Gです。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
春は1日の寒暖差が大きく、天気も急にかわります。
漢方診療をしていると患者さんの訴えに季節を感じることがあります。
日中の寒暖差が多い季節は、疲れやすく元気が出ないような「気虚」の状態の
患者さんが多いように思います。このタイプの訴えは月単位で増えます。
飯塚だと4月~5月が多いでしょうか。
雨が降ったり晴れたり、気圧の変動が激しい時には
頭痛、めまい、血圧上昇、関節痛などの「水毒」を思わせる患者さんが多いです。
興味深いのは、これらは1日~1週間の間の短い期間に同時多発的に発生することです。
外来を行っていると同じ訴えの患者さんが1日に何人もお見えになります。
(そして、急性症状の方は五苓散が著効することが多い)
血圧上昇は頭痛やめまいなどの不快症状のため2次的に起こっているものでしょう。
不快症状を治療すると降圧薬の追加なしで元の血圧に戻ります。
この水毒の治療に行きつかない場合には、降圧薬を追加されて血圧の日内変動が激しく、
CTやMRIで器質的異常を認めず、NSAIDsやトリプタンを追加されても改善しない状態で
長く困られることになります。(意外と多い)
もちろん、器質的疾患の除外は必要ですが、漢方薬の併用でもいいのではないかと思います。
同時多発的に水毒患者が押し寄せて来られる日には、何も考えずに利水薬の鑑別を行えば
良いのではないかとさえ感じることもあるのですが、そのようなときに脳出血の患者さんが
紛れていたことがありました。油断は禁物です。
聴取すべきことは聴取し、よく診察し、必要があれば行うべき検査を行うのは重要です。