
こんな日には体がポカポカと温まる、
「ショウガ」のお話です


ショウガは漢方ではとってもなじみの深いものです。
日本漢方で使われるショウガは、
スーパーで普通に売っている「ヒネショウガ」と同じものです

漢方でのショウガは、
生姜(しょうきょう)と乾姜(かんきょう)の2つの種類がありますが、
加工法が違うだけでどちらも同じヒネショウガです。
生姜は生のショウガを乾燥させただけのもの、
乾姜はショウガを蒸してから乾燥させたものです。
(ちなみに中国では、生姜は生のヒネショウガのことを指します)
ショウガには辛み成分のジンゲロールやショウガオールが含まれ、
解熱・鎮痛・鎮咳・鎮吐作用などが認められていますが、
ショウガを蒸して乾姜にすると、ジンゲロールが減少してショウガオールが増加する、
という報告があります。
(生姜→乾姜になるとショウガオールが増えるなんて、名前的には逆な感じがしますね

生姜には、体を温め、発汗させる作用があり、
風邪の初期に用いる葛根湯(かっこんとう)や桂枝湯(けいしとう)にも含まれています。
これらの漢方薬をさらに効かせたいときに、
生のヒネショウガのしぼり汁を加えるという裏ワザがあります

また健胃作用があり、嘔吐や食欲不振に用います。
つわりの処方として有名な小半夏加茯苓湯(しょうはんげんかぶくりょうとう)にも
含まれています。
乾姜は、生姜よりもさらに体を温める作用が強く、
体がひどく冷えて衰弱している時に用いる
四逆湯(しぎゃくとう)という薬の中にも含まれています。
ちなみに、体を温める作用のある生薬は他に
附子(ぶし)というものが有名ですが、
部長曰く
「附子は野菜をレンジで急にチンと温めるようなもの、乾姜は鍋でぐつぐつ煮るようなもの。
レンジでいきなり温めたものより鍋でじっくり煮たもののほうがおいしいだろ?」
とのことです。
今はシリコンスチーマーとかあるのでレンジでも美味しいですが。。

ショウガほど、日常的に使われていて漢方でも頻用されているものはないんじゃないでしょうか。
これからの季節、体調管理にうまくショウガを使っていきたいですね
