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飯塚病院 漢方診療科のブログ

漢方診療科へようこそ♪

はじめまして。

20164月から当漢方科に赴任しました、Gです。

漢方ドクターGへの修行の道のりをブログに記載するよう指令を受けましたので、これから度々アップしていきたいと思います。

 

4月、新しい職場ということで、割と緊張して飯塚病院にやってきました。

世に珍しい総合病院の漢方診療科ということで、イメージとしてはショッカーの組織をイメージしていました。

(首領:T部長、大幹部:Y先生、色々な怪人:その他の先生たち)

 

でも、何だか思っていたのと雰囲気が違いました。

実際はとても和やかな雰囲気で、皆仲が良く、私もまるで以前からここにいたようなつもりで居場所を確保することができました。

 

診療風景は、一人ひとりに時間をかけ、ゆっくりとした時間が流れています。

全体的にはゆっくりなのですが、時々スピード感があります。

T部長の診療にはちょっと変わったテンポがあるのです。

明るい会話で患者さんを和ませ、話を引き出す。そして、怒涛の如くclosed questionでたたみかけます。その結果、患者本人も気づいていないような生活習慣を聞き出し、治療につなげます。(患者さんやほかの先生たちからは「尋問」と言われています)

回診では患者さんのベッド近くにあるものから生活習慣や嗜好を推測することもあります。(「捜査」と言われています)

 漢方診療には生活習慣や嗜好の把握が必須だと学びました。

 

さて、診療についてはT部長をはじめ、色々な先生の診察を見せてもらっているのですが、新しく学ぶことが多く、刺激的です。本で学んで、これまで実際に診察時に行っていたことも全く別の形に生まれ変わります。

 

たとえば振水音、これはなぜチャポチャポするのか?

水と空気が同時に胃に存在しないと音がしないと教えてもらいました。

これまでは胃の動きが悪いときの症候なんだろうなぁと思っていました。

 

家に帰ると生後2ヶ月の赤ん坊がいます。

ミルクをあげると、その後は起こして背中をさすります。すると「ゲフッ」とします。

この「ゲフッ」の前後で確認していることがありました。体を揺すると、「ゲフッ」の前はチャポチャポして、後はチャポチャポしません。

やはり空気がないと、胃が液体で満たされているだけでは振水音はしません。

振水音に空気は必要です。

 

しかし、ミルク後に毎回「ゲフッ」が出るわけではありません。頑張っても出ないときがあります。そんなときは、少し後にチャポチャポが自然になくなり、更にあとに排ガスが多くなります。子供を育てた方には想像しやすいことだと思います。

 

ここで分かったのは、普通の人は胃腸の運動が良く、長い間チャポチャポすることはない。そして溜まった空気は、お腹が張ることもなくガスとして出て行く。

胃と腸がキチンと動いていれば、振水音がすることもなく、ガスでお腹が張ることもないんだな、と実感できました。

 

新しい知識だけではなく、知ってるつもりのことを楽しく再確認できて良かったです。

 

 

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みなさん、お久しぶりです

すっかり秋めいてきましたね

少し前の話ですが、今年も飯塚病院漢方診療科では、
皆で餃子を作るという一大イベントを無事に終えたので、
その模様をお伝えします。

餃子イベントについては、
2012、2014年度の記事も下記リンクから合わせてご覧ください

・つるピッカ亭の水餃子
・つるぴか亭の水餃子2014


いつものように、ニラとの戦いからスタートです。


ニラは切ってから放置すると匂いだすので、
皆で手分けして短時間で切り終えるのがポイントです


昔とある中国人から教えてもらったという、当科秘伝のレシピ。
これに忠実に材料・調味料を混ぜていきます。


実習中の学生さん、今年も手伝ってくれました。

手を綺麗に洗って、餃子のタネをまぜまぜ。



さて、会場セッティング。

今年の看板はこんな感じです。



あとはただひたすらに餃子の皮を伸ばし、包み、茹で・・・

あっという間に、完売御礼




作るのに必死で自分たちは全然食べられませんでしたが、

楽しかったですね


ちなみに、会議で「餃子の反省会」をやっているのですが、

今年の反省は、

「看板のピカの文字があまり目立たなかった。
来年はもっとピカ感を出そう」


でした




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久しぶりの更新となりましたが、今回も大人気シリーズ「部長のつぶやき」第5弾をお送りします


部長のつぶやき

心の葛藤は怒・喜・思・憂・悲・恐・驚という7つの感情、すなわち七情を生じ、
それぞれが五臓を傷害すると考えられています。


生きていますので、色々な感情が生じてきますが、
患者さんのお話を聞いておりますと、そこまで思いつめなくてもいいのではと思うことがしばしばです。


感情はほとんどが身内に向けられます。
家族やご近所、職場関係がほとんどで、赤の他人に強い感情が湧くのは少ないと言えるでしょう。
最近では人に限りません。ペットもしばしば対象になります。


医者は常に患者さんの身になって考えろ、などとは申しますが、
来る方来る方すべての感情をすべて受け止めてはやっていけません。
逆に感情は概ねその人だけの問題であるからこそ落とし所があるのです。


ある方がまた別の方から何か言われてひどく憤慨しています。
どうせ言った側は「良いことを言ってやった。」ぐらいにしか思っていないでしょう。
そんなに怒らなくてもと思うのです。


感情は本来その人だけの問題ですから、
上手にコントロールしてイラッとするくらいでとどめておければいいのでしょうが。
考えて解決しない問題は、最初は考えますがある程度で考えるのを止めることを提案します。


辛いことも幸せなことも紙一重。横棒1本あるかないかです。
もともと他人と過去は変えられません。
ただ、自分と未来は変えることが出来るはず。


私「気虚の時とかによく見られる舌の所見は?」
学生「ハゲてます、ハゲてます。舌の苔が。」
私「(イラッ!)」



なかなか深いお話でしたね
オチがよく理解できないという方は、こちら↓よりご確認ください
飯塚病院漢方診療科HP 部長よりご挨拶



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人気シリーズ「部長のつぶやき」第4弾です


部長のつぶやき

最近私の病棟回診は、「取り調べ」、もしくは「尋問」と言われるようになりました。
多くの入院患者さんは強い「冷え」が内在しており、生活環境、職場環境などもさることながら、食習慣、運動習慣に関しても、冷えの誘因が存在するか、詳しく尋ねる必要があります。


ある患者さんが8月末に腰痛で入院になりました。
特に誘因もなく、骨折の所見もありません。
ただその前2週間にわたってスイカを毎日1/4切れずつ食べていたとのこと、漢方薬で強く温めて改善しました。

10月に別の患者さんが原因不明の全身の疼痛で動けないということで入院となりました。
「果物は食べませんでしたか?」
「いえ食べていません。」
そんな回診が2週間続いた後、主治医にぼそりと、
「回診のときには言えませんでしたが、夏に家族とスイカを毎日1/2玉ずつ、バカ食いしていました。」


このことがあって以来、スイカの過食による冷えを「スイカの呪い」と称して注目しています。
ノロイだけにゆっくり効いてくるのが特徴です。


「アイスクリームは食べていません。アイスキャンディーなら食べました。」
とか
「果物はまったく食べません。でもヨーグルトとバナナを食べないと便通が悪いんです。」
とか
「冷たい物は一切摂りませんでしたが、焼酎には氷を入れて ます。」
とか。
天然ボケというべきか、悪意なき不適切行動も多いようです。






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飯塚病院漢方診療科では、月に1度、
生薬(しょうやく)勉強会を開催しています

生薬とは、漢方薬を構成している、薬理作用のある植物・動物・鉱物などのこと。
毎回、2種類ずつ勉強をしています。

今回は、防風(ぼうふう)・川芎(せんきゅう)の2つです。



こちらがその生薬。


防風
は、セリ科のボウフウの根で中国原産の植物。

(写真左は日本の海辺に自生するハマボウフウで、かつては防風の代用品として用いられていました。)

薬理学的には解熱・鎮痛・消炎作用、血圧降下作用、抗菌作用などがあり、

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)  

などに含まれています。






川芎
はセリ科のセンキュウの根茎。

江戸時代に中国から渡来し、主に北海道で栽培されています。

袋の上からでも、セリ科の独特で華やかな香りが漂ってきます。

薬理学的には、中枢抑制作用、末梢血管拡張作用、鎮痙作用などがあり、

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
抑肝散(よくかんさん)
温清飲(うんせいいん)

などに含まれています。



発表担当となったY野H美先生の興味深いレクチャーを聞き、



最後は試飲です。


生薬の香りは強いですが、煎じたものは、

意外とあっさりとしたお味でした


皆様が飲んだことのある漢方薬に、

この2つの生薬は含まれているでしょうか


みなさんお待ちかね、「部長のつぶやき」第3弾をお送りします


部長のつぶやき 

 

気温も低下して冷えて具合の悪い方が増えてきました。果物、特に柿は身体を冷やしますので我々漢方医は冷え性の方には「柿厳禁」と伝えています。

 

それにしても病気は義理人情で悪化する、と思いませんか。

 

「寒い日にお葬式に出かけたら、風邪を引いて具合が悪くなりました。」
少し温かい日にゆっくりお参りに行っても良いのでは?

 

最近コレステロールが上がり気味ですね。
「ええ、お友達がしょっちゅう新鮮な卵をくださるものですから、毎日3個ずつ食べています。」

 

最近太り気味ですね。
「ええ、お隣の家の前に自動販売機が置かれて、いつでもジュースが買えるものですから。」

 

最近血糖が上がり気味ですね。
「ええ、最近近所にドラッグストアが出来まして、アイスクリームの買い置きができるんです。」

 

何か冷たいものを取り過ぎていませんか?
「ええ、友達が身体にいいからといって野菜ジュースを一箱送ってくれました。もったいないので毎日飲んでいます。」

 

「私はそんなに食べたくないんですけど、夫が買って来るんです。」

 

自身が自覚して注意すればいいのに、義理人情に関わる別の何かのせいにして、病気は悪化すると思いませんか?

 

さて、疲れたけど、今年最後の忘年会に行ってくるかな。

近頃めっきり寒くなり、秋の深まりを感じますが、
皆様風邪などはひかずに元気でお過ごしでしょうか?

秋といえば、食欲の秋

という訳で、先日秋の和漢食料理教室が開催されました!


今回のメニューは、

・栗と玄米ごはん
・きのこ汁
・蓮根、椎茸、枝豆の和え物
・長芋の生姜あんかけ
・春菊のくるみ和え


の4品でした

 


栗にきのこに、とっても秋らしいメニュー

今は、季節外れの食材が、スーパーなどでも簡単に手に入ってしまいますが、
和漢食では栄養価などの面から、なるべく旬の食材を使うようにしています

ボリュームたっぷりで満足感があるのに(実際食べ切れない人もいるほど)、
これで500kcalだなんて、素敵すぎます


和漢食料理教室、次回の開催は、2015年1月27日(火)10~12時の予定です!


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★和漢食料理教室について
・和漢食料理教室HP

夏の終わりの風物詩、漢方診療科1大イベントの「水餃子」が、
先日開催されました。

(職員の納涼イベントです。詳しくは以前の記事をご覧下さい!)
→ つるピッカ亭の水餃子

昨年は台風で中止になったため、2年ぶりの開催です。


生地作り隊長の上田先生、「寝かせる時間が必要だからっ」と、
誰よりも早く生地をコネ始めました。




まだ昼食中の受付嬢マッチー
(え、もう・・・?早くない・・・?)という表情で見つめています。



井上先生も手伝い始めました。
おとうさん達、頑張って!!



漢方実習中の家庭医松島先生も、
田原部長の熱血指導の元でコネています。



そして、すべての外来が終了したあと、
一番の山場、ニラ切りです・・・。
実習に来ている学生さん達も総動員して切ってます。


ううう・・・
香りが・・・



ここから先は、現地で準備。
看板がリニューアルしました!
マスコットキャラクターのヘアスタイルもリニューアルしました!






さあ、気合を入れて頑張りましょー!




生地を切って伸ばして、



具を包んで、




茹でます。



始めは不恰好だったけど、コツをつかんでだんだん上手くなっていきました。


日が暮れても、まだまだ作ります。




まだまだ。




大繁盛で、売り切れ終了!

皆さん、本当にお疲れ様でした!




楽しい夏の思い出でした






お待ちかね、「部長のつぶやき」第2弾をお送りします



「先生、最近右腕がしびれるんです。」

「何かあったんですか?」

「ええ、草とりを頑張りすぎまして。」



しばしば聞かれる病気の悪化原因の一つに、草とりがあります。

何でもそうですが、頑張り過ぎは病気のもと。

様々な悪化原因がありますが、春先は周りの陽気がグングン増していくのに、自身の陽気が不足がちな方々は何ともつらく感じます。

入学、就職等で環境も変わる年度初めの心身の不調は、世の中では5月病などと称していますが、漢方的には陽気とのアンバランスを想定しています。

元々不安定な体調に加え、ドンドン生えてくる草をドンドンとらないといけない。

手、肘、肩、頚、膝、腰などが悲鳴を上げ、日に焼けて湿疹が起こり、虫に刺されて無残なお姿で来院されることもあります。

それでも人は草をとるのです。庭に草が生える限り。



「地球は温暖化ですから、草は生やしておいた方がいいんじゃないですか?」

「いえ、草を生やしたままにしておくと、蛇がやってきます。」

「今まで長年生きてこられて、蛇よりもっと怖いものがあったでしょう。」

「はい、、、、、今目の前におられます。」

「、、、、、」


みなさん、こんにちは

最近は温かい日が多いですが、気温の変動も大きいようです

体調を崩されないよう、体温調節をしやすい服装をお勧めします



さて、飯塚病院漢方診療科では、4月22日に春の和漢食料理教室が開催されました


今回のメニューは、

・玄米ご飯
・キャベツのスープ煮
・ポテトサラダ
・そら豆と生麩の煮物
・もずく酢


でした。

とても春らしいメニューですね





調理方法の説明です。

自宅で和漢食を調理するコツなどを、質問も交えて皆さん熱心に聞いています




できあがりです

彩りがきれいですね




次回の和漢食料理教室は、2014年7月22日(火)を予定しています

当科を受診中の患者様およびそのご家族様は、受講希望を主治医までお伝えください



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