昨年もたくさん出ましたね。
前回も書いたのですが、サブスクで聴いているせいか、一つ一つの印象が薄くなっているのが正直なところ。
人生の時間が有限である以上、聴ける対象が増えるということは、1曲あたりにさける時間が減るということなのでいたしかたないですね。
音楽制作/発信が気軽にできるようになってきて、さらに生成AIなども暗躍するようになっても、リスナーの人数も聴く時間も有限である以上、アーティスト供給過多は今後も加速していく方向ではないでしょうか?
そうなると、ライブなど何か印象に残る何かがあるアーティストが強いなあと思いました。
個人的には去年見に行った、Kassa OverallとAvishai Cohenのライブはすごすぎました。
mononeon, Domi & JD BECK, Brandee Youngerももちろんよかったのですが、前述の二組は圧巻すぎました!
あと、気に入ったアーティストは応援も込めて、できるだけ音源でも買うようにしているのですが、ダウンロード販売の場合、ジャケットPDFも一緒に販売してもらえないものですかね。プロデューサーや演奏家のクレジットを眺めて楽しみたいんです。
また、Spotifyの操作性も独特で、気に入った曲があっても繰り返し聞くのが難しかったりして、印象が定着しないのが何とかしてほしいですね。使いづらくていつもイラっとしています。ただ、このせいで偶然の出会いが多いというのも事実。必要悪というやつですね。
さて、今回は本物の紅白をほとんど見れてませんでしたが、Missy ElliottのGet Ur Freak On(2001)に似た曲があって、懐かしくて聴いてしまいました。もうあれから20年もたってるんですね。
Missy Elliott - Get Ur Freak On [Official Music Video](2001)
https://www.youtube.com/watch?v=FPoKiGQzbSQ&ab_channel=MissyElliott
と、懐かしんだところで、2023年に戻り「オレの紅白」やってみたいと思います。
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■Pale Blue Eyes/This House
今年の「オレの紅白:オオトリ」はこのバンド。
「いったいだれなんですか?この人たち」という感じなんですが、SPOTIFYの偶然でマッチングしました。
かなりシンプルなリズム隊に、シンセやギターでカラフルでキャッチーな上ものが乗る。
メロディラインも抑揚が少なく美しい、力の抜けたボーカル、コーラスもきれい、ひたすらポップ。
年取って頑固でひねくれた頭になった自分が、こんなシンプルなポップソング達にハマるとは思いませんでした。
数少ないWEB上の情報をあげておきます。出典不明なものが多いので、話半分でみてください。
・イングランドシェフィールド出身
・夫婦+αで活動中
・ポストロックに影響を受けた
・Sigor Rosに影響を受けた(ようには聴こえないが・・・)
・ブライアンイーノともかかわりがある?
こういうシンプル系なアーティストの好みは紙一重だと思うので、万人にお勧めはできないですが、もし気になったら聞いてみて下さい。
Pale Blue Eyes - Spaces [Official Music Video]
https://www.youtube.com/watch?v=uu1r2WHgc-s&ab_channel=FullTimeHobby
Pale Blue Eyes - Takes Me Over [Official Video]
https://www.youtube.com/watch?v=JFHRlqOzwhw&ab_channel=FullTimeHobby
■Daughter/Stereo Mind Game
上述のPale Blue Eyesが現れるまでは、今年の個人的ベストでした。聴いた瞬間に感動しました。美しいです。
イングランド出身のボーカルElena Tonra、スイス出身のギターIgor Haefeli、フランス出身のドラムRemi Aguilellaによるバンド
5年ぶり3枚目のアルバムですが、前2作に比べて曲としての構成も聴きやすくなっているようにも思います。
ギターの音像はモヤッとしていて、メロディーラインも平たんな感じなので、そういう落ち着いたバンドが好きな方にはたまらないと思います。Wikiでは、Massive Attack、London Grramerあたりの類似性が指摘されていました。確かにそのあたり好きな方には間違いないように思います。
Daughter - Be On Your Way (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=6GDzvjRRIkY&ab_channel=Daughter
→新譜から。今までの路線+αという感じで、美しい世界です。
Daughter - To Rage (Official Lyric Video)
https://www.youtube.com/watch?v=4O-Jg8Bp67s&ab_channel=Daughter
■Kassa Overall/Animals
変な顔のジャケットにつられて、おそるおそる聴いてみたのですが、これも今年のお気に入りになりました。ライブは、音源とはまた違った感じで、理屈抜きに盛り上がれる感じでした♪
シアトル出身のドラマー/プロデューサー/ラッパー。ジャズ/ファンク/ラテンなどとヒップホップを融合させたような音楽が持ち味です。アルバムでは、いろいろな生演奏をぶつ切りにしてサンプリングして再配置したり実験的なことをやっている一方、ライブではほぼ完全人力(サンプリングパッドはトリガーはありますが)で強靭なグルーヴ感を出したりするので、音源とはまた違った楽しさがありました。
この界隈では、難解さを聴きやすく美しい音楽に包むというのが主流ですが、その中では実験的なので、万人受けはしないと思います。理屈抜きにその音が好きかどうかかなとおもうので、興味ある方は、オフィシャルのサイトでフルアルバムを聴いてみてください。。
Kassa Overall - ANIMALS (Full Album)
https://www.youtube.com/watch?v=rgtIU2tNul0&ab_channel=KASSAOVERALL
→オフィシャルでフルアルバム聴けるので是非聞いてみてください。
Kassa Overall | KNKX Studio Session
https://www.youtube.com/watch?v=7fpgabfGpUU&ab_channel=KNKXPublicRadio
→ライブではさらに盛り上がります!!
■Aja Monet/when the poems do what they do
アジャモネと読むらしいです。LAを拠点とする詩人。活動家だそうです。
スミマセン、僕はこの方の活動内容などは一切知らないのですが、音楽として気に入りました。
Jazzっぽい雰囲気にアフリカ系の落ち着いた音に、Spoken Wordが入ります。
かつての、Ursula Ruckerが好きだった方なら気に入ると思います。
英語版のWIKIによると、こんな方々が参加しているようです。
Aja Monet - vocals, production, executive production
Chief Xian aTunde Adjuah - bow, trumpet, production
Paul Blakemore - mastering
Weedie Braimah - percussion (including djembe)[5]
Luques Curtis - bass guitar
Def Sound - assistant production
Delphine Diallo - cover photography
Marcus Gilmore - drums
Rob Lewis - vinyl design
Brodie Means - assistant engineering
Elena Pinderhughes - flute
Samora Pinderhughes - piano
Dave Weingarten - engineering, mixing
aja monet - why my love (Official Visualizer)
https://www.youtube.com/watch?v=k3cgfawh0vQ
→音源より。
aja monet "the devil you know" Live at Jazz Is Dead
https://www.youtube.com/watch?v=iBiDDbVOvz8&ab_channel=JazzIsDead
→なんとタイムリーにライブ映像を見つけました。力強いですね。
■Meshell Ndegeocello/The Omnichord Real Book
大御所Singer,Bassistの新譜がでました。久しぶりにむかしっぽい感じに戻った気がします。
ブルーノートから出たということもあって、Jazzっぽい雰囲気も感じられます。
一時ロックな方面に行ったりして個人的にあまり聴かずに離れてしまったのですが、最近、Robert Glasperでの客演とかで再び、目にするようになって、ちょっと期待していましたが、やはり良いですね。
ベースはいろんな方に任せているようで、そこまで特筆すべきものはないですが、ギターが印象的な曲が多かったように思います。
Meshell Ndegeocello - Clear Water (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=oOJOVyKjWAI
Meshell Ndegeocello - Towers (Official Video) ft. Joel Ross
https://www.youtube.com/watch?v=j3Lx32fpX3c
英語版のWIKIにクレジットがあったので貼っておきます。
Meshell Ndegeocello - instrumentation, vocals, liner notes
Ambrose Akinmusire - "Burn Progression"
Hanna Benn - "Burn Progression"
Sanford Biggers - "Clear Water"
Mark Guiliana - "Virgo 3"
The HawtPlates - "The 5th Dimension" and "Hole in the Bucket"
Cory Henry - "Gatsby"
Jade Hicks - Good Good
Joan As Police Woman - "Gatsby"
Josh Johnson - "Georgia Ave", "Good Good", and "Virgo 3"
Thandiswa Mazwai - "THA KING" and "Vuma"
Jason Moran - "Perceptions"
Deantoni Parks - "Clear Water" and “Virgo”
Jeff Parker - "Clear Water" and "ASR"
Julius Rodriguez - "Virgo"
Joel Ross - "Towers" and "Vuma"
Brandee Younger - "Virgo" and "Virgo 3"
■Brandee Younger/Brand New Life
アメリカのハープ奏者。 Jazz/Hip-Hop/ソウル系のアーティストとよく共演しているハーピストです。
上のMeshell Ndegeocello作品にも参加しています。
2023年8月にはブルーノートにも来ていてライブ観に行きましたが心地よい音の世界を広げていました。
ハープを主役にしたアルバムというよりは、ハープを楽器の一部として取り入れた作品集というったイメージです。
なのであまり難しいこと考えずに音楽的に気持ちよく聴けます。
Brandee Younger - Brand New Life (Lyric Video) ft. Mumu Fresh
https://www.youtube.com/watch?v=t0n0isQn_XM&ab_channel=BrandeeYoungerVEVO
→この曲、タイトル曲、ほんと好きです。
Dust
https://www.youtube.com/watch?v=TnCBOfNe7cI&ab_channel=BrandeeYounger-Topic
→そして、Meshell Ndegeocelloが参加しているこの曲も大好きです
Brandee Younger: Tiny Desk Concert
https://www.youtube.com/watch?v=lW2cUz9Gz94&ab_channel=NPRMusic
→来日したメンバーとのライブセッション。
■Cero/e o
2004年に結成され東京を中心に活動しているバンドの5作目のアルバム。
方々で絶賛されていたので聴いてみて、遅ればせながらこのアルバムで初めて知ったアーティストなののですが、これは好きですね~。アコースティックと電子音が適度にまじりあった心地よいサウンドに落ち着いたメロディー。平坦すぎず、JPOP的なキャッチーさも併せ持っているように思います。
ニュートラルな気分で聴けるので、次何聴こうか迷ったらこれ、、、みたいな感じで、聴き込みました。
Cupola (e o) キューポラ (イーオー) Official Audio
https://www.youtube.com/watch?v=x1dLbpj8MZw
→公式の音源から。
Fdf (e o) エフ・ディー・エフ (イーオー) Official Audio
https://www.youtube.com/watch?v=1QN-E1_i5r8
→アルバム中最もキャッチーな曲でしょうか。
cero - Tableaux Live at Zepp Shinjuku 2023.7.12
https://www.youtube.com/watch?v=pIIuh4wYCxo&ab_channel=KAKUBARHYTHM
→ライブもいい雰囲気です。
■Arlo Parks/My Soft Machine
イギリスのシンガーソングライター、2021年にデビューして早速2枚目が出ました。
優しげなボーカルとローテンションで穏やかな曲調が特徴的だった前作の路線を踏襲してますが、今作では、曲ごとに、突然ロックになったり、オリエンタルな雰囲気を取り入れたり、新しい方向性を模索しているのが感じられました。
個人的には、その方向性が正しいのかどうかはよくわからないですが、前作同様、強烈なインパクトというより全体的に聴きやすい曲が多くて良かったです。
Arlo Parks - Weightless (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=3zb9X_unuqo&ab_channel=ArloParksVEVO
→前作の流れを踏襲する心地よいサウンドにメロディックな曲ですね。
Arlo Parks - “Dog Rose” | Official Lyric Video
https://www.youtube.com/watch?v=VLGOJosYnbM&ab_channel=ArloParks
→なんとなく今作で多くなったように思うギターサウンドの曲。曲調的には同じ方向性ですね。
Arlo Parks - Purple Phase (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=JvxhKJbD-Q0&ab_channel=ArloParksVEVO
→やはりこのあたりのスロー/ミディアムな曲調の心地よさが群を抜いてますね。
■Jah Wobble/A Brief History Of Now
PUBLIC IMAGE LIMITED(PIL)のMETAL BOXあたりの、地の這うようなベースがあまりにも有名なイギリスのベーシスト。
その後のソロ作品では、各種民族音楽とDUBを融合させたりといろいろ実験的な活動されていますが、今回はポストパンク回帰のヤンチャな作品になっています。
僕自身ポストパンクというのをよくわかっていないのですが、Jah Wobble自身が参加していたPILともまた違ったものに仕上がっているように思いました。逆にそういう先入観を除いて聞いた方が楽しめるかもしれません。
Jah自身のヘタウマな独特なボーカルも十二分に堪能できる作品です♪
ベースも面白いですね。DUBといっても、いわゆるレゲエよりの後ノリリズムではなく、わりとジャストでぐいぐいと引っ張っていくフレーズが多いのも特徴な気がします。
Jah Wobble - A Brief History Of Now (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=6lwXtsltjyE&ab_channel=CleopatraRecords
Jah Wobble - "Last Exit" (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=y2_3uk9Ey8o&ab_channel=CleopatraRecords
■Tian Qiyi/RED MIST
Jah Wabbleが気になったら、こっちも聴いてってあげてください。
詳細が全く分からないのですが、、、広州出身の古筝奏者の母を持つイギリス生まれのJohn、Charlieによって結成?
※ソース
https://hashbrandnew.com/Artists/Tian+Qiyi
細かいことはさておき、往年のJah Wobbleの民族楽器との融合した作品に近いものになっています。
Tian Qiyi - Red Mist (Featuring Jah Wobble) Official Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=kWv2TQtIypA&ab_channel=TianQiyi
→二胡をフューチャーした、アンビエントな曲、、、かと思いきや音響系のギターが鳴ったり、ドラマティックな曲。
■Hania Rani/Ghosts
ポーランド出身のピアニストの6作目になります。ピアノを中心としてキーボードなどをルーパーなどでコントロールしつつパフォーマンスするというような、実験音楽/アンビエントな曲が多いのですが、今作では、ビートを取り入れた唄ものをやったり、聴きやすい作品に仕上がっているように思います。
素朴でローテンションなボーカルも雰囲気がすごくあるし、そういう路線で一般リスナーも獲得しつつ実験要素も広げていけるとさらに面白くなりそうだなと思います。
個人的に、今いちばんライブを見に行きたいアーティストのひとりです。
Hania Rani - Hello: live session in the mountains
https://www.youtube.com/watch?v=xVytWVHX4N0&ab_channel=GondwanaRecords
→これは異色の作品ですが、彼女らしさもあり方向性も広がった気がします。こういうポップ路線もありだと思います。
Hania Rani - Dancing with Ghosts ft. Patrick Watson (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=tP97_AQCldk&ab_channel=GondwanaRecords
→こちらも唄もの。声も含めて雰囲気ありますよね。
Hania Rani live at Invalides, in Paris, France for Cercle
https://www.youtube.com/watch?v=J5oZ80Daduc&ab_channel=Cercle
→ライブはこんな感じ。
■Knower/Knower Forever
2022年はライブも見にいったLAのプロデユーサー/ドラマー/マルチプレイヤーのLouis Coleのユニットです。
こちらの名義では、アバンギャルドなシンセポップという印象で、それほどぴんと来なかったのですが、この作品では近年の自身のソロ作品に作風を寄せてきたような気がして、個人的好みです。
自身の超タイトなドラムを軸に生演奏などを取り入れたような、ファンク/ポップな方向性ですかね。
変態的でグルーヴィーな曲調に美しいサビが乗るというような感じですね。個人的にはこの路線は大歓迎で、結構聴き込んだアルバムになりました。
Youtube で自宅ライブ映像を公開しているのも、聴くきっかけになりました。どれも味のある演奏がみれるので、好きな方はぜひ聴いてみてください。
一方、ソロと何が違うの?と言われると女性ボーカルになった、、、ということくらいかな?あまり細かいことは気にせず聴くのが吉。
The Abyss - KNOWER
https://www.youtube.com/watch?v=O2F0oTqfL3E&ab_channel=KNOWERMUSIC
→mononeonがベースで参加してます、タイトなグルーブはLouis Coleともあいますね~。
Do Hot Girls Like Chords?
https://www.youtube.com/watch?v=Ois3gfcwKSA&ab_channel=KNOWERMUSIC
→こちらのベースは、古参メンバーSam Wilkesですが、激熱ですね!! Adam Ratnerのギターも気持ちいい♪
■Yussef Dayes/Black Clasical Music
ロンドン南東部出身のドラマー/プロデューサーのソロデビューアルバム。ジャズっぽい雰囲気を感じつつ、いろいろごった煮な感じで、僕のような素人では、どう表現してよいのかわからないジャンルですが、WIKI英語版によると、ファンク、アフロ、サイケデリック・ソウル、とかそんな雰囲気だそうです。
突出した尖ったものはないし、逆にメロウな聴きやすさなどもないのですが、ドラマーのリーダ作だけあって、手数の多い繊細なタッチと、ファンク/アフロのような大きな流れを併せ持ったようなグルーブ感が気持ちよすぎます(ドラムは素人なので適切な表現かは微妙です)。
個人的には、2020年にTom Mischとのコラボアルバムで知りました。そして、ベースの Rocco Palladino 、ピンとくる方はピンとくるでしょう、、、あのPino Palladinoの息子さんだそうです。
Yussef Dayes - Black Classical Music ft. Venna & Charlie Stacey [OFFICIAL VIDEO]
https://www.youtube.com/watch?v=qw6MY45tK6o&ab_channel=YussefDayes
→アルバムの1曲目、勢いが良くてテンション上がりますね。
Yussef Dayes feat. Tom Misch - Rust [Official Video]
https://www.youtube.com/watch?v=YASaUI9bhQY&ab_channel=YussefDayes
→こちらはトムミッシュとの作品。
The Yussef Dayes Experience - Live From Malibu
https://www.youtube.com/watch?v=BnEgnrUCXPY&ab_channel=YussefDayes
→ライブもいい雰囲気出しています。
■SBTRKT/The RAT ROAD
SBTRKTの9年ぶりの新譜が出ました。
ロンドンのプロデューサーAaron Jeromeのソロプロジェクトで、1年くらい流布されたものの定着しなかった謎ジャンル「ポストダブステップ」なる界隈で、2011年ごろ、James Blakeらとともに登場しました。(この紹介のしかたも、いい加減しつこいですね)
1stアルバム中のHold Onという曲が大好きだったのでちょくちょくチェックしていました。
2014年に2nd後、音沙汰がなかったですが、9年ぶりの3rdとなります。
※1stの頃の紹介文↓
https://ameblo.jp/ihsakatariat/entry-11550978138.html
シンプルかつセンスの良い音使いが特徴な方なので、良くも悪くもさらっと入ってくるイメージです。このサブスクの大量消費時代で、耳に残るなにかがあるのかというと、聞き手次第ですかね。
僕は1stの想い出があるのでひいき目に見てしまいますが、今のリスナに積極的に訴求する何かがあるかと聞かれると、上手く説明はできません。
まあ、もし何か引っかかるものあれば、Youtubeから全曲視聴可能なので聴いてみてください。
SBTRKT - WAITING (feat. Teezo Touchdown) [Official Lyric Video]
https://www.youtube.com/watch?v=ASIbwmXP9Ag
→アメリカのシンガーソングライター/ラッパーTeezo Touchdownを迎えた曲
SBTRKT - DAYS GO BY (feat. Toro y Moi) [Official Lyric Video]
https://www.youtube.com/watch?v=ImsmM3NGVVM
→落ち着いたポップな作風のトラックメイカーシンガーソングライターToro y Moiとの曲
SBTRKT - LIMITLESS (feat. Leilah & Sampha) [Official Lyric Video]
https://www.youtube.com/watch?v=t__iAKia80U
→1stアルバムから特徴的なボーカルを聴かせたSamphaを迎えた曲
SBTRKT - 'Hold On' video
https://www.youtube.com/watch?v=_x6DmYxnBaI
→1stのこの曲が大好きでした。Samphaボーカル。
■James Blake/Playing Robots Into Heaven
さて、そのJames Blakeも新譜出ました。
2-3年に1度良いペースで作品を出していて6作目ですね。
前々作あたりからビート感が出てきて、1stのつかみどころのないふわふわした世界観から比べると、個人的には聞きやすくなってきたように思います。
今回、特に新しい何かがあるかと言われるとそういうわけではないので、いつものファンなら安心して聴ける内容ではないでしょうかと思います。ただ、曲によってはボーカルを前面には出さずにビートだけで聴かせるようなものがあったりするので、バリエーションとして楽しめる方は楽しめるのではないでしょうか。
ames Blake - Big Hammer (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=g_qWhdxiR7k&ab_channel=JamesBlakeVEVO
→今回の実験的な曲の一つはこれでしょうかね。
James Blake - Loading (Official Lyric Video)
https://www.youtube.com/watch?v=_9wPK3NvQtg
→こちらは、いつもの感じです。いいですねー。
■Young Fathers/Heavy Heavy
スコットランドのエジンバラで結成された、つかみどころのないグループです。
僕はMassive Attackとの共演で知りました。ナイジェリアやリベリア出身のメンバーなどもいるのが関係しているのかいないのかわからないですが、アフリカンな響きを感じるようなドンドコしたビートと野太い3人のボーカル?ラップ?が特徴的です。
ちょっとソウルっぽさを感じるところもあれば、ヒップホップっぽさを感じるところもあるかなという感じで、ジャンルが良くわかりませんでしたが、wikiなどによると、ソウル?オルタナティブヒップホップ?インディーポップ?といったあたりで例えられているようです。
楽器を演奏したりトラックメイクなどの役割がだれがどういう役割なのかはよくわかりませんが、ライブ映像では3人ともフロントにいるようです。
なんやかんやで聴いてしまう不思議な魅力がありましたので、気になったら聞いてみてください。
Young Fathers - 'Rice' (Lyric Video)
https://www.youtube.com/watch?v=AlgcqWf6evk&ab_channel=YOUNGFATHERS
→ドンドコしたビートと独特のポップさ、、、なんか癖になります。
Young Fathers - 'I Saw' (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=uPyC0JUfZrU&ab_channel=YOUNGFATHERS
→こちらもドンドコリズムと呪術的なボーカルやゴスペルっぽいコーラスが印象的ですね。
Young Fathers - Full Performance (Live on KEXP)
https://www.youtube.com/watch?v=_yHfko6Kz6k&ab_channel=KEXP
→ライブパフォーマンスもいいですね。
Young Fathers - 'Live for Amnesty International'
https://www.youtube.com/watch?v=u24Yfo5oFJM&ab_channel=YOUNGFATHERS
→こちらもライブです。
■The Chemical Brothers/For That Beautiful Feeling
ロックにダンス的な要素を取り入れたマンチェスターブームの終焉とともに、ダンス音楽にロックを取り入れて一世を風靡した、、、なんていう時代から、30年以上たっているんですね。4年ぶりの10作目になります。休止することなく、いいペースで出してます。
今作も、彼ららしいトラックであふれており、新しい何かを感じることはないですが、安定感といった感じです。
Born in the Echoes (2015年)ではBeckとの初共演、No Geography (2019年)はAuroraを知ることができた、、、という思い出深いアルバムでした。今作は、新ボーカリストという点では、Halo Maudというフランス人のシンガーを迎えているようですが、いつも通り独特な雰囲気を持っているボーカリストを起用しています。
The Chemical Brothers - Live Again ft. Halo Maud
https://www.youtube.com/watch?v=pqU4g5iJk2Y
→今回起用されたHalo Maudさんボーカル曲。WIKIによると作曲には参加していないようでした。
The Chemical Brothers - Skipping Like A Stone ft. Beck
https://www.youtube.com/watch?v=nRtxogXp8sY
→全前作からコラボしてますBeckとのトラック。ノスタルジックな良さがあります。
The Chemical Brothers - Goodbye
https://www.youtube.com/watch?v=gr12Lfo4dO4
→これは唄ものではない彼ららしい曲。
■Gogo Penguin/Everything Is Going to Be OK
さて、マンチェスターのピアノトリオGogo Penbuinの新譜も出ました。
フルアルバムで数えると6枚目ですかね。今回はやや落ち着いた印象、これが円熟味というやつでしょうか。
もともと、このフォーマットでどうやって広げていくんだろう、、、という懸念はあったのですが、予想通り、良くも悪くも特に新しい何かはないかなと思いました。批判しているわけではなく、既存のファンには間違いないアルバムということですね。
僕自身も、テンション上がってヘヴィーに聴き込むことはということはなかったですが、安定してちょくちょく聴いていたかなあという印象です。
今年1月の来日ライブチケットは取れたので、生で見れるのが楽しみです♪
GoGo Penguin - Everything Is Going to Be OK
https://www.youtube.com/watch?v=DolDqHG6FSI
→タイトル曲から、ソロっぽいべーすからまた終盤盛り上がっていくところが熱いですね。
GoGo Penguin - Parasite
https://www.youtube.com/watch?v=Sue5WnE0MGU
→これもアルバムからの曲。こういう映像とよく合いますよね!
■Salami Rose Joe Louis/Akousmatikous
これまた、まったく予備知識がないのですが、Flying LotusのレーベルBrainfeederから。
ベッドルーム?ラウンジ?ドリームポップ?ミニマルというような雰囲気の不思議な浮遊感あるアルバムです。
本人のボーカルもささやくような声で雰囲気があります。
タワレコの紹介文によると「TORO Y MOIのコラボやHIATUS KAIYOTEのリミックスなどで話題を呼」んだらしいので、そりゃ僕の好きな界隈に違いない、、、という感じでした。
抑揚のない平坦な感じなので、そういう雰囲気が好きな方ならいいのではないでしょうか?
Salami Rose Joe Louis Live Band at Bandcamp - May 2023
https://www.youtube.com/watch?v=VrnEQ3TqZGE&t=3804s
→音源はYoutubeなどにはなかったのですが、生バンドセットでのライブ映像がありました。これはいい雰囲気ですね!今後が楽しみです。
■Squid/O Monolith
イギリスのブリクストン出身のバンド。前作は2021年の振り返り紹介で一番衝撃をうけたバンドとして紹介していたので、すごく楽しみにしていたのですが、ちょっとつかみどころのない感じでピンとこずあまり聴かなかったかなあ、、、という感じでした。
もともと実験的で、何が好きなのか言語化しづらいバンドですので、興味ある方は、聴いてみて理屈抜きに判断してみてください。
実際、振り返って聴きなおしたら、もっと聴いてもよかったなあ、、、という感じなんですよね。大量新譜に埋もれた良作かもしれない。
Squid - Swing (In a Dream) (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=RooBTIwG13c
→アルバムのイントロの次の2曲目。
Squid - The Blades (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=6n3d1Rm752o
→アルバムの5曲目。後半だんだん盛り上がってくるところは、いいですね!
Squid - Swing (In a Dream) (Live at Scala)
https://www.youtube.com/watch?v=1cTXsTUbNCI
→ライブもバトルズのようで楽しげです
■Supershy/Happy Music
Tom Mischの新譜かと思ったら、ダンスミュージックプロジェクトだそうです(タワレコホームページより)。
90's-00'sあたりのアシッドジャズ、ハウス、ラウンジ、、、という感じの生音とビートをまぜこぜにしたライトな雰囲気です。
軽いノリで聴ける感じですかね。
Supershy - Happy Music (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=yeOTnqYOdpA&ab_channel=Supershy
■Quantic/Dancing While Falling
この方も多作で幅広い。イギリス出身、いっときコロンビアに在住していたDJ、プロデューサ、ギタリスト、マルチインストゥルメンティストWill Hollandさんのプロジェクト。あまりに大量にありすぎて何作目かはわかりません。
前作は多分2021年で、がっつりラテンっぽい雰囲気でしたが、今回は、上述のSupershyと似たような方向性の、生音+ハウスっぽい雰囲気のライトなダンスミュージックに仕上がっています。こちらも軽いノリで聴きやすいです。
Quantic - Run (feat. Andreya Triana) (Official Visualiser)
https://www.youtube.com/watch?v=VSI6-U5iTbI&t=17s
Quantic - Stand Up (Official Visualiser)
https://www.youtube.com/watch?v=VzHZVFLi7NU
■BLUR/The Ballad of Darren
「あ、ゴリラズやってる人のバンドね?聴いたことないです」という方が多数派になりつつあるのでしょうか。
40代オーバーでブリットポップムーブメントの喧騒を知っている方にはノスタルジックな思いにふけらされる、8年ぶり9作目ブラーの新譜。
やっぱり2曲目のいかれた感じのノイジーなギターポップきくと、ああブラーだなと思わせられました(下でリンク紹介)が、それ以外は「The Ballad of ...」と言っているだけあってゆったりした曲が多いです。
Blur - St. Charles Square (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=OwReCTWEotU&ab_channel=Blur
→改めて聴きなおしましたがこの曲最高ですね!グラハムのいかれた感じのギターとデーモンアルバーンのローテンションなボーカルの対比が胸熱すぎます♪
■Gorillaz/Cracker Island
デーモンアルバーンは、Gorillazの方もリリースしました。こちらはゲストを無限に迎えられるし、架空バンドという設定だしネタは尽きないですね。アニメのメンバーたちのビジュアルもだんだん大人になってきてます。
コーチェラのライブパフォーマンスも圧巻でした。好みの曲を見つけて聴くのが吉かと。
Gorillaz - Cracker Island ft. Thundercat (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=S03T47hapAc&ab_channel=Gorillaz
→サンダーキャットというと、ややトリッキーな動きのベースを期待してしまうのですが、あえてシンセベースっぽく、いぶし銀のようなプレイですね。
Gorillaz - Tormenta ft. Bad Bunny (Official Visualiser)
https://www.youtube.com/watch?v=kO8Nj09525U&ab_channel=Gorillaz
→ノスタルジックな雰囲気です。
Gorillaz - Silent Running ft. Adeleye Omotayo (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=_0Pf48RqSsg&ab_channel=Gorillaz
→ゆったりとしたメロディーが心地よい。
■Mamal Hands/Gift From the Trees
イギリス・ノリッジ出身のベースレスピアノトリオの3人組Mamal Handsも新譜を出してきました。この方々も雰囲気のあるトラックが多く今回も安定して聴ける感じです。
ベースレスですが、その分サックスが入るので、聴きやすい方もいるかもしれません。
Mammal Hands ? Gift from the Trees: A Short Film
https://www.youtube.com/watch?v=MTYq9soyupE&ab_channel=GondwanaRecords
→紹介ビデオですが、同じところでフルアルバムも視聴できます。
Mammal Hands - Gift from the Trees (Official Album Video)
https://www.youtube.com/watch?v=qU44B9M5CFc&t=173s
→アルバムまるッと聞けます。
■Sigur Ros/ATTA
説明不要かと思いますがアイスランドのアンビエントな響きが美しいバンド。
オリジナルとしては10年ぶりになるようですね。どの曲がとか、今回は、、、そういうのはなく、往年の雰囲気なので好きな方には間違いないと思います。
Sigur Ros - Mor (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=uIgtOov-j8A&ab_channel=SigurR%C3%B3s
Sigur Ros - Skel (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=JQVOCcEG-BA&ab_channel=SigurR%C3%B3s
‐‐‐‐
●おまけ
ということで、昨年は、いろいろ面白いバンドやアーティストを知れたしライブも行けたので良い年でした。
日本勢は自分の中では不調でしたが、唯一、ceroを知れたのは今年の収穫でした。
その他、気になった作品を羅列しておきます。
◆Foals/Life Is DUB
去年出たFoalsのLife is YoursをDUBミックスしたもの。タイトなグルーブ感の作品だったので、真逆な気がしたのですが、これが意外と合いました。サンプリング再配置された、ボーカルを聴いていると、声がやっぱり味があっていいなあと思いました。
◆King Gnu/The Greatest Unknow
僕が言うまでもなく、音もいいし曲もいいしアレンジもかっこいいです。個人的には、ちょっとかっこよすぎる、キマりすぎていてスキがない、という点がハマらない理由ではありますが、JPOPの中では好きなほうです。
◆Kott/wind sound
京都のピアノトリオ。1stですかね。よくあるチル系アンビエント系かなと思いきや、曲によって激しかったり、かなり実験的な意欲作に思います。フジロックにも出ていたようです。上で取り上げるか迷ったのですが、ちょっと方向性がわかりづらく、気分次第でアルバム単位で聴く自分としては「次聴こうか」という選択肢にあがりづらくて、あまり聴き込めてないんです。もうちょっと聴いてみようかなと。。。
https://www.youtube.com/watch?v=RZ8HqBQPHl8&ab_channel=kott_japan
◆The Beatles/Now and Then
アルバムではないですが、最後の新曲と言われるものが出ましたね。ゆったりしたノスタルジックな曲に仕上がってます。AIで共演されたようなMVも楽しげです。
https://www.youtube.com/watch?v=Opxhh9Oh3rg&ab_channel=TheBeatlesVEVO
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●SPOTIFYの不満
あと、SPOTIFYで予期せぬ出会いには、いろいろお世話になったのですが、このあたりが不満です。海外アプリなので届かないと思いますが、一応垂れ流しておきます。
・曲名などの文字列をコピペできるようにしてほしい
・外国人アーティストのカタカナをやめてほしい
・操作性がめっぽう悪くて、自分の聴きたいアーティストにたどり着かない
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●結果発表
というわけで、今年の「オレの紅白」は、透明組の優勝です。おめでとうございます。紅組、白組も甲乙つけがたかったです。
紅組(女性ボーカル) 7
■Daughter/Stereo Mind Game
■Aja Monet/when the poems do what they do
■Meshell Ndegeocello/The Omnichord Real Book
■Arlo Parks/My Soft Machine
■Hania Rani/Ghosts
■Knower/Knower Forever
■Salami Rose Joe Louis/Akousmatikous
白組(男性ボーカル) 9
■Pale Blue Eyes/This House
■Cero/e o
■Squid/O Monolith
■Jah Wobble/A Brief History Of Now
■Tian Qiyi/RED MIST
■James Blake/Playing Robots Into Heaven
■Young Fathers/Heavy Heavy
■BLUR/The Ballad of Darren
■Sigur Ros/ATTA
透明組(ボーカル不定/インスト) 10
■Yussef Dayes/Black Clasical Music
■Kassa Overall/Animals
■Brandee Younger/Brand New Life
■SBTRKT/The RAT ROAD
■The Chemical Brothers/For That Beautiful Feeling
■Supershy/Happy Music
■Quantic/Dancing While Falling
■Gorillaz/Cracker Island
■Gogo Penguin/Everything Is Going to Be OK
■Mamal Hands/Gift From the Trees
では、今年も楽しい音楽生活を!