2024Jan-31 Gogo Penguin at 渋谷O-EAST

 

 

すでに3か月もたってしまいましたが、思い出しつつ書きたいと思います。
このバンドはずっと見に行きたかったのですが、1月に渋谷O-EASTに来ていたので行ってきました。

1.Gogo Penguinとは

マンチェスター出身の3人組みで、ドラムンベースのようなタイトなノリのドラムに、ミニマルで情緒的なリフが乗っていく、、、というような作風が特徴です。

前回ブルーノートに来ていた時の紹介文を引用すると、
「ジャズをベースに、クラシック、テクノ、ドラムンベース、ダブステップなど多種多彩な音楽からインスピレーションを受けてきた“アコースティック・エレクトロニカ・トリオ」

という感じです。

ただ、聴いてもらえるとわかる通り、ジャズがベースではないように思うんですね。
どちらかというと、テクノ、ドラムンベース、ミニマル、アンビエント、、、のほうがベースなっているように思います。

曲の展開も、最低限のコード展開をループさせながら、音数やリフのパターンなどで抑揚をつけていくといった曲が大部分です。

ジャズ好きの方からすると、コードがシンプルすぎてつまらないと感じるかもしれません。

また、演奏も曲の表現に最低限のことしかやらないので、必然性のないソロ回しとかもありません。

ただ、エレクトロニック系が好きな方は、ジャズのような忙しすぎるコード進行よりもシンプルでグルーブ感で聴かせてもらった方が心地よいのです。

まあ、どっちが「良い」か「悪い」ではなく、「好き」か「嫌い」か、、、というだけの話ですね。
※僕はドジャズな予定調和感も好きです

メンバーはこの3人

Chris Illingworth (Piano)
Nick Blacka (Double Bass)
Jon Scott (drums) ※2021年にRob Turner(drums)からメンバーチェンジ

いや、GogoPenguinって、あの疾走感あふれる流れるような人力ドラムンベースが気持ち良かったのに、ドラマー変わっていたのね!?というのがちょっとショックでした。

ただ、後任の方は、スネア、サブスネア?他たくさんのタムやシンバル類を配置して、割とどっしりとしつつ多様なグルーブ感を作っていたので、幅が広がっていきそうな気もします。最新作が、疾走感の一辺倒ではなく、多様な円熟味のあるように感じたのはそのせいかもしれません。


2.当日の様子

理屈抜きに気持ち良く最高のライブでした!
美しいピアノ、躍動感のあり表情豊かなベース、ミニマルなグルーブを基調としながらも多彩なドラム。
ほんとうにこの距離感で観れたことが幸せでした!!


、、、と、もうそんな3行で良いし大満足だったのですが、蛇足ながら、自分の備忘までに思ったことも書いておこうと思います。

久しぶりに行った渋谷は相変わらず混沌としてましたが、いろいろきれいになってましたね。
O-EASTは、始めて行ったのですが、道玄坂のホテル街を抜けたあたりに、ちらほらとあるライブハウス/クラブ群の一端にあります。
Spotifyのプレミアム会員だと、2杯目のドリンクサービスらしいのですが、2本持つのがめんどくさいのでやめました。

入ってびっくり、この距離感で見れるのか!!と。結構、狭めなのでかなりテンション上がります。

ピアノは、グランドピアノにキーボードを「く」の字に置くスタイル。
キーボードはNord Stage2って書いてありました、例の赤いやつです。先週見に行ったDOMiさんもNORDだし、この系統のアーティストのNORD率はすごく高いですね。ただ、あまりキーボードは使ってませんでした。

音源でよく聞く「ポコポコ」したサステインないようなピアノの音は、どうやらタオルを弦のところにおいて鳴らしているようでした。中低域のあたりにタオルをのせてポンポンしたシーケンスフレーズをひいて、高域で美しいメロディーを奏でる、、、みたいな。

JPOPで散々擦られて安っぽくなってしまった「リリースカットピアノ」とはまた別もので、ミュートした弦楽器のような音です。

そして、ベースはウッドベースの表現力がホント凄いですね。ピアノが割と淡々としたミニマルなフレーズを奏でるので、ベースの濃淡つけた演奏が、曲の表情を決めていたように思いました。またエフェクトの使い方もすごく効果的だし、ここぞというところでの歪み+ボウ弾きはやはり鳥肌たつくらい盛り上がります(E.S.T.を思わせます・・・)

そして、1曲ではエレベも弾いてました。シンプルな親指引きで、エレベの方がおとなしい、、、という珍しいパターン。やはりアップライトベースが本業なのね、、、と思わせられます。
また、Moogのシンセベースでしょうか、舞台の中央にありました。ドローンとした雰囲気を出すときに使っていて、リフやフレーズなどは特に弾いてませんでしたので、あくまで補助的な使い方。
このあたりの飛び道具が、多彩になってくると、もっと面白そうだなと思いつつ、やりすぎると生演奏スタイルのメインというこだわりが薄れてきそうだし、いろいろジレンマがあり、まだ過渡期な使い方かな、、、と思いました。

そしてドラムはAphex TwinのTシャツ着てましたね。ひたすら疾走感の心地よかった前任者に比べると、どっしりとしつつ多彩な表現力で曲の表情をつけていくようなイメージで、円熟味を増してきているバンドにとってはいい方向性なのかもしれません。

ということで、さんざん理屈っぽく備忘メモを書きましたが、そんなものは音楽を聴くうえではそれほど重要ではない。

冒頭で書いた通り、

Gogo Penguinの幻想的で美しい空気感に浸れる、最高のライブでした。


3.Discography

2012    Fanfares    Gondwana Records
2014    v2.0      Gondwana Records
2016    Man Made Object    Blue Note Records
2018    A Humdrum Star Blue Note Records
2019    Ocean in a Drop Blue Note Records
2020    GoGo Penguin    Blue Note Records
2021    GGP/RMX         Blue Note Records
2022    Between Two Waves          XXIM Records
2023    Everything Is Going to Be OK  XXIM Records

2012年のデビューからコンスタントに出してます。
個人的には、やはり1st、2ndのインパクトが強いですね。


4.映像など

GoGo Penguin - From the North - GoGo Penguin Live in Manchester
https://www.youtube.com/watch?v=NyydSocn5dM

1か月ほど前に公開された、地元マンチェスターでのスタジオライブ。
最新版の彼らの良さが詰まってます!!!