※クリックして夢に近づけてから今日の第13話を読んでね。

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～第13話～

「この人、樋口君だっけ？」

信永は写真から蘭に視線を移してそう言った。

蘭は黙って頷いた。

俺は初めて聞く名前だったので信永を見た。

すると信永は声のトーンを少し下げて俺に言った。

「樋口陽介ってんだけどさ。何度か仕事紹介した事があるんだわ。金が欲しいって言うからグレーなもんばっかやってもらったけどさ。まぁ…後で詳しく話すよ」

俺は何も言わずにタバコに火をつけた。

信永が金が欲しい奴にグレーな仕事を振って中間マージンを抜いているのはよくある事で、むしろそれが信永の収入の大半を占めていた。

金に苦しい奴が、金になる危ない仕事に手を出して、気がつけばどこかに飛んで居なくなるなんていうことはよくある話だったので、今回もそんな話だろうと思った。

「樋口君彼女いたんだなぁ…しかもこんな可愛いこ…」

信永はボソリと言った。

するとふと我に返り、「あ、ごめんごめん。んで、居なくなった樋口君を探せばいいわけね。了解。とりあえず、大体思い当たる所があったら教えてくれるかな」と言った。

それでも何かためらうような表情の蘭。

いかにも何か悪い事情がありますと言わんばかりだ。

信永にもそれが分かったようで、「さらわれたの？」と言った。

すると蘭は小さな声で「はい」と言った。

井口達也

※軍団井口で意地でも扉を貫く！

登場人物

井口達也(いぐちたつや：信永から仕事を貰っている暇人)

上布田信永(かみふだしんえい：通称：シン。何でも屋の若社長)

諸星謙太（もろぼしけんた：通称：ビーケン。スクラップ工場の息子）

林蘭(はやしらん：依頼主)

樋口陽介(蘭の彼氏で現在行方不明)

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