正月の悪夢③ | ジ ュ ジ ュ Ⅱ

ジ ュ ジ ュ Ⅱ

 ジュジュ♀MIX黒色犬。 
 Catnap(現:Arch)に救われて、2008年3月に我が家にやってきました。

2018年3月、妹犬「やや」がやってきました。
チワワ(かな?)のややは繁殖犬の暮らしを強いられていましたが 
2018年2月DogShelterに保護されました。

それでもまだ咬み付いたままの白い犬・・。

飼い主の人は真っ青で『どうしよう・・離さない・・』と。

その場に居合わせた人たち(私を含め)が自分の犬を抑えながら『足の付け根をひねろ』とか、『水をぶっかけろ』とか、白い犬を興奮させないように低い声で言いました。


このとき、普段は大人しい犬までもが『ワンワン!』と興奮していました。


白い犬の飼い主が私の後ろにある水道に水を汲みに来た時、私が抑えていた口輪をつけた猟犬がすごい力で飼い主の方へ引きました。

再び、口輪犬と綱引き状態になる私・・・。


直ぐに視線をファンちゃんに戻すと、ファンちゃんは口輪を外した状態で、ゆりはなドッグランのオーナーに抱かれていました。
オーナーは解放されたファンちゃんをしっかり抱きながら、丹念にファンちゃんの毛をかきわけて傷のチェックをしてくれました。

ファンちゃんの服と首元には血がついているのがわかりました。

口輪の猟犬を飼い主に渡し、私もゆりはなのオーナーの横へ駆け寄りました。

『あ!ファングがケガをしていたら、痛みでオーナーに咬み付いてしまうかも!』

そう、思ったのですが・・ファンちゃんはギュッと抱かれて嬉しそう??
とにかく、ファンちゃんは落ち着いた様子だったので、私よりずっと犬飼スキルの高いオーナーにお任せしていました。

『うん、歯は入っていませんね。』
っと、静かにオーナーは言って、そぉっとファングを下ろしました。


トコトコっトコトコっ!

と、歩き出すファンちゃん。しっかりした足取り。

『ファング!』

私が呼ぶと、ファンちゃんはサッと振り返り私に飛びついて来ました。
そのまま抱き上げて、もう一度、私はファングの首元を確認していると・・・。

『ギャーワァン!ワァン!ゥワ~~ン!ゥホ~ォン!』

おかしな叫び声が私の足元から聞こえました。
ジュジュでした。
ジュジュが鳴き叫んでいました。パニックです。

ファングを抱いたまま、ジュジュをトリミング台へ呼びました。
ジュジュは直ぐにトリミング台へ飛び乗りました。
ファングもトリミング台へ乗せました。

ジュジュはまだ鳴き止まず、ガタガタと震えていました。
ので、『うるさい!!』っとオシリを叩きました。
ジュジュは我に返ったように落ち着きを取り戻しました。

見ていた人が『それじゃ、ジュジュちゃんかわいそう・・』っと言ってくれましたが、元気なジュジュより、ファングの怪我の確認をすることの方が優先でした。

ファンちゃんに付いていた血はオーナーの血でした。
オーナーは『咬まれたんじゃないから。金具に引っかかったんでしょう。』っと言いましたが、実際は・・・わかりません。

ファンちゃんの体を念入りに触りました。どこにも反応しませんでした。
唾液で汚れた体を、持っていたシャンプータオルで丹念に拭きました。
なかなかキレイになりませんでした。やさしく、やさしく、丁寧に体を拭き続けました。

体がキレイになると、首元が赤く腫れているのがはっきりわかりました。
血が滲んだようになっていましたが、歯が入った様子は私には見えませんでした。


悩みました。
いつもの獣医さんがこの日と次の日が休みだったからです。

私の先代犬が何度か流血戦を行ったとき『歯が入らなければさほど心配はいらないんだけど・・』っと言ったいたことを思い出しました。

お正月でも診てくれる獣医があることはわかっていましたが、大げさに扱われるのも嫌だった(無駄な検査とか・・)ので、悩んだ結果、『ファングに変わった様子があったら夜中でも救急の獣医さんへ連れて行くことにして、そうでなければ明後日、いつもの獣医さんへ連れて行こう』っと決めました。

しばらく休憩しているとファングの目が輝き出し、トリミング台から下ろしてみると・・。
いつも遊んでくれる『はなパパ』のところへサッカーボールを持って行きました。

はなパパが『え~~!!ファング?もう、遊ぶの?』っと言うと、ファングは嬉しそうに『ワン!ワン!』といつものように吠えました。
そっとボールを蹴ると、いつものように猛烈ダッシュするファング。

それを見ていた仲良し犬のココちゃんも走り出し、ジュジュもトリミング台から飛び降りてファンちゃんを追いかけました。

『ああ・・良かった。ファンちゃん元気だ・・。』
皆がホッとしました。


でも、やっぱり心配なので、ゆりはなドッグランの訓練士さんへ相談してアドバイスを貰ったり、先輩犬飼さんたちに聞いてまわったりしました。


翌日のファンちゃんはいつも通りにはしゃいで、ドッグランを走っていました。
心配して見に来てくれた人たちが口を揃えて
『良かったねえ。それにしても・・はあ・・。やっぱ気が強いわな。コーギーだな。』
っと言いました。


翌々日、ずいぶん腫れが引いたなっと思いながら獣医さんへ行き、事情を説明しました。

『ああ、これは腫れてますねえ。明らかに咬まれていますね。』

『ええ?!昨日まではもっと真っ赤で・・』

『はっきり確認出ませんが、細かい咬み傷もたくさんありましすよ。
で、どうしましよう?バリカンで刈り上げて、写真撮りますか?
咬まれてから二日経ったとは言え、これだけ腫れてるし抗生剤も5日間はしっかり飲んだほうがいいですね。菌が体に巡ってからでは遅いですから。』

『バリカン??』

『もし、相手の方と・・もめた時の証拠になります。役所へ届けるなら必要です。』

『とりあえず、バリカンはいいです。今日、先方と話をして、万が一、必要と感じたら午後にお願いするかもしれません。薬はお願いします。』

っと、ファンちゃんは念のためにお薬を5日間飲むことに。
ファン姉がきちんと飲ませてくれました。

お薬を飲みきった頃、一時、ファンちゃんの元気がなくなりました。
ドッグランへ行ってもジュジュとイチャイチャせずに、ジュジュに寄り添って座り込んでいました。

とても心配でしたが、また翌日には元気なファンちゃんに戻っていました。


状況からは信じられない程の軽傷で済んだファンちゃん。
一度は咥えられたまま空中を一回転したんだからねぇ。
しかも、心の傷はゼロ・・。

さすがチビでもコーギー。
ってか、コーギーだからやられちゃったって噂もあるし。
すぐにワンワン吠えて向かって行くから・・。

でも、本当に軽傷で良かったよ~。
痛い思いさせてごめんね。



今回の大失敗で感じたことは・・

『自分の犬は自分で守る』

ってこと。
当たり前なんでけど、他人の『大丈夫』を信じたらダメなんです。
誰のせいにしたところで、傷つくのは自分の犬。

それともう一つ

『犬を過信しない』

ってことも。
最近は初めて会うコとも仲良くできるようになってきたファンちゃんに油断しました。

ファンちゃんにはジュジュを守りたい気持ちもあるので、必要以上に強く出ちゃうことがあります。
狩りは出来ないけど、ジュジュとファングも『群れ』なのです。

今回は咬まれた立場だったけど、いつ反対の立場になるかわかりません。
そうなった時、もし、相手の犬に大怪我をさせたり、殺したりしてしまったら・・ファンちゃんだって生きてはいられない。


咬まれない、咬ませないように最大限の注意を払うのは、自分の犬を守るためなのです。



今回の治療費は、すでに先方さんに支払っていただきました。

ファンちゃんのパパは『怪我がたいしたことなくて済んだのだから、大げさにしないでね。ファングだって悪いんだろ。』と、言っているので、こちら側としてはもう済んだこと・・と、言っていいのでしょう。



・・・が、私が気にかかっているのは、群れ行動をとる先方の猟犬たちのことです。
咬み付いたコに関しては『きっちり訓練つけます』っと仰っていましたが、一頭だけ訓練してうまくいくのでしょうか?
咬み付いた後、首を振って殺そうとしていた行動、食らい付いて放さなかった行動、最初は仲良く遊んでいたのに豹変した事・・。

今回はファングが頑丈で幸いだったけれど、もしこれがチワワやMDや・・人間の子供だったら。
恐ろしいです。


自分の犬を守るために、今回の事件を生かして欲しいと強く願っています。







それと・・ファングの怪我が軽傷だったのは、お空のファンママがファングを守ってくれたんじゃないかなっと思います。
私の失敗をカバーしてくれたんじゃないかなっと。

ごめんね。
そして、いつもありがとね、ママ。
これからはもっともっと注意して、もっともっともっと大切にかわいがるからね。



もうすぐ、ファンママの一周忌です。