今日から新しい物語を書く。




パワー補給のために、目の前の映画化の扉をこじ開けるために…




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俺達の声なき声は、確実に上の人間に届いている。




朝見たら3640票でまだ1位だった(涙)




もらった力でゴリゴリいくぜ!




憎まれっ子世にはばかるって言葉があるけど、




いたずらっ子世にはばかる!だ(笑)




という事で、始める。




撒いた種は、きっと、花開く。





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◆新物語◆


『未定』





「達也!耳!耳!」




電話元の信永(しんえい)の声は明らかに取り乱した様子だ。




何を言いたいのか分からない上に、二日酔いの頭には少々響き過ぎる声だった。




「何だよシン…うるさいわ。今何時だよ。耳ってなんだよ」




半開きの目で時計を見ると正午を回っていた。




「いいからすぐ事務所に来てくれ!」




真夏のせいか、飲みすぎのせいか、シーツは汗で異常なほど濡れており、頭痛に苛立ちと不快感が加わって、とてもこれから動こうという気分にはならなかった。




「…無理。あったまいてーわ」




「いいから来い!」




信永は怒鳴って、電話を切ってしまった。




信永は俺と同じ21歳。




中学時代からの古い付き合いの悪友だが、最近は仕事で絡むようになって毎日のように顔を合わせている男だ。




少々大袈裟な所もある男だから、電話口で信永が取り乱した事はあまり気にならなかった。




俺はまた眠る事にした。




すると5分もしないうちにまた信永から電話がかかってきた。




電話を取るなり、「寝てないで早く来い!」とまた大きな声を出された。




俺の行動は見透かされている。




面倒臭がりで、興味がない事には動こうとしない性格は信永もよく知っていた。




俺はため息を一つつき、割れそうな頭を我慢しながらシャツを羽織った。




俺の家から信永が借りている事務所までは原付で約10分の距離だった。




頭痛と眠気で何度も引き返そうと思ったが、またしつこく起こされるのは目に見えていたので渋々事務所に向かった。




しかし到着後、いつものようにドアを開けようとしたが、開かなかった。




日中に鍵なんてかけている事は無かったから、俺は苛立ちが増してドアを一発蹴飛ばした。




間もなくして、ドア越しに信永が話しかけてきた。




「達也か?」




俺は返事の代わりにもう一度ドアを蹴とばし、「ああ」と言った。




すると信永はドアをゆっくりと開いた。




そして俺の顔を見るなり、俺の手を引っ張り中に入れ、外を見回してドアを閉じ、鍵をしめた。




「変な奴いなかったか?」




信永は言った。




「シン、どう考えてもお前が変だろ。何なんだよ一体」




俺がそう言うと、信永は事務所の机に置かれたボール紙の小さい箱を指差した。



「だから何だってんだよ」




俺がいい加減怒ろうとしたら、信永は神妙な顔をした。




そして何も言わずに机の上の箱を手に取り、開いて中身を俺に見せた。




そこには、薄汚れたタオルに包まれた、人間の耳が入っていたのだった。



井口達也


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