今回の記事は今年の観戦記まとめ記事の第3弾、毎年恒例ですが筆者の個人的興味で観戦した試合での各チームのラインアップを集計し、打順とポジションの相関性を検証するという記事になります。

 

<サンプル数>

今年観戦した試合は142試合。のべ284通りのラインアップ。

そのうちDH制を使用しているサンプルは187件。ピッチャーが打順に並んだサンプルは97件となります。

各ポジションごとに打順ごとの比率も出し、過去8年のデータと比較したEXCELシートの写真を添付しています。少し見づらいかもしれませんが、拡大などしてご確認いただければと思います。

 

ではポジション別に見ていきましょう。

※丸数字は打順。

●ピッチャー

①1(1.0%)②0(0.0%)③6(6.2%)④2(2.1%)⑤6(6.2%)⑥4(4.1%)⑦2(2.1%)⑧22(22.7%)⑨54(55.7%)

大谷の投打二刀流の活躍で、高校野球でも中軸を担う選手が再び増えつつありますが、高校より上のカテゴリーではやはり投打分業の流れは変わらず。

さて、来年から高校野球、9人制を貫いてきた東京六大学野球連盟、関西学生野球連盟もDH制を導入することになり、セントラル・リーグも2027年シーズンから導入と投手が打線に入ることは投手兼DHのいわゆる「大谷ルール」を適用した時のみになります。高校野球において、投手ができる強打者の起用法をどうするかが注目ポイントになりそうですね。11月に観戦したくまのベースボールフェスタでの創志学園は、投手ができる4番打者半田をDHで起用。ブルペンで肩を作りながらリリーフで登板時にDH制解除という形をとっていました。先発登板時は大谷ルール適用、先発しないときはDHでブルペン待機という形がスタンダードになるんですかねぇ。

 

●キャッチャー

①5(1.8%)②12(4.2%)③19(6.7%)④21(7.4%)⑤22(7.7%)⑥26(9.2%)⑦39(13.7%)⑧96(33.8%)⑨44(15.5%)

キャッチャーは大学以上のカテゴリーではやはり「専守防衛」傾向が強く、今年も8番が全ポジションで最多。9番が全ポジションで2位、7番が全ポジションで3位と下位打線の比率は6割超となりました。増加傾向にあった中軸比率も今年は停滞気味。ライオンズにドラフト1位指名された明大・小島などアマチュア野球の「打てる捕手」が上のカテゴリーでそれを維持できるか注目していきたいです。

●ファースト

①16(5.6%)②15(5.3%)③25(8.8%)④69(24.3%)⑤66(23.2%)⑥47(16.5%)⑦21(7.4%)⑧15(5.3%)⑨10(3.5%)

強打者のポジションという傾向は変わらず、4番、5番、6番の件数は全ポジションで最多でした。一方で1・2番の比率も年々増加傾向なのは興味深いところ。来年以降も増加するのか注目ですね。

 

●サード

①14(4.9%)②25(8.8%)③30(10.6%)④40(14.1%)⑤38(13.4%)⑥38(13.4%)⑦46(16.2%)⑧24(8.5

%)⑨29(10.2%)

強打のサードが復活しつつある中、今年も4番が全ポジションで2位の件数、5番、6番も全ポジションで3位と中軸の比率は引き続き高い傾向にありましたが、意外だったのは7番に入った件数が全ポジションで最多で46件と下位打線の比率も増加傾向。来年以降この数値が中軸か下位打線のどちらに増えるのか要注目です。

 

●セカンド

①27(9.5%)②51(18.0%)③37(13.0%)④14(4.9%)⑤16(5.6%)⑥26(9.2%)⑦37(13.0%)⑧36(12.7%)⑨40(14.1%)

●ショート

①50(17.6%)②50(17.6%)③30(10.6%)④8(2.8%)⑤16(5.6%)⑥28(9.9%)⑦22(7.7%)⑧38(13.4%)⑨42(14.8%)

似ているようで結構異なる傾向が出る二遊間のキーストンコンビ。今回も並列させてみました。

類似点はやはりつなぎ役的な2番が多いこと。セカンドは全ポジションで2位。ショートは全ポジションで3位という傾向に。

ただ、昨年のこの記事で触れたように大学4年生のドラフト候補の創価大立石や日本大谷端がセカンドやショートに挑戦の記事に触れましたが、実際に立石がセカンド、谷端がショートでの出場試合を観戦することになりました。

今後もこのような強打のセカンド、ショートが増えていくのか?そして何の因果か、立石、谷端がタイガースにドラ1、ドラ2出揃って入団となり、セリーグ王者タイガースの中でどこのポジションを担っていくのかにも注目ですね。

 

●センター

①91(32.0%)②58(20.4%)③38(13.4%)④16(5.6%)⑤17(6.0%)⑥14(4.9%)⑦19(6.7%)⑧9(3.2%)⑨22(7.7%)

外野3ポジションの中では特徴が突出しているセンター。1番の件数に加え、2番の件数も全ポジションでトップ。3番の件数も全ポジションで2位と俊足を買われて1~3番に置かれるケースが多く1~3番で7割近くを占める特徴的なポジションの傾向は変わりません。一方で4~6番の比率はピッチャーを除いて最少で、意外にも7~9番の下位打線の比率もファーストに次いで少ないと上位打線集中の傾向はより強まり、打てる選手は3番に置かれる傾向が増えそうですね。

 

●レフト

①31(10.9%)②30(10.6%)③39(13.7%)④35(12.3%)⑤36(12.7%)⑥39(13.7%)⑦33(11.6%)⑧14(4.9%)⑨27(9.5%)

●ライト

①38(13.4%)②28(9.9%)③38(13.4%)④39(13.7%)⑤40(14.1%)⑥36(12.7%)⑦41(14.4%)⑧12(4.2%)⑨12(4.2%)

例年に多様な打順分布になりがちな外野の両翼。今年も同じような傾向で比較的にまんべんなく散らばった印象です。

 

●DH

①11(5.9%)②15(8.0%)③22(11.8%)④40(21.4%)⑤27(14.4%)⑥26(13.9%)⑦24(12.8%)⑧18(9.6%)⑨4(2.1%)

打つのが仕事のDH。例年通り中軸の比率が高く、4~6番の比率は約半分。4番の件数はファーストに続いて第2位でした。ピッチャーのところでも触れましたが、来シーズンから高校野球、大学野球が完全DH制導入となることから、どんな選手をDHに起用するかで来年の打順分布が大きく変わるかもしれません。

守備に不安のある中軸をDHに回す場合、ファーストやレフトあたりからDHに流入し、両ポジションの中軸比率が減少するかもしれませんね。

 

来年のDH制導入でこの打順分布傾向がどう変わるか?来年以降もデータを取っていきたいと思います。