「稲の旋律」という本を読み終えた
いろいろな要因が重なって、大学を中退した後も、就職しても続かず、会話もうまくできない30才目前の女性
藪崎千華さんは、父親が何とかして就職を頼んできた会社を、結局退社してしまう。
いくつかの過程を経て、傷心を抱いたまま、千葉県の田んぼが広がる田舎に行き着く。草いきれの香りの中で、飲みかけのペットボトルに、心境を認めた(したためた)紙切れを入れ、田んぼの片隅に置いた。
何日かして、田んぼの畦で、そのペットボトルを拾った、晋平が紙切れをよみ、返信を出す。
ここから物語りが始まる。
結末は、結局、千華さんが元気になるのだ。その他に、いろいろな結末がある。
晋平と千華さんの手紙のやりとりによる展開。全編を通しての詩的な田園風景の描写。その中で、有機農業農政、農家の課題等が解説される。
最後に、田んぼの畦で、パッフェルベルの「カノン」を千華さんがグランドピアノで奏でる表現は、田園風景が広大なキャンパスというにふさわしい舞台だ。
主人公が、心の病を克服すること、登校拒否の女の子が、汗を流すことに喜びを見いだすシーン。正に、俗に言う農業の多面的な機能が実証されている。
電車の移動の中で、むさぼり読み終えました。
この本の出版自体は、2002年で10年前。映画化もされている。そのことは読後知った。そんなことも知らない無知を恥じるばかりです。
この本との出会いは、大田区の住宅街の小さな本屋さんで手に取ったことに始まる。
稲の穂先を流れる涼風を感じる、さわやかな 読後でありました。。(旭爪あかね著 新日本出版社)