは


今回のブログは漢方診療科の吉村が担当させていただきました。

先日、ブログ管理者のNewひろみ先生から、
「最近色々忙しくてブログ書くのが大変なんですよ~。記念に一度ブログ書いてみませんか?」
とよく分からないキラーパスを放たれました
休憩室で暇そうに座っているのが目に付いたようです・・・。

 

それはさておき、漢方診療科では、1月某日に恒例の新年会が開催されました。

司会は漢方診療科D倉先生の予定でしたが、外勤で到着が遅れていたため急遽Y野診療部長が司会代行を務めてくださりました。
 

 

まずはT原部長の挨拶です。

 

今年はT原部長体制になり3年目です。
挨拶の中で
T原部長は3年目と言うことで「3」にちなんだ言葉・ことわざを挙げて、今年の抱負を述べられました

 

・石の上にも3

・桃栗3

3年寝たろう(3年目に灌漑工事に取り組み実績を残したようです)

ここまでは良かったのですが、

3B組み金八先生(?)

3年目の浮気(これはまずいのでは・・・)

 

続いて、お世話になっているK病院の院長先生より乾杯の音頭をとっていただき、宴会がスタート

 

そして皆さんしばしご歓談


 
 
  
 
  
  

 

 


  

この間に、飯塚病院副院長兼薬剤長、K薬局代表取締役から御挨拶をいただきました。

 

そして時間はあっという間に過ぎ去り・・・

最後は、M東洋クリニック院長 I先生よる万歳三唱で閉会となりました。

 

閉会後に仲良く並んでカニを食べるY野診療部長とM東洋クリニックI院長。
 

  
  

その後は有志数名で2次会へ・・・。
あれよあれよと言う間にワインが
5本空き、みんな良い気分

更には3次会へ・・・。詳細は書けません。

 

皆さん1日お疲れ様でした

では今年も1年頑張りましょう!

嘔吐下痢症に対する漢方の最終回です。

今回は,陰症の下痢に使われる方剤についての

具体的な使い分けをご紹介します



①大建中湯(だいけんちゅうとう)

構成生薬:人参,乾姜,山椒,膠飴

下痢,腹痛,腹部膨満感などがあり,冷えで症状が悪化する人に使います。
大建中湯が効く人は,おへその辺りを触るとひんやりしていることがあります。



②人参湯(にんじんとう)

構成生薬:人参,乾姜,甘草,白朮

陰症の嘔気・下痢に使います。
みぞおちの不快感がある場合が多いです。


③真武湯(しんぶとう)

構成生薬:茯苓,芍薬,白朮,生姜,附子

冷え,水様性の下痢が主体の時に使います。
また,雲の上を歩いているようなフワフワしためまいがある時にも効きます。



以上,4回にわたって,嘔吐・下痢に対する漢方についてをお送りしました


陰証の下痢と陽証の下痢の特徴,

そして,それぞれによく使われる処方の特徴を知っていれば,

より一層,その人に合った漢方薬を選ぶことができますね