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小説『天国のチョコレート/Heaven』
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第2話 happy チョコレート(4)
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夕方のチョコレート専門店の店内は
結構客足は途絶えず
女性客で賑わっている。
店内で男性客は都村一人だけだった。
「ねえ、天国のチョコレートって知ってる。」
どこかで女性の声がした。
都村は自分に問いかけてきたのかと、
声の主を捜して辺りを見渡した。
だけど都村の傍には誰もいない。
「気のせいか。」
都村は心の中でそう呟いた。
しばらくすると女性店員が
店長を連れて戻ってきた。
「あのお客様です。」
女性店員はそう都村の方を向いて
店長に話すと、
元のレジの場所に戻っていった。
「いらっしゃいませ。店長の川辺と言います。」
白衣を着た店長の川辺と言う男は、
そう言って挨拶すると
都村に向かって頭を下げた。
川辺は40歳過ぎくらいの
背の小さい男だった。
耳が隠れるまで伸びた髪。
髪の毛の色は灰色だった。
その髪の毛の色が
染められて灰色になったのか、
それとも白髪が混じって
灰色になったのかはこの際
どうでもいいことだった。
「あの写真が何か?」
川辺はレジの後ろの写真を見て
都村にそうたずねた。
都村は写真の左側を指差すと言った。
「あの写真に写っている一番左側の人は
安田っていう人じゃないですか?」
「えっ、どれどれ。」
そう言って川辺は小さい体で
背伸ばしをして写真を覗き込んだ。
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