気づけばタイトルの日付から2か月たってますね。
どんどん遅筆になってしまっていますが、音楽はたくさん聴いています。

というか、サブスク(Spotify)はじめてからというものの、聴きたいやつを手あたり次第に聴いていると、、、

A)好きな音楽を探す
B)好きだと思った音楽を楽しむ

の比率が、おかしなことになるんですよね。

ほんとうは、Bの比率を高めたいのにAの比率ばかり上がって、Bの時間はむしろ減る。
これ、音楽を本当に楽しんでいるの?と、本末転倒にも思い始めてしまう今日この頃。

もともと好きなものを一つだけというよりは、いろんなタイプのものを気分によって聴き分けるスタイルだったので、サブスクは大歓迎だったはずなのですが、ちょっと付き合い方を考えないとなあと思い始めてきました。

しかしながら、昨年はDOMi &JDBECK、今年は、このKassa Overallと出会えたりしているので、やはりやめられないですね。


1.概要

ドラマーでラップもする。ジャズやファンク/ラテンなどとヒップホップを融合させたような音楽が持ち味です。
アルバムでは、いろいろな生演奏をぶつ切りにしてサンプリングして再配置したり実験的なことをやっている一方、
ライブではほぼ完全人力(サンプリングパッドはトリガーはありますが)で強靭なグルーヴ感を出したりするので、
音源とはまた違った楽しさがあります。

WIKI英語版を見ると苦労人だったようで、、、
シアトル育ちで、両親から与えられたドラムを小さいころからやっていたそうな。
約15年ブルックリンに住みながら、下積みをして、2019年セルフデビューアルバムをようやく出しています。

これが結構豪華なメンバーで、今は無き Roy Hargrove、Arto Lindsay,等が参加しています。

音楽的には、この界隈の方の「ムーディーでお洒落なものに包んで難解さを隠す」というような感じとはまた違って、心地よい音をアバンギャルドに再配置しているというような実験的なものなので、理屈抜きにそれを気持ち良いと思えるか、楽しめると思えるかしだいで、感想が変わってくると思います。

一方、ライブは後述するように、そういったややこしさをほぼ排除して、人力であおりまくるパフォーマンスで会場大盛り上がりでした!!


2.作品

2019 Go Get Ice Cream and Listen to Jazz    
2020 I Think I'm Good    
2023 Animals

この3枚。僕は今年(2023)の「Animals」で知ったのですが、変な顔のジャケットに惹かれて聴いてみたところ、、、心をわしづかみにされました。
アコースティックな繊細な演奏をサンプリング的に再配置して、曲にしているみたいな印象を受けました。

さかのぼって聴いたのですが、どれも好みですね。

ただ、万人受けするかどうかは、理屈抜きにその音がすきかどうかなので、合う合わないあるとは思います。


3.ライブ

いやもうとにかく圧巻でしたね。

実験的な作品を作る方なので、難解なライブだったらどうしようという心配も少しあったのですが、余計な心配でした。
まあライブを予約したきっかけも、Youtubeでライブをみて、これなら楽しめそうと思ったからそこまで心配はしていなかったのですが。

ある程度固定でライブをされているようですが、来日メンバーには残念ながらベースがいませんでした。
キーボードの方が、左手でベースラインもフォローしてました。

メンバーはこんなメンツ
Kassa Overall Rap,Vocal,Drums
Tomoki Sanders: soprano saxophone, drums, percussion, vocals
Bendji Allonce: percussion, vocals
Ian Finkelstein: piano


みて、おや?と思いませんか?

そうなんです、コード楽器は鍵盤しかいません。
あと3人は、リズム楽器(ドラム/パーカッション)やりつつの、ボーカル/ラップ/コーラス/トランペットなどです。

3人は曲に応じて役割を変えていき聴きごたえがあるのですが、この最大3人のリズム隊がバチッと決まるところえげつない盛り上がり方しました。(僕も含めて)みんな飛び跳ねてましたね!

日系の方でしょうか、Tomoki Sandersさんはパーカス、ドラム、からトランペットを奏でたり、クライマックスではカウベルを片手に客席に飛び込んだり、かなりのエンターテイナーでした。
鍵盤のIan Finkelsteinさんもかなり美しいピアノを弾かれるんですよね、、、今回はベースをフォローしつつなので、あまりソロ的なものや目立つシーンはなかったのですが、さすがでした。
パーカッションのBendji Allonceさんも、良かったですね。自身のセットはパーカッションなのですが、Kassaがマイクをもってフロントに立つと、代わりにドラムをたたいたりと、屋台骨を支えている感がすごい。

いやホント凄かった。
今年はライブ5回行って、年初からAvishai Cohenで驚かされたのですが、最後にまたこんな大盛り上がりのものを観れてほんとに幸せでした。

4.参考音源など

どちらも来日前後の映像で、KEXPでのベース以外のメンバーが来日していました。

Kassa Overall: Tiny Desk Concert
https://www.youtube.com/watch?v=0kKct_AKz8s&ab_channel=NPRMusic

Kassa Overall - Full Performance (Live on KEXP)
https://www.youtube.com/watch?v=h6xQD0asp-k&ab_channel=KEXP



5.その他
渋谷WWWXは、ちょっと導線がいまいちで帰りの渋滞だけは何とかしてほしかったですが、それ以外は大満足でした。
広さも適度で音もよかったですし、ちょうど見たい感じの個性的なアーティストがよく来るので、また行きたいと思います。

 

 

 

 

 

 









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ずっと見てみたいと思っていたアーティストでした。
Jazz/Hip-Hop/ソウル系のアーティストとよく共演しているハーピスト、Brandee Youngerのライブを見に行きました。

お盆休み明けが関係していたのかわからないですが、割と人が少なく、まさかの本人の目の前かぶりつきの席に。
逆にこちらが緊張しましたが、幸せな時間でした。

気づいたら1か月以上たっていたので、思い出しながら書いてみたいと思います。

10年ほど前に、The Bird and Beeというポップユニットが来日した時に、六本木ヒルズでフリーコンサートをしていたのですが、その時も人が少なく、本人たちの目の前でガン見していた、という記憶がよみがえりました。
知り合いのライブならともかく、有名な方のライブで、こちらが見える状態って、こちらが緊張しますよね。 


1.Brandee Youngerとは

(Wikiを見ながら抜粋編集)
1983 年 7 月 1 日生まれアメリカのハープ奏者。 Jazz/Hip-Hop/ソウル系のアーティストとよく共演しているハーピストです。
ハーピスト自体が珍しいので、1-2曲に「あ、ハープだ」と思ってクレジットを見るとこの方だった、ということが多いです。
今年新譜を出したMeshell Ndegeocelloとも、お互いのアルバムに参加しあっています。
また、ガーナのシンガーソングライター、Moses Sumneyの作品にも参加していて、ボーカルとハープの美しいコラボが聴くことができます。

2.作品
客演はむちゃくちゃ多いのですが、リーダ作もかなりの頻度で出しています。

2011: Prelude
2014: The Brandee Younger 4tet, Live at the Breeding Ground
2016: Wax & Wane
2019: Soul Awakening
2020: Force Majeure
2021: Somewhere Different
2023: Brand New Life

今回は、Brand New Lifeというアルバムを出したツアーでした。


3.ライブ

メンバーはこんな感じ。
Brandee Younger(harp) ブランディー・ヤンガー(ハープ)
Rashaan Carter(b) ラシャーン・カーター(ベース)
Allan Mednard(ds) アラン・メディナード(ドラムス)
Tatiana Mayfield(vo) タティアナ・メイフィールド(ヴォーカル)

ドラム、ベース、ハープの3人編成での演奏。ジャズトリオの上ものがハープという編成。
そして後半になるとボーカリスト登場して、うたものもやってくれました。
アルバムの中の2曲目、Brand New Lifeは、本当に美しい曲で、この曲を生で聴けて泣きそうになりました。

個人的には、原曲ではMeshell Ndegeocelloが歌っているDustをアンコールでやってくれたのが熱かったです。

とにかくハープの繊細で美しい響きに耳を奪われます。
ハープってポロロロロンという、ロングトーンでのアルペジオの印象が強いのですが、曲に応じて和音弾きしたり、きめ細かく音をコントロールしながら、奏でていました。

そして言わずもがな、ソロでのロングトーンでかき鳴らす(語彙力がない)ところは圧巻で、美しくもあるし盛り上がります。

アンビエントな演出の時には、うっすらとリバースディレイをかけたりしていたみたいですが、そんなにトリッキーなエフェクトは使っていませんでした。

ドラムは器用な方、アフロ?ファンク?ジャズ?っぽい感じかな?(ドラムは疎いので、間違ってたらごめんなさい)


ベースはウッドベースとエレベを使い分け、ジャズ調の曲ではウッドベース、ややファンク調なものにはエレベという感じでした。

ベースのかた、すごく良かったのですが、ソロから元に戻るきっかけが分かりづらかったのか、ソロ後の拍手を1回もはさめなかった、なんかごめんなさい(だいたい客席から自然発生するのですが、それがなかった)

4.音源など

ライブと同じ編成で、タイニーデスクコンサートの映像がありました。興味ある方はどうぞ。

Brandee Younger: Tiny Desk Concert
https://www.youtube.com/watch?v=lW2cUz9Gz94&ab_channel=NPRMusic


Brandee Younger - Brand New Life (Lyric Video) ft. Mumu Fresh
https://www.youtube.com/watch?v=t0n0isQn_XM&ab_channel=BrandeeYoungerVEVO
⇒この曲が、やはりいいですね。

Dust
https://www.youtube.com/watch?v=TnCBOfNe7cI&ab_channel=BrandeeYounger-Topic
⇒そして、Meshell Ndegeocelloが参加しているこの曲も大好きです













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Daughter - Stereo Mind Game(2023)  

 

2010年代に2枚のアルバムを出していたDaughterの5年ぶりの新譜3作目が、今年の4月ごろに久しぶりに出ました。

前2作の暗くて美しい世界観を踏襲しながら、良い意味でのポップさがあり聴きやすい作品に仕上がっているように思います。

今年のおれチャートNo1アルバムの1つなので紹介したいと思います。
※注:全米No1と同じく「おれチャート」No1はたくさんあります


1.バンドの概要

イングランド出身のボーカルElena Tonra、スイス出身のギターIgor Haefeli、フランス出身のドラムRemi Aguilellaによるバンド
インディーフォーク/シューゲイザーバンド(Wikiより)です。

冒頭にも書いたように、どんより、暗め、儚げ、重厚感、アンビエントというような表現がしっくりくるギターバンドです。
とくにElenaの落ち着いた影のある声質と歌い方、空間系のエフェクトやゆがみを用いたアンビエントなギターが印象的です。

ギターの音像はモヤッとしていて、メロディーラインも平たんな感じなので、そういう落ち着いたバンドが好きな方にはたまらないと思います。Wikiでは、Massive Attack、London Grramerあたりの類似性が指摘されていました。確かにそのあたり好きな方には間違いないように思います。(London Grramerは同じくらいの時期じゃないかな?)

2013年に1stアルバムを出し、いろいろライブで来日したりしたのちに、2017年に2ndを出したのちは、2018年から活動休止中だったようで、今回は5年ぶりの3枚目のアルバムになります。

今回は、前2作の世界観を踏襲しつつ、良い意味でのポップさがあって聴きやすい作品に仕上がっています。


2.バンドの経緯

2枚のアルバムを出しています。方向性は、だいたいおなじ。もともとはギター+ボーカルのベッドルーム音楽で作られていたようなので、1stに比べると、2ndはライブ感が出ているような感じです。

2013 If You Leave
2016 Not to Disappear
2023 Stereo Mind Game ←今回

また、2017には、ゲーム「Life is Strange」の番外編「Before the Storm」のサントラも作っている模様。「Life Is Strange」は、過去に紹介している通り僕の大好きなゲームだったので、数年前に「Befor the Storm」も買っているんですが、積みゲーのまま、まだやってません。


3.動画など

Daughter - Be On Your Way (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=6GDzvjRRIkY&ab_channel=Daughter
→新譜から。今までの路線+αという感じで、美しい世界です。

Daughter - Party (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=KdgntP7Yp5o&ab_channel=Daughter
→同じく新譜から。少しポップな感じですね。

Daughter - How (Live on KEXP) ※
https://www.youtube.com/watch?v=Igx2X1Xrd4s&ab_channel=KEXP
→KEXPのライブから。2ndの中で最もポップな曲でしたが、サポートベースを迎えた躍動感ある仕上がり。

Daughter - Still (Live on KEXP) ※2013頃
https://www.youtube.com/watch?v=TwXIwg4csn0&ab_channel=KEXP
→同じくKEXPのライブから。静と動の美しさが堪能できる1stの名曲です。


4.余談
2014年2月には、大雪の翌日の新木場Studio Coast(今は閉鎖)へ来日していました。1日目のヘッドライナーMogwai目当てだったんですが、当時新進気鋭だったCHVRCHESや、1stアルバムを出したばかりのDaughterなどもいて、今考えるとすばらしいメンツでしたね。