安全でおいしい狭山茶作り | いげっちのちょっと一服 お茶のみばなし

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いげっちは狭山茶を作っているお茶農家です。狭山茶が大好き。気の向くままにお茶のみ話をしたいと思います。どうぞよろしくお願いしま~す。

こんにちは。

今日は僕の茶畑でなぜ除草剤を使わなくなったのか?について書きた

いと思います。

今から30年ほど前までは農薬を使うことが近代的な農業でした。しかも、

衛生的で安全であるということでしたので何の躊躇もなく農薬を使い続

けていました。今から35年ほど前までは・・・。


ところが、お茶にある変化が起こりました。変化といっても健康を害する

ような深刻なものではなく、香りや味がしないお茶ができるようになって

しまいました。


ペットボトルに入っているお茶でも、香ばしいお茶の香りや、コクのある

渋みの中にも甘みを感じることができます。しかし、どんなに強い火入

れをして香ばしさを出そうとしても、火入れにより独特の甘みを引き出そ

うとしても、思ったようなお茶に仕上がらないといった現象が起ってしま

いました。


すぐさま原因を調べ始めました。しかし、結論はすぐに出ませんでした。

原因は殺虫剤ではないか?化学肥料ではないか?ある要素が複雑に

絡み合っているからではないか?といろいろ考えました。


そのときは、化学肥料など生産性を上げる農業というものに疑問符がつ

き始め、有機農法による新しい農業について研究が始まったところでし

た。


そんな時、野菜があるヒントを与えてくれたのです。野菜はお茶の樹に比

べ生育が早く、除草剤を使えなかったという事情があり、お茶よりも早く結

果を知ることができました。化学肥料・農薬をいつも栽培するときと同じ状

況のものと、有機肥料を使い落ち葉などの発酵堆肥で栽培したものと比

較して栽培してみました。


するとどうでしょう。化学肥料物よりも有機肥料を使ったもののほうが味が

よく、繊維がやわらかかったのです。しかしながら、農薬や化学肥料を使っ

て育てたものよりも見た目は悪く、形は不ぞろいでした。しかも、畑は草だ

らけで畑としてはすばらしい(管理が行き届いている)とはいえませんでし

た。また、今までの経験から、農薬を使っても食味が落ちたりすることがな

かったので、結論的には除草剤が原因しているということになったのです。


いまでは、除草剤を使わないで育てられたお茶は関東近県まで、喜ばれる

ようになってきました。最近では食の安全性という面からも化学肥料化学農

薬をなるべく使わない農業をするようになっています。


しかしながら、食の安全という観点からは少し残念なことも起こっています。

それは事故米や産地偽装という問題も示しているとおり、誰が認証している

のか?ということです。


残念ながら、除草剤を使っていないことを宣伝しても「じゃあ、誰がちゃんと

除草剤がないと証明しているのか?」という疑問を抱かれてしまう時勢と

なってしまったことです。生産者の顔が見える小売業として四代にわたって

茶業をしていますが、一部の悪徳業者によってブランドや産地偽装といっ

た事件が起こるたびに不安になってしまいます。


自信を持って「狭山茶」は安全でおいしいということをもっと多くの方に知って

いただきたいですね。