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小説『天国のチョコレート/Heaven』
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第2話 happy チョコレート(2)
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女性店員は一度写真の方を向いて
左側の写っている男の顔を確認した。
都村は黒の背広の内ポケット
から財布を出して
一万円札を女性店員に渡した。
「はい一万円お預かりします。」
一万円札を手にすると女性店員は言った。
「私は最近入ったばかりなのでよく分かりませんが、
以前勤めていた人みたいですね。」
「はい、4500円のお返しです。
ありがとうございます。お確かめください。」
そう言って都村につり銭を渡した。
都村は買ったチョコレートの入った袋を渡されると、
帰りもせずレジの前で写真をただぼーっと見ていた。
「お知り合いの方ですか?」
「同僚だったのですが先月亡くなったんです。ちょっとした事故で」
都村は写真を見たまま店員に話した。
「そうですか。店長なら分かるかも知れませんので呼んできましょうか。」
「ええ、できればお願いします。」
厨房に行く途中で近くにいた別の女性店員に
「レジお願いします。」
そう言って行った。
都村は一人で写真を見ている。
写真の中の安田に似た男は
都村の知る安田とは違い細くて痩せている。
あの巨体とも言えるデカイ体に比べると
まったくの別人だが、
どことなくその雰囲気は残っている。
「写真の男は安田に違いない。」
都村はそう感じていた。
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そう都村が答えると女性店員は厨房に呼びに行った。