にわかにブームになってます

有名なマクロビオティックから始まり,
一日一食の健康法とか,いや三食食べないと身体に悪いとか,
酵素を摂るため生で食べるとか,
ごぼう茶が良いだとか。。
色々ありすぎて,一体どれを実行すれば良いのか,
何だかよくわかりませんね

毎年色々な食事療法が生まれては消えていく中で,
飯塚病院では,漢方医学的理論に基づいた,
とある食事療法を,継続して行っています。
今日はその漢方的食事療法を紹介したいと思います

その名も「和漢食」といって,
日本伝統の精進料理や,漢方の考え方を基に,
昭和の漢方医である小倉重成先生が考案した食事療法です

飯塚病院では,アトピーや膠原病など,慢性的な炎症のある患者様にオススメしています。
これは治療食ですので,守るべきルールがあります

【和漢食ルール】
①体を温める食材を使う
現代はクーラーなどの影響か,冷えて体調を崩している方が多いように感じます。
冷えについて食事の面から見ていくと,
食品は体を温めるものと,体を冷やすものに分けられます。
(それぞれ陽性食品,陰性食品と名付けます)
■陰性食品(体を冷やす)
・生もの(生野菜,果物,刺身など)
・冷たいもの(牛乳,ジュース,アイス,ビールなど)
・砂糖(ケーキ,あんこ,飴など)
・酢(酢の物,健康食品の酢など)
■陽性食品(体を温める)
・火を通した食べ物(煮物など)
・天日に干したもの(干物,昆布,かんぴょう,干ししいたけなど)
・漬物(古漬)
・温かいもの
②菜食(動物性食品を避ける)
肉類は炎症をひどくし,皮膚疾患を悪化させるなどの害が経験されたため,
基本的に動物性食品(肉,魚,乳製品,卵など)は控えます。
たんぱく質は,大豆で摂ります。
③精製したもの,精白したもの,加工食品は避ける。精製抽出油は使わない。
まけば芽の出るものを,調和のとれた食べ物だと考えます。
なので,白米ではなく玄米を食べるようにします。
また,抽出した油脂や過剰な脂質は,経験的に炎症を悪化させるようです。
様々な添加物が含まれる加工食品もとらないようにします。
④小食が基本
過食が生活習慣病を引き起こすことは皆さんご存知だと思います

小倉先生は一日一食を提唱していましたが,それだと栄養のバランスがとりにくいので,
当院では一日二食(1000kcal/日)を基本としています。
(なので,和漢食を食べていると痩せてきます・・・。あくまで治療食なので,普通の人がずっと食べるものではないですが,ダイエットに応用もできると思います

⑤その他・・・その土地でその季節に取れる旬のものを食べる。
季節はずれにビニールハウスや温室で採れたものは,旬のものと比べると,
含まれる栄養素に違いがあると言われています。
また,和漢食は食べ方にも特徴があります。
【食べ方】
①咀嚼玩味(そしゃくがんみ)
良く噛んで食べれば,おいしく,少量でも満腹になります。
②玄米ご飯とおかずは別々に食べる
玄米は硬くて味もあり,白米のようにおかずと一緒に口に含んで食べるのには
適していません。またおかずも薄味で単独で食べて丁度良いようになっています。
③汁まで飲む
煮汁にはカリウムなど成分が含まれているので,汁まで飲むようにして下さい。
塩分摂りすぎにならないよう,薄味で味付けします。
いかかでしょうか??
このルールすべてを毎日3食守るのは,献立作りが大変だと思います

ルールを守って,必要な栄養素を十分にとるには,ちょっとしたコツがあります

そこで,漢方診療科では,「和漢食料理教室」を
3ヶ月に一度開催しています

残念ながら,受講は当科に通院中の患者様とそのご家族に限らせて頂いてるのですが,
当科通院中で和漢食に興味のある患者様は,ぜひ主治医に声をかけてみてください

次回は,10/23(火)10:00~開催されます

また,一般の方向けに,和漢食の献立と作り方のわかる,
和漢食DVDも販売しています

季節ごとに分かれていて,とても実用的です

ここ↓から和漢食のHPに飛べるので,もっと詳しく知りたい方は,是非見てみてくださいね

和漢食料理教室
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